長いインタビューですが面白い部分が多いので長めに訳してみます。レボリューションに関する部分は眉唾ですが、有り得ないことではありません。とにかくレボリューションの秘密は意外とあっさり出てきたコントローラー以外にもありそうです。
――ホリスさんはレアに在籍している頃に、グラフィックのリアリズムの追求は開発者が求めるべき唯一のゴールフラグではないと言いましたが、これは今でも変わっていませんか?
ええ、変わってないと断言できます。私は常にどのタイトルでも最初は誇張無く100%完璧なフォトリアリスティックと物理的な正確性を追求しようとします。しかし結局、満足できるレベルのグラフィックに達すれば後は、一番最初に100%完璧な写真画質を実現した開発者になるよりは、クリエイティブでありたいと考えます。
――『Guts N' Glory』では既にそのレベルに達したのでしょうか
私は全ての他社のゲームを見ているわけではないので難しいですが、私はEAの『ファイトナイト ラウンド3』が物理的なリアリズムの観点から私達のタイトルのちょうど半分くらいのレベルだと言えます。
――かなり大胆な話ですね
おお、完成したバージョンはもっと凄いことになるでしょう。2007年1月には発売するつもりです。今はまだ言えない任天堂ハードの技術的な能力をもってすれば全く不可能ではありません。
――私達は全てレボリューションのコントローラーについて噂や推測を重ねてきました。しかし今コントローラーを知ることが出来ました。まだ知られてないコントローラーの能力やハードの性能について何か聞かせて貰えませんか
他の人と同じようにNDAがありますから、今まだ公表されてない任天堂の新型ゲーム機やそのコントローラーについての話をすることはできません。しかし私はこのことを言っておきましょう。ソニーとマイクロソフトがこの先生き残ろうとすれば違いをハッキリさせる必要があります。結局の所競争をすればどちらか1つは立ち去らずを得ません。任天堂はコントローラーに関して、新しい道を歩むことを発表しました。私達の目標は単なるギミックなどとは比較され得ない、真の新しいこれからの世代のゲームの遊び方を作り出すことです。
――それでは今までに発表されているコントローラーについて議論させてください。ホリスさんはどんな"革命的"な体験が実現されると考えますか
多くの人々(プレスでもほとんどの人)がこのコントローラーの真の力を理解していません。これはゲームキューブのコントローラーで実現した全てのことに加えて、もっと多くのことが実現できるコントローラーです。これはゲームの遊び方を変えるだけでなく、ゲーム業界を別の方向に導くという2つの意味でゲームを根本から変えます。それだけでなくユーザーがどのようにゲームやキャラをコントロールするかという部分も変えます。
ここから先は私の口から聞かなかったことにしておいてください。しかし、あなたはバーチャルコンソール上で過去の任天堂のゲームを真の次世代のグラフィックとサウンド、そしてオンラインで遊べるようになるでしょう。更にあなたは過去の作品に様々なグラフィックスタイルを設定できるでしょう。また、ゲーム中のモデルやゲームエンジンを出し入れすることも。私は更に任天堂がソースコードを結合して別のものと混ぜたりする技術に取り組んでいるという話を耳にしました。もちろんこれらは推測や聞いた話です。ですから私は保証はしません、しかし全く予期しないものを期待する準備をしておきましょう。
――任天堂が予め用意されたレンダーなしに、びっくりするほど生き生きしたグラフィックを実現する新しい技術に取り組んでいるという噂があります。これらの噂にどれか真実があるでしょうか。私達は何を期待することができるのでしょうか。
ええ...私はどれにも深くは立ち入れません(笑)。任天堂はどんなスクリーンショットもムービーも漏らさないという点で徹底してました。しかしあなたが示唆したNURBSやdepth-mapped cube maps、そして技術のスペックといった事は私達のトレイラーと共に2006年のE3で明らかにされるでしょう。ただ完全なショックを受ける準備をしておいてください。私は次のE3で煙幕が取り払われることを保証できます。
――なぜ任天堂との独占契約を結んだのですか。レアで評判のあったあなたなら他にもいろいろと選択肢はあったのでは
任天堂は多くのアーティストと少数のビジネスマンで構成されている会社です。ゲーム業界が金のなる木になってしまってパブリッシャーもデベロッパーそれに毒されてしまった中で中で、札束のサインを見せずに、開発に注力する会社の方に付くのは面白い選択です。彼らはゲームを金を生む手段と考えているのではなく、インタラクティブメディアでクリエイティブなものを伝えようとしている会社です。『風のタクト』は新鮮な空気を伝えるグラフィックスタイルとゲームの中身の素晴らしい融合でした。最後のトライフォース集めが少し未完成であったとしても、私はこれを最良のゲームの1つだと考えています。
――任天堂に不満な点はありますか。マーケティングや保守的なことで
ええ、彼らのマーケティングは常に欠けていました。しかしDSが発売されて、Reggie Fils-Aimeが来てから変わり始めています。まあ任天堂が次世代機でもまた勝てないだろうと思われているのは情報の面で保守的なのが唯一の理由でしょうね。しかし年末に新ハードの確かな側面が明らかにされると共に、私達のタイトルが公表されれば「任天堂のハードは子供だけのもの」という考えを修正するのを助けるでしょう。
――レアを去った理由は何だったのでしょうか。歴史やあなたが有名にしたフランチャイズを考えると難しい選択だったはずです
多くの人々が同じ質問をします。しかし最後ことに至るまでには色々な理由がありました。ひとつの理由は私は、マイクロソフトがゲーム業界に入りPC業界でそうしたようにモノポリーを始めることに嫌悪感を持っていたことです。彼らは基本的にやり方を買い、人を買います。マイクロソフトがレアを買収しようとした時、私達は結局それが実現されることを知っていました。そのときには、私は既に自分のスタジオを始める計画を持っていましたから、これはいいチャンスだと思いました。それほど経験を積んでいないチームに『パーフェクトダークゼロ』を委ねるのは困難な選択でしたが、私はもっと大きく良いものに向かう必要があったのです。