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前中国の秦国。

“天下の大将軍”を目指す“飛信隊”隊長・信は、国門・函谷関を巡る合従軍との攻防戦での働きを認められ、“三千人将”へと昇格しました。

更に、一時は隊を離れていた副長・羌瘣も戻り活気づく飛信隊。

一方、王都・咸陽も秦王・嬴政に御子が誕生し沸いていました。

函谷関攻防戦という大きな戦によって疲弊した各国が、それぞれ国力を試される “内乱期”へと突入する中、秦国もまた、新たな波乱の時を迎えるのですが……!?

合従軍戦後の復興が進む中、国の実権をかけた秦王・嬴政と相国・呂不韋の争いはますます激化していました。

弟・成蟜の力添えで勢力を拡げる嬴政陣営と、財力を使い陣営を増やす呂不韋の争いはほぼ互角となりますが、そんな折、成蟜の第一夫人・瑠衣が帰省中の故郷・屯留へ趙軍が侵攻。

秦国にとって北東の要所ではありますが、力のある将軍は各方面に遠征しており急ぎ向かわせることができません。

この状況に成蟜が自ら出陣を申し出ます。

趙軍制圧に向かったはずの成蟜軍が一転、屯留で反乱を起こしたとの報が届き騒然とする咸陽。

これを受け呂不韋は、屯留を中心とする北東部での成蟜の人気を考え、反乱が拡大する前に討伐軍を送るべきだと言い放ちます。

ですが一連の動きに謀略の気配を感じ取っていた嬴政は、反乱軍の討伐、そして真相究明のために成蟜を生きて都に連れ帰ることを目的に、側近・昌文君配下の将軍・壁の軍、別働隊として信率いる飛信隊を屯留へと向かわせます。

飛信隊と壁軍が合流し、ついに屯留攻城戦が始まりました。

今回の飛信隊の役目は早さが勝負のため、戦力に優れた信と羌瘣をそろって成蟜の元へと向かわせる軍師・河了貂。

一方策略により牢に囚われ、城主代行・蒲鶮から此度の反乱のカラクリを聞き出した成蟜は、別の牢に囚われている瑠衣を救出し、蒲鶮の野望を阻止するため脱獄を企てます。

果たして、互いの身を案じる成蟜と瑠衣は再会を果たせるのでしょうか？

そして成蟜救出を託された飛信隊は!?

羌瘣や飛信隊の仲間とともに、成蟜と瑠衣が囚われていると思しき場所を探す信。

だが屯留城内は乱戦状態となっており、成蟜はおろか反乱の首謀者・蒲鶮さえも見つけられません。

一方、反乱兵との交戦で深手を負った成蟜は、救い出した瑠衣に援軍を連れてくるよう頼むと、その場に留まり、蒲鶮ら追手を迎え撃ちます。

成蟜の元に援軍を連れ帰るため走る瑠衣と救出を託された飛信隊は、成蟜の危機を救い、ともに都に帰ることができるのでしょうか!?

秦国と魏国の国境付近にある著蕹にて、大将軍・呉鳳明率いる魏軍と交戦中の秦国将軍・騰により、信の飛信隊と王賁の玉鳳隊が増援部隊として召集されました。

ところが魏に謎の三軍が合流し、秦軍は戦力的不利に。

状況を打破するため騰は、趙国との国境付近・拡陽に陣取る王翦軍に援軍を要請しようとするも王翦の嫡男・王賁がこれに反対します。

その真意とは!? 各国の傑物達も注目する中、秦は新たな要所・著蕹を攻略できるのでしょうか!?

王賁の進言により、秦は騰配下の録嗚未軍、玉鳳隊、飛信隊の三軍を主攻に、魏軍の布陣の僅かな隙を攻める策に出ます。

主攻の一つとして魏軍本陣を目指し突き進む飛信隊は、戦力差を克服するため軍師・河了貂の指揮でまずは敵第一陣を徹底的に叩きます。

そんな中、対する魏軍の将軍・凱孟が自ら前線に現れ飛信隊隊長・信に一騎打ちを持ちかけます。

魏国が誇る剛将であり、かつて戦場にその名を轟かせた”魏火龍”の一人・凱孟に、信が挑みます!!

乱戦の最中、河了貂が凱孟軍の本陣へと連れ去られました。

敵に捕らえられた軍師・河了貂の救出を優先するのか、このまま作戦を続行するのかで意見が分かれる飛信隊。

そんな中、羌瘣は、河了貂救出のために一つだけ試す手立てがあると言います。

一方、初日で躓いた飛信隊とは対照的に、王賁の玉鳳隊は、元々の高い戦闘力に加え、新たに玉鳳隊に加入した王翦将軍の側近の一人・関常率いる千人隊の働きもあり、快進撃を続けていましたが!?

魏軍本陣に向け進撃を続ける玉鳳隊の前に、もう一人の魏火龍・紫伯率いる軍が立ちはだかりました。

知と武勇を併せ持つ紫伯は、優れた戦術で玉鳳隊を翻弄。

度重なる死地での戦いを強いられた生い立ちにより“極み”へと達した“槍”で、次々と玉鳳隊員を葬っていきます。

これを目の当たりにした関常は、乱戦を解きすぐさま隊を離脱するよう王賁に進言。

ですが王賁は、自らが立てた作戦遂行のためこのまま敵将・紫伯を討つと言い放ちます。

著蕹の戦い三日目。

飛信隊、玉鳳隊に続き録嗚未軍も本格的に戦いに加わり、いよいよ決戦の時が近づきます！

連日、凱孟軍と戦闘を繰り広げていた飛信隊はついに凱孟軍本隊と激突。

しかし、軍師・河了貂の作戦に従い隊長・信を中心に奮闘するも、凱孟軍軍師・荀早の隙のない布陣を打ち破ることができません。

一方、紫伯軍と戦う玉鳳隊は、比較的余力のある関常隊を主攻に攻略を目指すもこちらも苦戦を強いられることとなり……!?

