伝説となっているトヨタのFRスポーツカー「AE86」(カローラ/スプリンターのスポーツモデルの車両型式)を継承するFT-86を都内の国道246号線でいち早く「試乗」できました。
といっても、場所は千葉の幕張です。なんのことかというと、幕張メッセで開催されているモーターショーにソニーがブースを出していて、2010年に発売予定の『グランツーリスモ5』のデモを行っているのですが、そこで会場限定でFT-86をゲーム機で体験できるというものです。
車は、マニュアルトランスミッションとオートマチックが選べます。今回は両方とも試すことができました。時間などが限られるため、走り込むというまでにはいきませんでしたが、ゲームは十分に楽しめました。
まず、マニュアル車でのトライです。いまさらGT5のリアルさを解説するまでもないですが、FRならではのステアリングの難しさをすぐに体感できるでしょう。直線でもラフなハンドル操作は禁物です。走行のガイドラインをなるべくキープするように慎重な操作が重要です。シフトはレバーとパドルの両方が使えます。FRですが水平対向エンジンによる低重心のおかげかサスペンションの機能によって、コーナリングではどちらかというとアンダーステア気味な動きをします。しかし、アクセル操作やステアリングをラフに扱うとすぐにリアがブレークしてしまいます。オーバーステアになったと思ってからの操作では間に合いません。あくまで、リアの動きを予想した、あるいは制御した操作が必要です。
また、実車に近いシミュレーションということで、シフトもボタンやレバーを操作すれば必ず反応するというわけではありません。マニュアルモードでも車速や回転数などによってはギアチェンジできないことがありました。
オートマチックモードは、ステアリングとアクセス操作に集中できるため、いくぶん簡単になりますが、落とし穴もあります。高い車速をキープできるので、その分ステアリング操作などを誤るとすぐにスピンしたり、速度オーバーでアンダーステアのまま壁に激突したりして、かえってラップタイムを落としてしまいます。
FT-86はトヨタの車ですが、高速域での運転のむずかしさ、じゃじゃ馬っぽさはひょっとするとスバル車の顔を持っているのかもしれませんが、残念なのは、実車のFT-86には当然乗ったことがないので、本物と比べてどれほど高い精度で特性を反映しているのかが、正直判断できません。でも、逆に本物のFT-86を運転してみたくなりました。
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