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（画像引用元：文化庁）

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文化大革命の時代、中国残留孤児の陸一心（上川隆也）は、日本のスパイという容疑をかけられ労働改造所に送られてしまいます。

そんな彼の脳裏に浮んできたのは、満州での少年時代の記憶でした。

日本の敗戦後母や祖父を亡くし、妹とも生き別れになった彼は、後に養父となる小学校教師・陸徳志（朱旭）に助けられます。

日本人であることを理由に労働改造所へと送られた一心は、そこで過酷な労働を強いられていました。

一心の状況を知らない徳志らは、一心からの連絡が途絶えたことに心を痛めます。

その頃日本では、一心の生き別れた実父・松本耕次（仲代達矢）が、中国政府による日本人残留者の捜索が始まったことを知ります。

一心は、労働改造所で日本生まれの華僑・黄書海（薄宏）と出会います。

書海から日本語を教わった一心は、自分が日本人であることを強く意識し出します。

そんなある日、一心は作業中に破傷風を患い、看護婦の江月梅（チャン・ウェンリー）に看病されまふ。

一心の養父母に対する深い思いを知った月梅は、徳志に一心の様子を伝えます。

労働作業中砂嵐に襲われた一心は、そこで月梅と再会。

二人は心を寄せ合いますが、一心は月梅に迷惑がかかると考え彼女を拒みます。

その後、一心は徳志らの尽力により釈放され北京へと戻りますが、月梅への思いを断ち切れず、彼女を呼び出します。

それから二人は交際を重ね、ついに結婚にこぎつけます。

日中共同声明後、日本と急速に関係を深める中国政府は、最新の鉄鋼プラントを東洋製鉄に発注。

東洋製鉄には、一心の実父である松本が勤めていました。

松本は戦中の中国での経験を買われ、工事責任者として上海に赴任します。

一方、一心も日本語ができる技術者としてプロジェクトに関わることに。

上海の製鉄所建設現場から日本に一時帰国した松本は、旧満州での隣人・咲子（十勝花子）と再会。

その際咲子から、息子と娘が生き残っていたことを聞かされます。

一方、一心は建設現場での仕事ぶりを評価され、日本視察を命じられます。

訪れた箱根で見た富士山から、一心は幼い頃の断片的な記憶を思い出します。

北京近郊の村に巡回医療で訪れた月梅は、一心の生き別れた妹・あつ子と思われる女性・張玉花（永井真理子）に出会います。

長年の困窮で体を壊していた玉花は余命わずかと診断され、それを知った一心は急いでその村へ向かいます。

一方、二人の実父・松本もあつ子の消息をつかんでいました。

一心の願いもむなしく、玉花＝あつ子は命を落とします。

悲しみに打ちひしがれる一心の前に現れたのは、玉花が娘ではないかと駆けつけた松本でした。

松本はあつ子の死を悲しみながらも、一心が自分の息子・勝男だと告白。

ですが、一心はこれまでの生い立ちやあつ子を思い素直に喜べずにいました。

製鉄所の装置検査のため再び来日した一心は、満州時代の隣人・狭間（渡辺文雄）と咲子に再会。

一心と松本の微妙な空気を察した二人は、一心に父と会うよう勧めます。

悩みながらも松本の家へ向かった一心は、そこで父がやっと家族の死を受け入れることができたと知り、父へのわだかまりを解きます。

さまざまなトラブルを乗り越え、ついに上海の製鉄所が完成。

中国、日本の関係者が喜び合う中、一心は松本と万感の思いを込めて抱き合います。

その後、一心と初めて親子水入らずで長江下りに出かけた松本は、一心に「日本に帰ってきてほしい」と告白。

二人の父の間で揺れる一心は、最後にある答えを出します。