■「ウォーハンマー40,000」(ゲームズワークショップ)
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41千年紀の遠未来の銀河系で戦いを続ける、超人兵やエイリアン、さらには悪の存在である「ケイオス(混沌)」の悪魔というような様々な勢力の軍団を指揮して対戦するSFミニチュアゲーム。通称「40K」。
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初版の発売から約28年という長い歴史を持つ人気のタイトルで、ミニチュアゲームのみならずボードゲームやデジタルゲームといった展開もされています。
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なんといっても独特のゴシックSFなビジュアルと、戦争の狂気に満ちた暗黒の遠未来を描く世界設定が魅力。日本でもファンが多く、筆者もこのゲームからミニチュアゲームというものを知り、その面白さにハマっていきました。
今回紹介する他のタイトルに比べると、遊び始めるために必要なミニチュアの数は多め。しかし、たくさんミニチュアを並べて迫力のある戦いで遊んでみたい人にはぴったりのタイトル。
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また、歩兵はもちろん、戦車や飛行機、巨大ロボットにモンスターなどとにかく色んなミニチュアが戦場に出てくる賑やかさも特徴となっています。
日本に支社があり、基本となるルールブックは日本語化されています。取扱店も全国にあり、先述の通り東京都の神保町と中野には直営店があります。
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最新のスターターセットは「ウォーハンマー40,000: ダーク ヴェンジェンス」。価格は1万3500円(税込)。
人類の帝国を守るため遺伝子改造を受けた超人兵「スペース・マリーン」の戦団「ダーク・エンジェル」と、ケイオスへと寝返った「スペース・マリーン」である「ケイオス・スペースマリーン」の2勢力のミニチュアの他、ルールブック等、2人でゲームを遊ぶために必要なものが一通りが入っています。
同じゲームズワークショップからファンタジーミニチュア・ゲーム『ウォーハンマー』や映画『ホビット』の世界を再現したミニチュアゲームも発売されており、どちらも基本ルールブックは日本語化されていますので合わせてチェックしてみるとよいでしょう。
■「Warmachine」(Privateer Press)
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剣と銃と魔法のスチームパンク・ファンタジーの世界を舞台に、魔導鎧に身を包みロボットを操り戦う魔法戦士「ウォーキャスター」に率いられた軍団を指揮し対戦するゲーム。
2003年に登場した『Warmachine』はアメリカを中心に世界中で大人気で、近年日本でもプレイヤーの数が急激に増えてきているタイトル。
「マジック:ザ・ギャザリング」のイラストレーターでもあったマシュー・D・ウィルソンが生み出したゲームということもあってか、トレーディングカードゲームを彷彿とさせるリソース管理やそれぞれのミニチュアの能力を組み合わせて生み出すコンボ的な要素があるのが特徴。
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また、「ウォーキャスター」が戦況を一変させるそれぞれ独自の力を持ったキャラクターでありながら、将棋で言えば王将のような殺されたら自動的に負けるの存在でもあるというジレンマを抱えており、その上手な運用に頭をつかうのが楽しいゲーム。
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3体~5体ほどのミニチュアで遊び始められ、その規模だと短い時間で遊べるという点が初心者向け。もちろん増強していけば、結構な数のミニチュアを並べて大規模な戦いを楽しむこともできます。
加えて、TRPG「IRON KINGDOMS」をベースに作られたゲームということもあって緻密に作られた背景設定と、それぞれのキャラクターの思惑が交錯して生まれる壮大なファンタジー戦史も魅力的。
正式な日本語版はありませんが、一部取扱店ではショップ訳をつけて販売しています。
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2人用スターターセットは「WARMACHINE Two Player Battle Box」。価格は1万2000円(税込)。
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ロシアを彷彿とさせる北の帝国「Khador」と狂信的な宗教国家「Protectorate of Menoth」の2勢力のミニチュアの他、ルールブック等、ゲームに必要なものが一通りが入っています。
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また、「Battlegroup Box」と呼ばれる1人用スターターもあります。価格は6000円(税込)。こちらはルールブックは簡易版しか入っていませんが、基本的に各勢力ごとに出ていますので、2人用の勢力に興味が無いという方はこちらから始めてみるのもよいでしょう。
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『Warmachine』と同じ世界で、ロボットの代わりにモンスターで戦う軍団を指揮し対戦するゲーム『Hordes』もあり、別タイトルでありながら混ぜて対戦することができようになっていてこちらも非常にオススメ。『Warmachine』の勢力とは雰囲気の違う、トロルやエルフ、ドルイド、イノシシ、ワニといったファンタジー色の強い軍勢が登場します。
■「ボルトアクション」(ウォーロードゲームズ)
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第二次世界大戦の戦場で繰り広げられた、歩兵部隊の戦いを再現し対戦するヒストリカルミニチュアゲーム。
1人のプレイヤーが分隊から小隊規模の部隊を指揮して対戦するゲームなので、最初に必要なミニチュアは10体~20体ほど。歩兵がメインのゲームではありますが、装甲車や戦車、野戦砲なども登場します。
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第二次世界大戦を再現するとはいっても、史実の戦いを忠実に再現するのではなく、ドイツと日本が戦ったりもできるので、架空戦記モノのような雰囲気で遊べるようになっています。そのため、ゲームを遊ぶ上でに知識は必要ありません(もちろん知識があったほうが盛り上がれると思いますが)。