一度は敗北を喫した“槍の紫伯”に再び挑む王賁。

幼い頃からたゆまぬ努力と鍛錬を重ね、“達人”の域と称される槍術で戦う王賁ですが、死地で鍛え抜かれた紫伯の槍捌きをかいくぐることができません。

当初より今回の作戦に難色を示していた関常が玉鳳隊の副長・番陽に王賁を退かせるように告げる中、王賁の槍が紫伯を捉え始めます！

王一族宗家を継ぐ者・王賁には、その責務として抱く強い思いがありました。

飛信隊、玉鳳隊、録嗚未軍が目の前の敵を突破し、一斉に魏軍本陣を襲撃。

総大将・呉鳳明の首級をあげるため、最後の激闘を繰り広げます。

予想だにしなかった展開に魏軍は混乱に陥りますが、その中にあって冷静に思考を巡らせた呉鳳明は、秦軍の作戦の唯一の欠点を突くためすぐさま行動を開始します。

各国が注目するなか、魏国の傑物・呉鳳明に挑んだ秦国の若き将たちは、この戦いに勝利し、著蕹攻略を果たすことができるのでしょうか!?

秦軍・騰、魏軍・呉鳳明をそれぞれ総大将とした著蕹の戦いを終え、秦国は今後に向けて軍事重要拠点の更なる強化を目指すこととなります。

これにより王都・咸陽の動きも慌ただしくなる中、嬴政率いる“大王派”、呂不韋率いる“相国派”に並ぶもう一つの勢力、嬴政の実母・太后を頂点とする“後宮派”が突如、軍事拠点の一つ“山陽”一帯の統治を申し出、三大宮家が推す宦官の嫪毐に“山陽長官”を任せると告げに現れます。

三大宮家の後見により、山陽一帯の統治に着手し始めた太后、嫪毐ら後宮勢力は、山陽を越え、秦国最北の地“太原”にて「一帯を“毐国”とする。」と宣言。

宮廷内に激震が走るも、政治とは無縁の者たちによる建国は当初、頓挫するものと考えられました。

ところが毐国は順調に建国を進め、この機に乗じた楚軍が秦国に向け侵攻を開始します。

毐国と楚国による密約が確定的となる中、呂不韋は落ち着き払い、この事態を見つめていました。

毐国建国による混乱に乗じた各国の動きを注視する事情から、秦国は著蕹戦で功績のあった者を昇格させ、新たな軍の強化を図ります。

一方、列国からの援助もあり一層勢力を増す毐国では、想定以上に強大化する国の状況を警戒する太后が嫪毐に忠告。

偽りの宦官から太后の愛人となり、毐国の“王”と祭り上げられるまでになった自身の立場に、改めて恐れを抱く嫪毐。

そんな中、嫪毐は大臣・虎歴からあることを持ちかけられ……？

太后とその愛人・嫪毐との間に隠し子がいたことが咸陽に露見。

制裁は免れないとの情報がもたらされ騒然とする毐国。

大臣・虎歴は太后と嫪毐に対し、挙兵するか、太后、嫪毐、そしてその子らの首を差し出し降伏するかの二択を迫ります。

最早後戻りのできない状況に太后が下す決断とは……？

一方、秦国の旧都“雍”では第31代秦王・嬴政の“加冠の儀”に向けて、式典の準備が着々と進められていました。

秦国の旧都・雍に国内外から多くの要人が集まり、いよいよ第31代秦王・嬴政の加冠の儀が執り行われることとなりました。

目の前に現れた嬴政の堂々たる姿に皆が息を呑む中、式典は厳かに進んで行きます。

ところがその最中、何らかの方法によって函谷関をすり抜けた毐国軍が王都・咸陽に迫っているとの急報が!?

報せを受け式典の中止を告げる相国・呂不韋ですが、嬴政はこれを制し、そのまま続行することを宣言します。

王都・咸陽に迫る危機にいち早く気づいた飛信隊が、咸陽の近く“渭水”（いすい）へと辿り着きました。

この川を渡れば王都はすぐそこ。

そんな飛信隊の前に、かつて合従軍との戦の折、大王・嬴政とともに戦った民兵を含む“蕞”の兵たちが援軍として現れます。

大王の危機に奮起した蕞の兵たちと咸陽を目指し、舟で渭水を渡る飛信隊。

ですが、これを迎え撃つべく対岸を押さえた敵の激しい攻撃により、渡河は困難を極めます。

反乱鎮圧軍と合流した飛信隊と蕞の兵たちが、攻城戦の只中にある咸陽に到着しました。

ですが、守備が手薄となっていたところを狙われた咸陽は、敵軍と通じる者たちによる裏切りもあり、すでに都の中には敵が攻め入り、信たち鎮圧軍も大軍に阻まれ近づくことができません。

一方その頃、嬴政の加冠の儀を見届けた昌文君は、窮地にある咸陽へ急ぎ向かおうとしますが、その昌文君に“思いもよらない人物”が声をかけます。

第31代秦王・嬴政の下で秦国が生まれ変わろうとしていた頃、大国・楚もまた歴史的な局面を迎えていました。

これまで国を支えてきた考烈王と宰相・春申君が倒れ、国政に混乱が生じたのです。

これにより思いもよらない人物が楚国の宰相に就くことになります。

一方秦国では、信、王賁、そしてもうひとりの同世代の将・蒙恬が、嬴政が発した「六大将軍の復活」に向け更なる飛躍を誓い合います。

乱世の歴史は、さらに大きく動き始めます！