印象的だったのは会場の明るさです。
『モンスターハンター3(トライ)』が、新たな操作性と狩猟フィールドを提唱すれば、『レッツ タップ』がコントローラーを持たないというこれまでにないゲームスタイルを見せる。『バイオハザード5』『真・三國無双 MULTI RAID』が友達とゲームすることの楽しさをアピールすれば、『二ノ国』が本とゲームが融合した新しい形式を提案する。楽しいことと新しいことが沢山のゲームショーだったというわけです。
ここしばらくのTGSは「業界のTGS」でした。次世代ゲーム機戦争はどこが勝つのか。どのハードがいつのタイミングで値下げされるのか。メーカー側が言う「新しいもの」はいつくるのか……といった業界よりの話題が中心だったのです。
今年はメーカー側のいう「新しいもの」に具体性がありました。多くのゲームはプレイアブル出展であり、発売日が確定していないながらも手にとって確かめることができましたし、全ての陣営に目玉ソフトがありました。面白さと面白さがぶつかり合う、いい意味での総力戦だったのです。自分の陣営の面白さを誇ると同時に、相手陣営の提示する面白さに刺激を受ける。こうした総力戦なら、送り手も受け手も歓迎なのではないでしょうか。
その一方で課題もありました。
『モンスターハンター3(トライ)』は人気が過熱して開始直後から入場規制が行われました。3ホールと2ホールにはスクウェア・エニックスとカプコンとマイクロソフトとEAという人気ブースが矩形に並び、大きな混雑となりました。混雑はお祭りの醍醐味とはいえ、待ち時間が長すぎるあまりに人気タイトル“しか”見られないのは送り手も受け手も不本意なはず。せっかく無線機能を持つ携帯機があるのですから、お客さんの立場からすると体験版の配信なども希望したいのではないでしょうか。
TGS2009は3日間開催になるかも知れない……という噂もありますが、新たなうねりが生まれつつあるゲーム業界だけに、今度も4日間開催を期待したいところ。次のTGSで話題の中心となるのはどんなソフトなのか。楽しさと新しさが激突する、いい意味での総力戦を再び期待したいところです。