鳥取県は、弥生時代に全国有数の交易拠点として栄えた「青谷上寺地遺跡」の調査研究を進めています。その一環として、弥生時代の人びとや生活に親しみをもってもらうことを目的に、出土した人骨の骨格やDNA分析の成果を基に、「弥生人」の顔の復元を行っています。
2025年３月20日に、2021年10月に最初の復顔像が公開されて以来３人目となる、青谷かみじち遺跡では初の女性の復顔像を、青谷かみじち史跡公園（鳥取県鳥取市青谷町吉川１７）で公開しました。
▼青谷上寺地遺跡出土人骨を基に復元した女性復顔像
制作期間：2024年4月～2025年3月 制作協力・DNA分析・復顔監修：国立科学博物館
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復顔像の基になった頭蓋骨（第15頭蓋）
・発見：2000年度
・時期：弥生時代後期後葉（約1800年前）
・年齢：壮年（復元した年齢は30歳前後）
・核DNA分析で分かった特徴：
髪は太く直毛
肌は明るい
そばかす・ほくろはできにくい
二重まぶた
眉毛は濃い
虹彩は明るめの暗色系
３月２０日に青谷かみじち史跡公園でお披露目
3月20日（木・祝）に平井伸治鳥取県知事や地元の皆さんによって除幕され、復顔像がお披露目されました。お披露目した女性復顔像は、青谷かみじち史跡公園展示ガイダンス施設で展示しています。
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■公募した想像イラストも展示中
復顔像の公開前に、弥生人の女性の顔を想像でイラストに描いてもらう公募企画を２月20日から３月17日まで実施。応募のあった24作品を展示中です。小さなお子様の描いたかわいらしいイラストからプロ級のリアルイラストまで、多彩な作品が集まりました。来園者の投票で優秀賞を決定します。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/78201/128/78201-128-0d69a0c23e00bbcf392c931e3bdf1cab-606x354.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
鳥取県の「青谷弥生人」復元の取り組み
■一人目の復顔像：青谷 上寺朗（あおや かみじろう）
青谷上寺地遺跡で出土した人骨から復顔された一人目は男性。2021年10月に復顔が公開されるやいなや、SNSなどで「誰かに似ている」と話題になり、その反響から県が行った自薦によるそっくりさん募集には215件のエントリーが、同時に行われた名前募集には626件が集まりました。
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■二人目の復顔像：青谷 来渡（あおや らいと）
二人目は10代男性。青谷に移り住んだ渡来人の子孫という情報を公開しつつこちらも県が名前の募集を行うと、一人目の時を大きく上回る1239件の応募が集まりました。青谷町の中高生や関係者７人でつくる審査委員会が審査し、特長をつかんだこの名前に決定しました。
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▼復顔とは
頭蓋骨を基に生前の顔を復元する技術。解剖学研究で得られたデータを応用し、骨の形状だけでなく、筋肉の形態や皮下脂肪の厚みなども推定して顔を再現する。近年では、DNA分析で得られた顔表面に関わる情報（まぶたの形状・皮膚や髪の色など）を盛り込むことで、よりリアルな復顔像が制作できるようになった。
青谷上寺地遺跡とは
鳥取市青谷町で発見された青谷上寺地遺跡は、弥生時代に日本海を行き交う人が集い、交易の拠点として賑わった港湾集落でした。遺跡からは中国や朝鮮半島からもたらされた鉄器や銅鏡なども発見されています。弥生時代の歴史を知る上で重要な遺跡として、2008年に国の史跡に指定されました。
また、この遺跡に暮らしていた人びとの骨や脳、彼らが製作し、使用していた土器、石器、鉄器、木製の容器や農具、骨や角で作った漁具、美しい石やガラス製の装飾品など様々な道具が出土しており、全国屈指の量と質を誇ることから「地下の弥生博物館」とも呼ばれています。出土品のうち1,353点が国の重要文化財に指定されています。
これらの出土品の研究によって、海と山に囲まれた豊かな自然環境が弥生時代の人びとの生活を支え、優れたものづくりが育まれてきたことが分かっ ています。
公式サイト）https://www.aoya-kamijichi.info/
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青谷かみじち史跡公園
史跡青谷上寺地遺跡の南半分にあたる約７ヘクタールを史跡公園として整備し、2024年3月24日に開園。弥生時代の景観を復元した「自然景観体感地区」と、出土品の展示などを行う展示ガイダンス施設からなる「とっとり弥生の王国」の新たな拠点施設です。
自然景観体感地区
屋外の広場には当時この地に広がっていた湿地のほか、弥生の田んぼや高床倉庫を復元しており、弥生の風景を体感していただけます。
展示ガイダンス施設『 YAYOINE(やよいーね)』
青谷上寺地遺跡について楽しく学べるガイダンス棟と、2019年に国の重要文化財に指定された出土品を収蔵・展示する重要文化財棟からなります。
１. ガイダンス施設
「青谷の里巡り」をテーマに弥生時代の青谷上寺地遺跡とその世界観を表現し、青谷上寺地遺跡の弥生人とその暮らしぶりについて学んでいただくための施設です。復顔像や出土品を展示するだけでなく、復元イラストや模型を多用しており、誰もが分かりやすい内容となっています。また、弥生土器を使ったおままごとコーナーなど触れて遊べる展示もあり、小さなお子様にも楽しんでいただけます。そのほか、勾玉づくりや鏡の鋳造体験などの弥生体験が楽しめる体験学習室を設置しています。建物には鳥取県産の杉材を用いており、環境面に配慮するとともに木のぬくもりが感じられる空間となっています。
２. 重要文化財棟
国指定重要文化財1353点を適切な保存環境で収蔵展示するため施設で、重要文化財展示室、企画展示室の２室で重要文化財を展示しています。従来の考古学系展示施設とは異なり、「弥生の美」をテーマとし、青谷上寺地遺跡出土品の工芸的な美しさを引き出す展示空間を実現しています。
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ガイダンス棟展示室
[画像12: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/78201/128/78201-128-3b25c4322b43a608d0eddefd5476cca9-1136x822.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
重要文化財展示室
＜青谷かみじち史跡公園＞
開園時間9:00-17:00（最終入館16:30）
休園日毎月第４月曜日、年末年始
利用料金ガイダンス棟及び公園：無料
重要文化財棟：個人200円、団体150円（20名以上）、こども・学生は無料
プレスリリース提供：PR TIMES
