「A8」に登場する車両たちは、いわゆるスケールモデルではありません。運転台のある正面、つまり車両の顔部分は実車にそっくりです。しかし、車両の長さを短縮しているので、側面が実車とは異なります。このデザインは前作「A列車で行こう7」から採用されましたが、鉄道ファンからもA列車シリーズファンからも賛否両論となりました。
「A列車で行こう7」は「A列車で行こう4」をベースにしています。「A列車で行こう4」の車両はマッチ箱そのもので、かなりプレイヤーの想像力を必要としました。それに比べて「A列車で行こう7」では車両のリアリティは格段に向上しました。ただし、「A7」以前のA列車シリーズ、「A5」「A6(PS2版)」「A21(PS2版)」「A列車で行こう21st Century」では、車両を短縮しないシステムを採用していました。「せっかく車両をリアルに描くように進化したというのに、A7では短縮モデル。これは退化だ」という意見があることも事実です。
そして、今回の「A8」は「A7」の3D版。遠目で見ていた「A7」の車両たちを拡大すると、短縮具合が際立ってしまいました。
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実物の小田急3000系(左)とA8に収録された姿(右)。顔はそっくりに再現できているが側面は短縮されている ※クリックで拡大画面を表示 |
私はA列車シリーズは「鉄道玩具」の範疇だと思うので、短縮モデルはあまり気になりません。鉄道玩具の代表格であるプラレールや、コレクターも多数存在するBトレインショーティの例もあります。A8の車両たちだってかわいいじゃありませんか。リアルな車両を眺めたいなら鉄道模型シミュレータがあるし、本物の鉄道模型で遊べばいいと思います。もちろん次回作「A9」で改善してくれたら嬉しいですけれど、どちらかと言うと車両単体よりも、編成のスケールを再現してほしいと思います。「A8」は最大7両編成までの制限があります。しかし大都市の鉄道は8両編成以上が当たり前。山手線は11両編成、東海道線は15両編成もあります。「A8」は列車を走らせて街が成長するとビル街に発展するゲームです。高層ビル街には長編成の電車を走らせたいものです。
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東海道線の113系15両を再現。静止状態で並べてみた姿。残念ながら走らせると分離します ※クリックで拡大画面を表示 | こちらは常磐線の15両。実車の103系最長編成記録を再現。駅も3つ並べました。本物らしくなったでしょ? ※クリックで拡大画面を表示 |
■車両選択のこだわり―路線・電化方式・線路幅で車輛をチョイス