IGAWorksは、ゲーム向けの広告配信ソリューションを提供する広告代理店です。ゲームのクライアントプログラムに広告受信モジュールを組み込むことで、アドサーバからの広告を受け、広告クリエイティブを画面内に表示するという仕組みにより、クライアントにパッチを当てずに広告を入れ替えたり、インプレッション数をカウントしたりできるのが特徴です。さらにログイン情報とつきあわせて年齢や性別情報を含めたレポートも可能だとしています。
こうしたソリューションを開発した理由についてマ氏は、流行するゲームがどんどん変わること(韓国で大流行したカートライダーは利用者が2年で1/3に減少した)や、単一のゲームはユーザー数が少なく、広告主が求めるリーチ(数百万〜数千万人)を実現するには複数の媒体(ゲーム)をネットワーク化する必要があったからだと述べました。さらに、単純にバナーを出すだけでなく、イベントなどでの連携も必要だと述べ、ブランディングでの活用でも同社のシステムが有効に利用できることをアピールしています。
マ氏は韓国のゲーム内広告について、月間の売上規模で73億6000ウォン(約8.8億円)と試算しています。これは、韓国のトップ50ゲームのうち、ゲーム内広告が容易なゲーム(ファンタジー色の強いMMORPGを除いたカジュアルゲームやFPS、スポーツなど)のプレイ時間(147億分/月)のうち、3分に1度露出させる水準での商品構成とすることで広告在庫を約49億インプレッションと想定。予想販売率50%で約24億5千万インプレッション、これをCPM 3ドルで販売すると約73億6千ウォンになるという計算です。
すでに韓国では、カートライダー(オンラインのレースゲーム)やオーディション(オンラインダンスゲーム)などでの広告展開がおこなわれており、IGA Worksでは日本への進出や日本・中国・韓国への広告の同時送出を計画しているとのことです。IGA Worksは、ネクソン出身のMMORPG開発者やアサツーDKソウルのトップ経験者など、オンラインゲームのゲーム内広告を扱う企業としてそうそうたるメンバーを揃えており、日本での韓国産オンラインゲームの普及具合をあわせて考えると、日本でも同社のシステムによるゲーム内広告をより多く見かけることになりそうです。