先攻後攻(部隊の行動)の順番がランダムで変わったり、集中砲火を受けると兵士や戦車が死ななくとも恐怖で伏せたり後退してしまうという、戦場の混乱を再現した面白いルールがあるのも特徴となっています。
様々な国の部隊や兵器が登場しますが個別のデータはそれほど多くなく、ルールも比較的シンプルにまとめられているので、ミニチュアゲーム初心者でも安心。歴史にあまり詳しくはないけど、映画やデジタルゲームで第二次世界大戦に興味を持っているというような人にオススメなタイトルです。
日本に代理店があり、基本となるルールブックは日本語化されています(データ形式)。東京の秋葉原にサポートベース(ショールーム)があります。
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最新の2人用スターターセットは『ボルトアクション:D-Day ファイアファイト』。価格は1万3000円。
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アメリカ軍とドイツ軍のミニチュアに加え、ルールブックなどゲームに必要なもの、さらに戦場を彩る破壊された家のミニチュアもついてきます。
この他にもルールブックは付属しないものの「Starter Army」と呼ばれる1人用のスターターセットもありますので、米独以外に興味のある方はこちらから始めてみるのもよいでしょう。
■「Star Wars:X-Wing Miniature Game」(Fantasy Flight Games)
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『X-Wing』は、その名の通り映画『スター・ウォーズ』の世界で宇宙戦闘機(宇宙船)の部隊を指揮し対戦するゲーム。
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最大の特徴はミニチュアが組立・ペイント済みであるというところ。そのクオリティもなかなかでコレクション目的で集めてもいいほど。また、旧3部作からはもちろん、『ダーク・フォース』や『帝国の影』といったちょっと懐かしいゲームや小説からも、様々な機体やキャラクターも出てくるのがファンとしてはたまりません。
機体の性能に応じて直進速度や旋回可能な速度が決まっており、各機体が動きに制約がある中で工夫しながら相手の裏を取っていくという白熱したドッグファイトが楽しめます。
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さらに、各ラウンドの最初に各機の動きをあらかじめ互いに隠しながら決め、キャラクターのパイロット能力の順番で公開し処理をしていくので、狙っていた敵機が思わぬ方向に行ってしまったりすることもあり、相手の動きを先読みすることが重要になるルールなのも面白いポイント。
ルールはかなり軽めであり、遊び始めは各プレイヤーが1~2機操作するだけでも十分おもしろいゲームが楽しめるので、ミニチュアが組立・ペイント済みであることも合わせて、気軽にミニチュアゲームを遊んでみたい人に最適のタイトルだと思います。
公式の日本語版はありませんが、ファンによる私家抄訳が作られています。ちなみに、ルールブックはメーカーのサイトで無料公開されています。
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スターターセット『Star Wars X-Wing: Miniatures Game』は、4000円~4800円ほど。
Xウイング1機とTIEファイター2機の他、ルールブックなど2人でゲームを遊ぶために必要な物が全て入っています。ルークやR2-D2といったおなじみのキャラクターのデータも入っていますので、早速映画のワンシーンのような戦いができますよ!
■ドレッドボール(Mantic Games)
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大企業により支配が進んだ未来で、人類のみならずエイリアンにも大人気の暴力的球技「ドレッドボール」で対戦し、コーチとして自らのチームを成長させていくゲーム。基本的に戦争モノが多いミニチュアゲームでは異色作。
ヘックス(六角形のマス目)の描かれたフィールドを模したボードの上に、各プレイヤーが選手のミニチュアを並べ、ボールを奪い合い、ボードの相手側にあるゴールにボールを投げ込み得点を競います。雰囲気としてはラグビーにアイスホッケーを足したような感じ。
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ルールはボードゲームに近く、簡単な説明を受ければすぐに遊び始められ、60分~90分くらいで終わるミニチュアゲームとしてはかなり軽めなゲーム。6人制の球技なので、基本的に使用するミニチュアは補欠選挙を含め各プレイヤー8体までと準備が手軽なのも初心者にオススメできるポイント。
また、ダイスを使った成否の判定で6を出すと更におまけでダイスを振り、6が出続ける限り追加で振り続けられるので、思わぬタイミングでスーパープレーが生まれるのが熱い。
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体当たりやボール(超高速で飛ぶ鉄球)を相手選手に直接投げつける事はルール上許されており、転んだ相手を踏みつけたりするのも(ファールだけど)対戦相手と審判にバレなければOKという大変暴力的な球技なのも楽しいところ。
人間だけでなく、昆虫エイリアン、亀エイリアン、宇宙エルフ、ロボットなどなど様々な特長を持ったチームが登場し、さらに、リーグ戦形式で遊ぶと自らチームを運営し成長させていくという遊び方も楽しめます。
日本に代理店があり、基本となるルールブックは日本語化されています。代理店のウェブショップもあります。ちなみに、宣伝っぽくなってしまいますが翻訳は筆者が担当しました。
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人間の「ヒューマン・チーム」と宇宙オーク&ゴブリン「マローダー・チーム」のミニチュアの他、ルールブックやボード等、2人でゲームを遊ぶために必要な物が全て入っています。
この他にも、代理店のショップでは、ルールブック+チームの1人用のバンドル販売(ボード等は付属しません)もありますので、ヒューマンやマローダー以外のチームに興味のある方はこちらから始めてみるのもよいでしょう。
それでは、最後にミニチュアゲームをどこで買ったらいいかをご紹介しましょう。