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【電脳遊戯史資料集】第8回 「メトロイド」シリーズ

主観視点アドベンチャー(略してFPA:First Person Adventure)として、任天堂より2003年にニンテンドーゲームキューブ向けに登場した『メトロイドプライム』。

任天堂 その他
主観視点アドベンチャー(略してFPA:First Person Adventure)として、任天堂より2003年にニンテンドーゲームキューブ向けに登場した『メトロイドプライム』。

今まで2Dアクションだったシリーズの形を大きく変え、当時でも家庭用ゲーム機では珍しかった「主観視点」を用いたゲームながら、ゲームキューブでも最高クラスの美しい映像と作りこまれた世界観、なによりアドベンチャーとして、アクションとしての楽しさで多くのファンを生んだ人気作である。

前作より2年、その待望の続編が2005年5月26日、ついに発売となる。

ストーリー時系列

  1. FDS:メトロイド
    • 「惑星SR388」で発生した未知生命体「メトロイド」を調査団が回収中
      宇宙海賊に襲われる。サムスは海賊の基地と化した「惑星ゼーベス」に単身乗り込み、
      メトロイドを悪用しようとする宇宙海賊のマザーブレインの破壊に挑む。

    1. GBA:メトロイド ゼロミッション
      • 話の詳細とその後日談。
        マザーブレインの破壊後、惑星ゼーベスからの脱出中に海賊の残党に襲われ墜落。
        ハンドガン一丁にパワードスーツも着用していない生身の状態で、
        果たして生きて再び脱出することが出来るか。

  2. GC:メトロイドプライム
    • 惑星ゼーベスでの戦禍を逃れた宇宙海賊の一団は、強力なエネルギー物質
      「フェイゾン」の存在する「惑星ターロンIV」での再建を目指す。
      サムスは宇宙海賊の目論見を阻止すべく単身のりこみ、
      実験施設の破壊とフェイゾンの謎を調べる。

  3. GC:メトロイドプライム2 ダーク・エコーズ
    • 惑星エーテルで消息を絶った部隊の捜索に向かったサムスはライトエーテルダークエーテルという2つの隕石の衝突が生み出した異次元世界を発見。サムスはここで2つの空間の間で繰り広げられるエネルギーを巡る対立に巻き込まれてしまう。

  4. GB:メトロイド2 リターン・オブ・サムス
    • サムスは惑星SR388に依然として生存しているメトロイドを殲滅すべく単身乗り込む。
      惑星最深部に居るクイーンメトロイドを破壊するも、
      最後に残った孵化したばかりのベビーメトロイドに手をかけることは出来ず、
      銀河連邦の宇宙科学アカデミーに持ち帰る。

  5. SFC:スーパーメトロイド
    • 宇宙科学アカデミーのベビーメトロイドが宇宙海賊に奪われ、
      再建されつつあった惑星ゼーベスにて再びメトロイドが悪用される。
      サムスは単身乗り込み、マザーブレインを破壊、
      さらに惑星ゼーベス自体を爆破し海賊を殲滅した。

  6. GBA:メトロイド フュージョン
    • サムスは惑星SR388の調査中に謎の寄生生物「X」に襲われ、
      メトロイドから抽出されたワクチンによって一命を取り留めるが、
      その体は既にXと半分同化していた。

    • その変わりにXへの耐性を得たサムスは、唯一Xに立ち向かえる戦士として、
      その発生原因のあるバイオロジック宇宙生物研究所へと単身潜入し、
      その原因を探る。


システム時系列

  • FDS: METROID (1986.08.06)
    • ファミコンのディスクシステムで発売された初代メトロイドです。ディスクシステムでしかできないゲームを作ろうということで、当時のアクションゲームでは考えられなかった広大なマップを作り上げたことからメトロイドのアイデンティティが確立しました。

