今回のGDCでディレクターを務めるMeggan Scavio女史が素晴らしい登壇者を得られたことに感謝を示し、入れ替わるように握手をしながら岩田氏が登場すると会場からは大きな拍手が起こります。
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スタートを待つ会場 | 握手を交わす | 岩田氏の登場です |
■Discovering New Development Opportunity
岩田氏がGDCの基調講演に立つのは2005年「Heart of a Gamer」、2006年「Disrupting Development」に続いて3年ぶり3度目となります。今までとは異なる視点でハードを開発し、全く異なるユーザー層を獲得することを説いた2度の講演を振り返りながら岩田氏はWiiとDSという2つのハードが到達したマイルストーンについて最初の述べます。
この3月でWiiは5000万台、ニンテンドーDSは1億台という大台に到達しました。岩田氏は「任天堂の力のみで達成できたものではない」として世界中の開発パートナーや小売店など関係者に感謝を示しました。また、会場に向けて「ゲームデベロッパーとしてだけでなく、ゲームを遊ぶ側としてWiiやDSを楽しんでくれてありがとう」と語りかけました。
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素晴らしいマイルストーンに到達 | 米国の伸びは任天堂が支える(ピンクの部分) | 欧州の伸びも任天堂が支える |
「(これだけ大きな成功があったとしても)1つのルールは変わらない」と岩田氏は言います―――「Software sales hardware」(ソフトがハードを売る)。そして岩田氏は「任天堂ハードは任天堂ゲームしか売れないという皆さんの心配を理解している」として、自身のキャリアを振り返りながら、また、社長から見た宮本茂氏の開発手法を紹介しながら、新たな開発の機会を見つけることは十分に可能であると訴えました。
岩田氏はまず、HAL研究所を破綻させたゲーム開発における「デススパイラル」について述べました。すなわち「資金的なプレッシャー」→「少ない開発期間」→「貧弱な品質」→「販売不振」というものです。任天堂が良いゲームを作れるのは資金的に余裕があるからで、資金的に余裕があるのは良いゲームを沢山売ることができるからだと岩田氏は言います、これが正のスパイラルです。では「デススパイラル」に陥らないためにはどうしたらいいか? 宮本氏の手法が参考になると岩田氏は言います。
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デススパイラル |
■宮本氏の開発手法の秘密とは