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シム・オン家の使用人の少年トルボクは、とても乱暴者で、唯一の味方は幼なじみのタムでした。

時は1418年、世宗イ・ドの時代。しかし実権は先代王の太宗イ・バンウォンにありました。

血の粛清で王権を築いたイ・バンウォンの次の標的は、イ・ドの義父シム・オンです。

無力なイ・ドは義父を助けようと手紙を送りますが、それが反逆の証拠となり、手紙を届けたトルボクの父ソクサムも殺されてしまいます。

捕らえられたシム家の使用人たちは脱獄を試みますが、兵士たちに取り押さえられ皆殺しに遭います。

その現場を目撃したイ・ドは、逃げ延びたトルボクを救うため、父イ・バンウォンに初めて反旗を翻します。

トルボクは国王が最愛の父を死に追いやったと聞かされて仇討ちを誓います。

イ・ドは抵抗の代償として、父から自決を命ずる空の重箱を贈られますが、それをきっかけに自分の描く国家の姿を見つけました。

武力で威嚇する父を前にイ・ドは、文による統治こそが自分の理想と宣言し、若い人材の育成機関として集賢殿の設置を求めます。

その夜、かつてイ・バンウォンに粛清されたチョン・ドジョンの秘密結社・密本が、新たな動きを見せました。

イ・バンウォンの側近チョ・マルセンは、密本の首長チョン・ドグァンの潜んだパン村を襲撃しますが、パン村に預けられていたトルボクは、その騒ぎに巻き込まれます。

チョン・ドグァンは矢に倒れ、“密本之書”と入れ替わったトルボクの巾着をチョン・ギジュンに託します。

4年後、イ・バンウォンがこの世を去り、さらに20年あまりの時が流れました。

北方で武功を立てたトルボクは、カン・チェユンと名を変えて、国王イ・ドへの復讐心を胸に、兼司僕として王宮に入ります。

その頃、武官コ・インソルが北方で殺害されたのに続き、集賢殿で学士ホ・ダムが遺体で発見されました。

カン・チェユンは、イ・ドに接近する機会を得るため、殺人事件の捜査に乗り出します。

カン・チェユンは、パン村に住む検死の達人のカリオンから、学士ホ・ダムの特殊な殺害方法を知りますが、それは武芸の師匠イ・バンジの使う必殺技“乾溺死功”でした。

その夜、カン・チェユンは、集賢殿に侵入した学士ユン・ピルを追いますが、ユン・ピルは出上術を使う謎の仮面の男に連れ去られてしまいます。

カン・チェユンは、鋳字所で起きた火災現場から、広平大君付きの女官ソイを救出します。

彼女は口がきけず、一度目にしたものは何でも覚えられる記憶力の持ち主でしたが、彼女こそがトルボクの幼なじみタムでした。

一方、ユン・ピルの遺体から“丨口亡己”という4つの活字が発見されます。

さらに彼の身体に謎の入れ墨を発見したカン・チェユンは、集賢殿の学士たちの身体検査を要求しました。

ユン・ピルの残した活字は“密本”を表していました。

一方、遺体の盗難事件を通じて、一連の事件には国王側の人間と犯人側の2つの陣営が関わっていると睨んだカン・チェユン。

パン村の書店で仮面の男と同じ模様の腕輪をした男を見かけます。

カン・チェユンは、遺体を盗んだのが集賢殿の学士ソン・サンムンだと突き止め、彼の行方を追って山中に向かうが、そこで再び仮面の男と一戦を交えました。

カン・チェユンは、仮面の男ユン・ピョンをあと一歩のところで逃してしまいます。

翌朝、宮中の池で学士チャン・ソンスの遺体が発見され、その下から密本を象徴する文言が出てきました。

同志たちが次々と密本の手に掛かっていることに衝撃を受けたイ・ドは、自分の理想が正しかったのかと苦悩にさいなまれます。

しかし、カン・チェユンも同様に、自ら決心した道を傷つきながら進んでいると知って、再び決意を固めます。

イ・ドはカン・チェユンの目的が自分の暗殺だと知りながら、カン・チェユンに密本の捜査を任命します。

一方、ユン・ピルが残した“君那弥欲”の謎にたどり着いたソン・サンムンとパク・ペンニョンは、ついにイ・ドから秘密事業の全貌を知らされました。

そんな中、世論調査の担当になったナム・サチョルが、密本から脅迫を受ける事件が起こり、現場に残された刀からカリオンが犯人として捕らえられます。