    • ディスクシステムで遊べるゲームというと「ゼルダの伝説」か「メトロイド」ぐらいしかなかったという事も手伝って、絶大な人気を誇ることとなります。またアクションであるにも関わらず当時からかなりの謎解き要素を持っていたメトロイドは、「横ゼルダ」などと呼ばれる事もありました。

    • 当時、主人公サムスが女性であることは明らかにされなかったため、クリア時間によってサムスの正体が明かされるシステムがかなり話題になりました。

  • GB: METROID 2 : Return of Samus (1991.01.21)
    • ゲームボーイのメトロイドは、他のシリーズとひと味もふた味も違いました。先ず気がつくのが音楽が全く違うということです。今では定番となっているローディングやアイテム取得のファンファーレすら全く違う曲になっていて、他の曲もより環境音楽や効果音に近いようなクールな物になっていました。

    • またラスボス以外にボスらしいボスは存在せず、広大なマップ中のいたるところに住み着いているメトロイドを全部倒すのがゲームの目的となります。なのでどちらかというと、最後まで中ボス戦がつづくといった印象です。

    • ちなみにスパイダーボールが最初にでてきたのはこの作品です。

  • SFC: SUPER METROID (1994.03.19)
    • 初代メトロイドのシステムを引き継いで、より沢山のアイテムとアクションをサムスに与えました。そしてマップもより広大に、隠し通路もより複雑に、世界観もよりダークでリアリスティックなものになり、メトロイドというシリーズの方向性が完全に定まった記念すべき作品です。いまだにこの作品が一番好きという人も多いはず。

    • 世界観に関しては「エイリアン3」を意識して作ったといわれていて、サムスの人物像もその主人公と重ねられる事が多いのです。

    • スーパーミサイルやパワーボム、グラップリングビーム、プラズマビームなど、後に定番となっていくアイテムは殆どこのスーパーメトロイドで追加されたものです。また、ダッシュやスペースジャンプ、三角とび、無限ジャンプなど、サムスのアクションも大幅に拡張され、超広大なマップを縦横無尽に走り回るサムスというイメージがここで確立されました。

    • またタイムアタックを意識したマップの作りになっていて、バグじゃないかと思えるようなルートで考えられないような短時間でクリアすることができるようになったのもこのシリーズの特徴です。実際全部考えて隠しルートなどをつくってあるというから驚きです。

  • GBA: METROID FUSION (2003.02.14)
    • ゲームキューブのメトロイドプライムと同時期に発売されましたが、これは純粋に今までの2Dのシステムを踏襲したものとなっています。

    • ただしGBAはSFCよりボタン数が少ないので操作系統はかなり洗練されていました。様々なアイテムを選択して使うのではなく、サムスのもつミサイルそのものがどんどんパワーアップしていくというようなシステムを導入し、少ないボタン数で無理なくすべてのアクションが行えるように設計されていました。

    • このメトロイドが他と大きく違うのが、ストーリーを語ることを全くいとわないという所です。ストーリーをテキストで語りだすシーンが随所に盛り込まれています。というのも今までのシリーズ中でサムスを取り巻く状況が最も急激に変化し、その設定や背景などもなかなか小難しいのが原因となっています。しかし、そのおかげでシリーズ中最も焦燥感にあふれ、最初から最後まで手に汗握りっぱなしでゲームが進められる逸品でした。

  • GC: METROID PRIME (2003.02.28)
    • ゲームキューブの発表と同時にデモンストレーションとして数秒のムービーが公開されました。当時は単なるイメージムービーに過ぎなかったのですが、記者たちの異常な盛り上がりなどから開発が始まったといわれています。開発はテキサスにあるレトロスタジオという任天堂の子会社が担当しています。

    • 映像の3D化に伴ってシステムも完全に一から作り直されました。通常一人称視点で、丸まりなどの特殊なアクションの時にカメラが引いて三人称視点になるというシステムを導入することで、メトロイドの世界観をうまく3Dシステムにしました。

