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新学期、時瀬高校2年の倉田武蔵は、先輩から託された廃部寸前の箏曲部を守ろうと一人必死に頑張っていました。

ところが、部室は不良たちに荒らされ、新入部員の勧誘もままならない状態です。

そんな時、警察沙汰を起こし恐れられている新入生、久遠愛が部室に乗り込んで来ました。

おまけに箏曲部へ入ると言い出しています。

警察沙汰の事件の真相、愛と箏の絆とは、そしてそれを知った武蔵は……！？

愛が晴れて箏曲部に入部しました。

武蔵はさらなる部員勧誘のため部活発表で箏を演奏しますが、全くいい所を見せられません。

にもかかわらず入部希望だという美少女、鳳月さとわが現れます。

さとわは『鳳月会』という箏の家元のお嬢様にして、コンクールで賞総ナメの有名な天才少女でした。

その一方で、実は……。

愛も武蔵もさとわに翻弄され、数少ない部員がバラバラに！？

このまま部員が５人集まらなければ、箏曲部は廃部になってしまいます。

さとわは、なぜか愛を慕っている３バカこと、サネ・みっつ・コータを人数合わせのためだけに声をかけるのでした。

しかし裏目に出てしまい――。

箏曲部を潰そうとする教頭。

それを阻止しようと、さとわの出した提案に、武蔵は度肝を抜かれます。

そんな中、さとわと愛はことあるごとにぶつかります。

『一か月で全校生徒を納得させる演奏が出来なければ廃部』

箏曲部は教頭と無謀な約束をしてしまいました。

懸命の練習に励む愛たちですが、教えるさとわには天才であるが故の思いも寄らない問題が立ち塞がります。

手を差し伸べる愛と武蔵。

皆と触れ合うことで、頑なだったさとわも次第に心を開きます。

そんなある日、さとわから箏という楽器に込められている想いについて聞いた愛は、さとわも武蔵も驚くような音を奏でます。

愛の過去を知ったさとわは呆然、動揺のあまり愛の前で涙を見せてしまうのですが……。

そしてついに全校生徒の前で『龍星群』を演奏する日がやってきました。

しかし生徒たちは全くの無関心。

ろくに聞く気がないばかりか、ヤジを飛ばしたりバカにして笑ったりしています。

それでも真っ直ぐに自分たちの決意を告げる武蔵、心を一つにする部員たち。

箏の音が、愛の想いが、体育館に響き渡ります！

大事なものを守り、届けるために――

見事に『龍星群』を弾き切り、箏曲部は部の存続を勝ち取りました。

盛り上がる部員たちに、武蔵は改めてある提案をします。

また愛はシズに一人だけ仁科楽器へ呼ばれます。

すっかり箏曲部に対する周囲の見る目も変わり、これで安泰……と思いきや。

今まで姿を見せなかった顧問が急に現れたり、何か企んでいる新入部員がやってきたり、せっかくまとまった箏曲部にまたひと波乱が起こりそう！？

体調を崩して休んださとわに、愛はプリントを届けに行きました。

しかし住所のメモを頼りにたどり着いたのは、どういう訳かオンボロアパートでした。

熱にうなされ過去を夢にみるさとわ。

愛する母のため、箏に打ち込んでも打ち込んでも、すれ違い遠ざかる親子の距離……当時のさとわは一縷の望みを託し、一か八か行動に出たのでしたが…。

一方、箏曲部をバラバラにしようと目論む妃呂は、さとわの秘密を皆に暴露しようとします。

改めて妃呂を部員として迎え7人となった時瀬高校箏曲部は、古典『六段の調』に挑みます。

“自分なりの六段”“今の自分たちのゴール”とは何か。

それぞれに悩む愛と3バカ、武蔵。

大事なものを掴んで少しずつ前へ進む箏曲部が次に目指すのは、関東邦楽祭への出場です。

部⻑として忙しい日々を過ごす武蔵ですが、ずっと心の奥にしまい込んでいたわだかまりを、ことあるごとに少しずつ感じるようになっていました。

さとわを追いかけて時瀬高校箏曲部の部室にかずさが乗り込んできました。

「あなたたちじゃ、さとわちゃんにはつり合わない！」かずさは、そう主張します。

彼女に言われて、愛たちは関東の強豪である姫坂女学院と明陵高校の箏曲部が行う合同勉強会へ見学にやって来ました。

しかしよりによって明陵は、武蔵が受験に落ちた因縁の高校でした。

かずさたち姫坂の演奏を聴いて打ちのめされた武蔵は、あることがきっかけで愛と言い合いになります。

『目指せ全国一位!!』再び心を一つにした時瀬高校箏曲部。

日に日に暑くなる中、邦楽祭に向けてパートごとに分かれて練習を重ねる７人ですが、それぞれ課題は山積みです。

どうにかまとめて練習の時間が取れないかと考えた愛たちは、夏休みに皆で二泊三日の合宿をすることにします。

しかし盛り上がるサネやみっつとは対照的に、コータの様子がおかしいのです。

苦手だった裏拍のリズムの取り方を滝浪に教えられ、コータは懸命に練習します。

