GDCの期間中には会場周辺でさまざまな関連イベントが開催されます。優れたモバイルゲームを選出し表彰する「The International Mobile Gaming Awards (IMGA) 」(主催:NCC Partners)はその一つ。第10回の記念大会が3月20日(現地時間)に開催され、アクションアドベンチャーの『Badland』(Frogmind)がグランプリに輝きました。 NCC Partnersは仏マルセイユに本社をかまえる映像系のコンサルタント会社で、1997年に設立。オートデスクやクライテリオン、ノキアなどの協力を得て、第1回IMGAが2004年に開催されました。長くバルセロナで開催されるモバイルワールドコングレスで表彰式を行ってきましたが、2013年よりサンフランシスコに移動し、GDC期間中に開催。出席者のほとんどがGDC参加者で、表彰式もクラブを借り切ってパーティ形式で行われ、和やかな雰囲気を演出していました。 表彰式に先立ち、NCC Partnersの創設者であるMarton Noyons氏は「2004年にIMGAを開始した当初は、モバイルゲームがこれほど大きな産業になるとは、想像できなかった。携帯電話もノキアなどのフィーチャーフォンから、アップル、Googleのスマートフォンが主流になり、ビジネスモデルもF2Pが主流になるなど、大きな変化があった」と振り返りました。その一方でユーザーが「優れたゲーム体験」を求めていることは変わらないと述べました。 IMGAのプラットフォームは開発技術は、iOS, Android, HTML5など多岐にわたります。第10回の記念大会では全世界から約1000タイトルの応募があり、そのうち600本が正式にエントリーされました。その後、一次審査で160本のタイトルに絞り込まれ、そこから実際にゲームを延々とプレイしながら、最終的に10個のタイトルを選出。受賞結果は下記の通りです。 ・Grand Prix: Badland(Frogmind) ・Excellence in Sound Design: Papa Sangre II (Playground Publishing B.V.) ・Best Upcoming Game: Framed (Loveshack Entertainment) ・People’s Choice: Tiny Thief (Rovio Stars Ltd. ) ・Best Technical Achievement: Clumsy Ninja (Natural Motion) ・Best Shared Experience: Heads Up (Warner Bros.) ・Excellence in Gameplay: rymdkapsel (webbfarbror AB) ・Excellence in Storytelling: Republique (Camouflaj LLC) ・Best Serious Game: Artisitco - The Game for Art Lovers (PlayArt Labs Ltd.) ・Best Quikplay: コロッサトロン 世界侵略の大脅威 (Halfbrick Studios) ・Excellence in Art Design: Year Walk (By Simogo) ・Excellence in Innovation: Blek (Denis Mikan) ・Jury’s Honorable Mention: Luxuria Superbia (Tale of Tales) いずれ劣らぬ名作揃いですが、ここでは『フルーツニンジャ』などのヒット作でおなじみの、Halfbrick Studiosの新作『コロッサトロン 世界侵略の大脅威』を紹介しましょう。宇宙から飛来した謎の侵略兵器コロッサトロンを操りながら、都市を破壊していくアクションパズルです。3マッチゲームを基本としながら、まったく新しいゲームに進化させており、ゲームの可能性を感じさせます。 本作に限らず、受賞した作品はくしくも、ソーシャルゲームやF2Pタイトルは存在せず、すべて落としきりのアプリとなりました。意図して排除されたわけではありませんが、興味深い結果になったといえます。すべて海外アプリで、ある程度の語学力を要求されるゲームもありますが、多くはシンプルで奥深い内容ですので、何か変わったゲームが遊びたいという人は、ぜひチェックしてみてください。
《小野憲史》
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