    • 当初は一人称視点になるという情報が先にながれたため「こんなのはメトロイドじゃない」などと言われる事が多かったのですが、実際に発売されてみると全く違うシステムであるにも関わらずメトロイドをプレイしているという感覚は完全に再現されていて、なおかつ非常に完成度が高かったため誰もが納得したのです。

    • バイザーシステムという「赤外線」や「X線」を可視化する機能があり、これが3D独特の探索要素をつくりだして、よりメトロイド特有の世界観を深めるのに成功しました。

    • ストーリーも直接語ることは一切なく、サムスの周辺の状況の変化やマップ中のオブジェクトをスキャンして得られる情報などで推測するように構成されています。ストーリーを深く知りたい人はより深く探索ができ、ある程度アクションゲームとしてやりたい人はざっくりストーリーを理解できるシステムでした。

  • GBA: METROID ZERO MISSION (2004.05.27)
    • GBAで単発で出された作品です。基本的には初代メトロイドのリメイクという事なので、アイテムやシステムは一緒なのですが、初代メトロイドで語りきれなかった詳細というような設定で、スーパーメトロイドで出てきたようなアイテムもでてきます。

    • 初代メトロイドと大きく違って、最も強烈なうりだったのがラスボスを倒した後日談です。つまりパワードスーツのない状態で、ひたすら敵から逃げ続けるというシステムがゲームの後半に存在するのです。雑魚敵を一瞬で粉砕できるようになるメトロイド特有の快感が全くなくなって、より隠し通路の発見や細かいアクションが際立ったシステムでしたが、敵から逃げ切ってパワードスーツを取得してからの雑魚敵を一瞬で粉砕できる快感は倍以上にもなるという感じでした。

    • リメイクとはいってもステージ構成もだいぶかわっていて、タイムアタック用に新たに追加されたような隠し通路も異常に沢山存在していて、今まで以上にびっくりするようなルートでクリアすることが可能となっています。初代をやりこんだひとでもはまれる、そんなリメイク作品でした。


メトロイドプライム2 ダークエコーズ

メトロイドプライムの続編ということで、システム的には3Dのものを踏襲しています。しかし今度は「音」を可視化するバイザーが存在するということで、前回とは本質的に違った謎解きが楽しめるはずです。

サムスのアクションについてもスクリューアタックなど、前回は3D化にあたって断念したような定番のものもちゃんと導入しているらしく、よりメトロイドらしい、しかし確実に進化しているものを見れると思います。

ストーリーについても「ダークサムス」登場など、非常に気になる要素が沢山もりこまれているようです。

また今回の目玉の一つとして「マルチプレイ」の導入が挙げられます。前作でファンからの要望が非常に多かったために製作されたものらしいですが、メトロイド特有の「丸まる」というアクションを駆使した対戦が独特で面白いものになるのは想像に難くありません。

なんにせよ、もはや3Dのメトロイドを製作するためだけに作られたといって過言ではないレトロスタジオの作品ですから、なんの不安もなしに期待することができます。

そして、これだけファンを裏切らずに毎回進化しつづけるゲームも他にありません。レトロスタジオはもう既にメトロイドプライム3の開発に着手しているようですから、メトロイドにはまるなら今です。今週からあなたもメトロイダーの仲間入りをしましょう。

そんな新作はもうすぐ発売!

メトロイドプライム ハンターズ

メトロイドの新作はこれだけではありません。これはNDSによる対戦に主眼を置いた作品で、エコーズでのマルチプレイをもっと本格的にしたようなものだそうです。一応ストーリーモードも存在するようです。

まだ発売日は未定ですが、メトロイド特有の面白さをDSのユーザー層に押し広げてくれる存在になるかもしれません。全国のメトロイダーがメトロイドの面白さを伝えるのに丁度いいゲームになるでしょう。こちらも要チェックですよ。

(Article by Decors,Jalopy)
《土本学》
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