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「オンラインゲーム一週間」運営しつついかに遊ぶか

家庭では湿気との戦いが続く7月第2週は、セキュリティに関する話題がオンラインゲーム界を賑わわせました。

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家庭では湿気との戦いが続く7月第2週は、セキュリティに関する話題がオンラインゲーム界を賑わわせました。

ゲームポットはオンラインゲーム『スカッとゴルフ パンヤ』において、公式サイトが改ざんされたと明らかにしました。2008年7月5日(土)20時30分頃〜7月7日(月)10時30分の間に「第3回イラストコンテスト」「第1回ファンアートコンテスト」「ピピン占い」にアクセスした場合、悪意あるサイトへと誘導され、ウイルスをダウンロードさせられた可能性が存在します。現在公式サイトは修正されており、安全に閲覧することが可能。ゲームポットからは、今回の改ざんは「インド・ベネズエラの感染端末を経由した無差別な攻撃」であり、個人情報へアクセスされた事実はないとする見解が明らかにされています。

ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、7月12日(土)に開催される「第8回ガンホーオフラインミーティング」に先駆けて各タイトルへの質問に回答しています。

『ラグナロクオンライン』ではBOT(自動でモンスターを狩り続ける不正プログラム)の数は減少傾向にあるものの、監視を逃れる対策をした不正ユーザーが土日に増加しているとのこと。『エミル・クロニクル・オンライン』(ECO)では不正に関しては個別に対応、迷惑行為に関しては存在を認識はしているものの「措置適用に至るケースはごく少数」であることが明らかにされました。

現在オンラインゲーム界隈では、「掲示板のリンクは踏むな」が新たな常識となりつつあります。普通のユーザーのような書き込みをしつつ、パスワードを盗むウイルスへのリンクを貼る……という手口が流行しているから。こうした情勢を受けて、「情報交換は管理が行き届いた公式掲示板を使うべきである」とする意見も見られるようになりました。公式サイトは最も安全な場所として認識されているのですが、今回の『パンヤ』改ざん事件では、その「聖域」が侵されたことになります。セキュリティにはイタチごっこの側面があるとはいえ、プレイヤーの安住の地が無くなることのないよう、継続的な対策が望まれるところではないでしょうか。

オンラインゲームにおいてセキュリティは永遠の課題であり、外部からの無差別攻撃ばかりでなく、不正行為を目論むユーザーとも戦っていかなければなりません。

24時間操業のBOTや迷惑行為をはたらく海外からの出稼ぎ組は善良なプレイヤーとは異なる存在なのですが、単純に「ユーザー数」「同時接続数」という視点で見るのであれば普通のプレイヤーと見分けが付きません。BOTや出稼ぎが増える要因はゲームのアイテムが現金化できることにあります。「ある程度以上のアイテムは他人に譲れない」など、ゲームの側でシステム的に対策を取ることは可能ですが、現金化を封じたとしてもBOTや迷惑行為が皆無の理想郷のようなゲームにはならないでしょう。

BOTはともかくも、迷惑行為は複雑な問題をはらんでいます。悪意あるいやがらせであっても立証は難しく、そもそも相手に悪意がなかった場合さえあります。ローカルルールを知らなかったばかりに「迷惑行為をはたらいた」として責められるケースは珍しいものではなく、連続すればゲーム内の雰囲気そのものが険悪なものとなりかねません。ただ、システムの問題から生まれるローカルルールにはシステム側から対策を取ることが可能なのではないでしょうか。チャットが使いにくいばかりに公共の場で発言することが自粛されるのであればチャットシステムを改善する。パーティごとの狩場の占有権で揉めるのであればエリアごとの区切りが分かり易いマップデザインを導入する。こうした改善点は「ユーザー数」「同時接続数」といった視点ではなく、目線をプレイヤーのものに合わせないとなかなか出てきません。

先に「悪意あるいやがらせであっても立証は難しい」と書きましたが、プレイヤーの目線を徹底できるのであれば、ケースに応じてゲーム内の規則を柔軟に適用することも夢ではないのではないでしょうか。

今やオンラインゲームは選択の時代であり、「セキュリティ」という言葉にはゲーム内で楽しく遊べる雰囲気を護ることも含まれます。ゲームがいかに面白くとも、荒んだ雰囲気で心傷つけられるようなことがあれば、その人は二度とゲームに戻ることはないでしょう。それを防ぐためにも、経営の視点で「運営」しつつ、いかにプレイヤーの目線で「遊ぶ」かが求められるのではないでしょうか。
《水口真》
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