第2四半期も引き続き好調な業績だった任天堂ですが、経営方針発表会ではいつも通りWiiやDSの売れ行きに関する資料の紹介に始まり、今後の取り組みなどについて触れられています。
11月1日に発売になったDSiで実現した「DSiウェア」では、『ArtStyle』と呼ばれる完全新作のパズルゲーム群6タイトルが500ポイントで販売予定であることや、『メイドインワリオ』など過去の任天堂ソフトのやり込み要素の強いミニゲームを切り出してDSiウェア200として売り出す計画や、「ほぼ日手帳」に収録された東京の路線図をアレンジして配信する予定などが紹介されています。また、カメラを使った『うつすメイドインワリオ』も12月下旬のDSiショップのオープンと同時に500ポイントで配信されるようです。
通常のパッケージソフトでは先日の発表会で公開された『メイドイン俺』について、プレイヤー自身でミニゲームを作って、それを共有していくことのできる「メイドインワリオ」だと紹介されています。加えてWiiウェアの『あそぶメイドイン俺』を使えば、作った身にゲームをテレビ画面でプレイすることもできるそうです。
任天堂公式サイトでは質疑応答も掲載されています。沢山の質疑があり、岩田社長らの考えがよく分かる内容になっています。その中で一つだけ紹介したいと思います。
これまでの話を聞いて、任天堂は磐石の体制ではないか思い、この状況に死角はあるのかということを考えているが、社長は先ほど次のラウンドがやってくるだろうというような発言があったが、その中でDSiという新しい用途を提案するゲームを出し、また売上高も2兆円突破する勢いということで、この勢いを止めるものがあるとすれば、どういうものがあると考えているのか聞かせてほしい。
私は自社が磐石だと考えたことは一度もございませんし、また磐石という考えを万が一持ってしまったとすれば、それこそが非常に危険なことではないかと思います。これから任天堂では、ゲームキューブやNINTENDO64のときに、結果的にマーケットでメインストリームになれずに苦しんだ経験をした人は会社の中で減っていきます。逆に言うと、その苦しみを知らない人の割合が会社の中で高まっていくわけです。そうなったとき、すなわち、われわれが前回のラウンドと今回のラウンドで何が違って、どんな些細な、小さなことがその命運を分けるのかということがまったく自覚できない人の割合が高まってしまったときに、どうやって組織全体が緊張感を持って運営ができて、どうやって大事なことを忘れずに、どうやって企業が自滅的な行動を取らないようにあれるのかが問題です。これはよい状況が続けば続くほど、チャレンジのハードルは上がっていくと思います。
まあ、産業、ビジネスの歴史の中で永遠に好調が続いた会社は見たことがないので、そのチャレンジが来たときに、なるべく辛い時期をうまく乗り切れるようでありたいと思います。
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