武蔵とのかけ合いが上手くいかない愛も、滝浪にアドバイスを求めます。

滝浪の一見いい加減としか思えない答えに武蔵は呆れますが、愛は何かを掴んだようでした。

ずっと曲想に悩んでいたさとわも、仲間たちに意見を聞いて気付きを得ています。

合宿を通じて成長した7人。

いよいよ大会当日、時瀬高校箏曲部はライバルたちの集う邦楽祭の会場へ！

邦楽祭のトップバッターをつとめた明陵。

愛たち桜介の演奏に圧倒されます。

かずさたち姫坂、新たに出会ったライバル校、次々と素晴らしい演奏が続き、妃呂は緊張をつのらせます。

一方、哲生と共に会場へ来ていた衣咲の口から、思いがけず滝浪の素性が明らかに…！？

そんなことは露知らず、順番が近付いてきた時瀬高校箏曲部は演奏の準備へと向かいます。ところがそこでアクシデントが発生。

倒れた箏からさとわを庇った愛は、本番を前に手を痛めてしまいます。

それに気付いた滝浪は出場禁止を言い渡しますが、愛は……。

部員で唯一そのことを知ってしまった武蔵は、どうするべきかと悩みました。

愛の悲痛なまでの想い、そして武蔵の出した結論とは。

ライバルや応援してくれる人たち、観客が見守る中、ついに時瀬高校箏曲部の順番がやってきます。

序盤こそ崩れながらも、邦楽祭で心揺さぶる演奏をした時瀬高校箏曲部。

愛は救護室からの帰り、姫坂女学院のかずさに呼びとめられます。

さとわに憧れ、追い続けてきたかずさは、今のさとわの音について思いの丈をぶつけてきました。

さとわも密かにそれを聞いてしまいますが、愛は――。

さらに全ての学校の演奏が終わり各校の部員たちが揃う中、澪という不思議な生徒が愛に声をかけてきました。

緊張が高まる中、ついに結果発表されます！！

邦楽祭の結果を受け、全国への思いを新たにした箏曲部。

滝浪は皆に場数を踏ませるべく、学祭で演奏をするように言います。

そのためにも夏休みの課題をきちんとやれ、と釘を刺された愛たちは勉強会をすることに。

愛と3バカの成績に不安を感じる武蔵。

ところが、本人たちは『秘密兵器』があるとなぜか余裕のようすです。

新学期になると各クラスでも学祭の準備が始まって、どこかお祭りムードが漂っています。

そんな中、さとわと愛、妃呂と武蔵、それぞれに思わぬハプニングが！？

学祭に向けて練習する部員たち。

しかし、事故で思いがけずキスをしてしまった愛とさとわは、お互い気まずくギクシャクしています。

武蔵への気持ちを意識した妃呂も集中できません。

迎えた学祭当日、時瀬箏曲部の元部長、真白が武蔵に会いにやってきました。

親しげな二人の様子を見てショックを受ける妃呂。

一方、愛たち一年生のメンバーは、全国予選のための曲を探している滝浪から偶然、ある事実を聞かされます。

武蔵と妃呂、二人には次が全国大会へ行ける最後のチャンスです。

予選の重さを痛感し、練習に気合いが入る愛たち。

そんな皆を集め、滝浪が予選で弾く候補として挙げたのは驚くべき曲でした。

澪たちの珀音高校を越えるためだといいますが、さとわは受け入れられず一人で思い悩みます。

そこへ愛がやって来て……。

予選に向けて一丸となって動き出した時瀬箏曲部ですが、さらなる問題が。

さとわは仲間のため、思い切った行動に出ます。

十七絃も揃い、やる気も充分、まさに順風満帆の時瀬箏曲部。

ところが、さとわの実家である『鳳月会』から外部指導者がやって来て、さとわも部員たちも騒然となります。

たった一音にもダメ出しをする、そのあまりに厳しい指導に、妃呂やコータは反発します。

部をめちゃくちゃにする気ではないかと疑い、不満をつのらせるのでした。

しかし愛は、なぜか大人しく従っています。

理不尽に思えた指導に対して、箏曲部の皆が選んだ答えとは？

時瀬箏曲部にやってきた厳し過ぎる指導者、堂島晶。

さとわと対峙した晶は、『椿会』の家に生まれた自分の過去を省みます。

優しい両親とお箏の天才である兄、大好きな家族に囲まれて育った晶。

自分と兄の違いに気付きつつも、ずっと努力を重ねてきました。

しかし、運命は予期せぬ方向へ進んでいきます。

晶とさとわ、交錯する二人の過去。

一方、さとわと部員たちは全員で、過去のコンクールで優勝した晶の演奏を聴きます。

『天泣』の演奏後、さとわと母親の千春はついに向き合います。

今度こそ、さとわの音は届いたのでしょうか。

まれにみるハイレベルな戦いになった神奈川県予選大会。

方向性は違えど、互いに全てを注いで演奏した、姫坂、珀音、時瀬。

素晴らしい演奏により、審査員の間でも意見が割れ、審査は大いに難攻します。

ついに結果発表の時……全国への切符を手にしたのは！？

喜びと痛みとともに、それぞれの新たなスタート。