イ・ドはカリオンを、成均館の儒生たちがチョン・ドジョンを偲んで集まるという裏山に呼び、酒を酌み交わします。

イ・ドはカリオンの協力を得て、発音の原理を探るために人体解剖を行いました。

そんな中、北方からイ・バンジの使いがトルボクを訪ねてきますが、密本の一味に殺害されます。

一方、密本の本元チョン・ギジュンは、全国から会員を集めて会合を開くが、元老会員から“密本之書”を求められました。

未完成の“福”の字が縫い付けられた巾着の絵が街に張り出されます。

トルボクが生きているかもしれないとの希望にソイは指定された場所に向かい、また巾着と入れ替わった“密本之書”を取り戻すため、密本も動き出しました。

ソイはトルボクを呼ぶために、“継言山、馬医”という張り紙を張り出すが、ユン・ピョンに拉致されてしまいます。

継言山の意味を解いたカン・チェユンは、タムに会いに山へと向かいました。

ついにお互いの姿を確認したカン・チェユンとソイ。

しかしそこにユン・ピョンの刀が襲いかかり、カン・チェユンを助けるためにソイは声を取り戻します。

イ・ドは二人を遠くに逃がしますが、ソイは文字創製事業をやり遂げるために、イ・ドのもとへと帰って行きました。

一方、カン・チェユンから“密本之書”を取り返したチョン・ギジュンは、密本の結束を固めます。

その夜、カン・チェユンは王宮に向かいました。

イ・ドに刃を向けるカン・チェユン。

そんなカン・チェユンに対して、文字創製の審査官になってほしいと説得するイ・ドですが、カン・チェユンは民が文字を学んでも良いことなどないと反発します。

その頃、チョン・ギジュンら密本はイ・ドが文字を作ろうとしていることを突き止め、その事実を世間に公表しました。

文字創製現場の公開を翌日に控えた夜、イ・ドは全ての資料を退避させようとします。

カン・チェユンは密本に拉致されたソイと広平大君を助けますが、それを知らない密本は、広平大君の命を助けたければ文字創製を諦めろという張り紙を掲示します。

それを見たカン・チェユンは、広平大君らをそのまま監禁し、イ・ドが文字と息子の命のどちらを取るか確かめようとしました。

文字の創製に否定的なカン・チェユンに対し、広平大君とソイは王の作った新しい

文字の仕組みを説明します。

イ・ドの面前で、文字創製事業への協力と、チョン・ギジュンの逮捕を誓うカン・チェユン。

一方、密本はカン・チェユンが王の暗殺を企んでいると知って、彼を味方につけようとします。

イ・ドは、文字創製への激しい反発に対して、集賢殿の廃止と引き換えに文字の頒布を認めさせるよう、イ・シンジョクと政治取引を持ちかけました。

その頃、チョン・ギジュンはイ・ドの作った文字の正体を知って驚愕を受けます。

イ・ドの目論んだ取り引きは急に中止となります。

チョン・ギジュンは、イ・ドの作った文字が持つ力に気づき、文字の頒布を妨害しようとしました。

翌日、科挙試験が実施されますが、首席で合格したのはパン村の身分の低い男でした。

文字の頒布によって、身分の低い男ですら官僚になりうるという事実に、特権貴族階級の反発はいっそう激化します。

そんな中、カン・チェユンの師匠イ・バンジが、チョン・ギジュンの元を訪れました。

イ・バンジとの再会を懐かしむカン・チェユン。

しかしチョン・ギジュンの目的は、イ・バンジを通じてカン・チェユンを密本に引き込み、イ・ドを暗殺させることにありました。

一方、イ・ドはチョン・ギジュンに会おうとしていました。

ムヒュルはイ・バンジを街で偶然見かけ、彼ならチョン・ギジュンの居場所を知っていると仲介を依頼するが、イ・バンジは何者かに襲われて行方をくらましてしまいます。

ついにイ・ドの前に正体を現したチョン・ギジュン。

秩序維持のために文字の頒布を阻むと主張するチョン・ギジュンに対して、文字によって民に権力を分け与えると主張するイ・ド。

二人の論戦が続く中、カリオンの小屋を捜査していたカン・チェユンも、密本の全貌を把握します。

チョン・ギジュンは、文字の頒布を妨害するため広平大君を殺害し、息子を失って深く胸を痛めたイ・ドは、心に迷いが生じました。