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人気シリーズ最新作『バイオハザード ヴィレッジ』にはいろいろな魅力が詰め込まれていますが、「キャラクターのセリフ」もそのひとつと言えるでしょう。本作を遊んでいると記憶に残るセリフが出てきたり、あるいは「よくそんなこと言えるな!?」となる場面もあったりします。
この記事では、本作で登場する名言と迷言をまとめてピックアップ。基本的には真面目なストーリーなので名言のほうが多いのですが、それゆえにちょっと不思議なことになっている迷言も魅力的ですよ。
注意:この記事には『バイオハザード ヴィレッジ』のネタバレが含まれます。
名言「これのどこが無事だってんだ?」
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妻は殺されたうえ娘も誘拐されて、おまけにイーサン本人は気づけば訳のわからない山奥の村にいたのです。ライカンに追われながら必死に生き残ろうとしていると、ようやく村人に遭遇できます。
大きな館の中には複数の人間が集まっており、それを見たイーサンは「無事だったのは…村でこれだけか?」とつい言ってしまうのです。まったく悪気はなかったのですが、それがモブおじさんの怒りに火をつけました。
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まさしく正論。そしてホラーものの導入としてバッチリです。まさしくこれから何かが起こってしまいそう!というか、THE・死亡フラグとなりそうなこのセリフ。このあとモブおじさんは即退場してしまうのですから、その役割をしっかり全うしたと言えるでしょう。
迷言「あいつらイカれてる!」
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娘を探すため、しぶしぶドミトレスク城に足を踏み入れたイーサン。しかしそこでドミトレスク夫人の娘に捕まり、手にフックを刺されまるで肉塊のように吊られてしまいます。もはや絶対絶命……と思いきや、彼女たちが目の前から消えたので、イーサンは己の手を強引に引っ張って脱出を図るのです。
通常版では表現そのものがカットされていますが、Z版や海外版では「フックから強引に手を引き抜くアクション」が存在します。あまりにも痛そうでイーサンも苦しむのですが、そこで出てくるのがこのセリフ。ドミトレスク夫人とその娘がイカれているのは確かだと思いますが、フックに吊るされている状態から自力で抜け出せるイーサンもなかなかでは……。と、多くのプレイヤーは思ったはずです。
迷言「よし」
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ドミトレスク夫人に見つかり、城の地下へ落とされてしまったイーサン。なんとか脱出を図るも、スイッチを入れている隙にドミトレスク夫人に攻撃をされてしまう。右腕は使えなくなり、なんとか命からがら脱出を図ります。
一時的に逃げ出すことには成功したものの、ドミトレスク夫人は高笑い。この危険な城を生き残るには片手ではあまりにも不利……と思っていたところ、イーサンは回復薬を使って腕を接着。「よし」と言いながら、切断されたはずの腕が問題なく動くことを確認したのでした。
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こちらも通常版では腕が切られる描写がカットされていますが、それはそれで「なんで腕が使えなくなるの?」と違和感があり、かといってZ版でも「いや前作でもそうだったとはいえ、気軽に切断面がつきすぎだろ!」と突っ込まざるを得ないシーンでした。「よし」も現場猫のように軽い一言なのがまた笑いを誘います。とはいえ、これは伏線のうちなんですよね。
名言「俺は他の「きょうだい」とは違う」
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四貴族のうち3人を倒したイーサンは、ハイゼンベルクの工場で大量のクリーチャーと戦うことになります。工場内ではハイゼンベルクの独白を聞くことになるのですが、どうやら彼は他の貴族とは異なり、圧倒的にマザーミランダに対する敵意を持っているのです。
そもそもマザーミランダは、人間にカドゥという寄生体を埋め込み四貴族を作り出しました。四貴族を家族と呼んではいるものの、その実際は単なる実験体。愛などあるわけがありません。
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ハイゼンベルクはイーサンの前に立ちはだかる敵ですが、同時に最も同情できるキャラクターでもあります。もう少しハイゼンベルクが柔軟であれば、イーサンと共闘して自由になれたかもしれないのに……。そんなことを思わせるセリフです。
迷言「ぶっ殺してやる…あのゴリラ野郎…」
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ハイゼンベルクの工場をなんとか脱出し、ついに対決の時を迎えたイーサン。最初こそ協力関係を持ちかけてきたハイゼンベルクでしたが、やはり戦わない道はなかったようです。
機械の身体となったハイゼンベルクと戦うも、イーサンはピンチに陥ります。するとその瞬間、工場が大爆発!どうやらクリスの仕掛けた爆弾のようです。そしてここでハイゼンベルクの迷言「ぶっ殺してやる…あのゴリラ野郎…」が飛び出します。
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クリスは『バイオハザード5』ごろからファンに「ゴリラ」と呼ばれていました。もともと腕っぷしの強いキャラクターでしたが、この作品から見た目も非常にマッチョになり、作中ではフックで巨大な岩石を動かすという超人的な筋力を発揮。もはや名実ともにゴリラとなっていました。
とはいえ、さすがにそれはファンの間で呼ばれているあだ名であって……。と思いきや、ついに公式から(厳密にはハイゼンベルクから)ゴリラと呼ばれるようになったのです。
名言「じゃひと暴れするか 昔みたいにな」
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イーサンがハイゼンベルクとの戦いを終えたあと、クリスは菌根を探すための作戦を仲間たちと実施していました。そのときの一言がカッコいい。「じゃひと暴れするか 昔みたいにな」なんて、そう簡単に言えるようなセリフではないですよね。
クリスたちのチームが今までどれだけ活躍してきたのかを想像させますし、その間に築かれた信頼関係も窺い知れます。その昔がどんなだったのかも気になるところです。
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次回作でもクリスを始めその仲間たちが登場すると思われますが、彼らの素顔は明らかになるのでしょうか。次の作品でもぜひ活躍してほしいですよね。
迷言「イーサンにはすべて話すべきだったな」
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クリスが菌根を発見し地下で戦いを繰り広げていると、仲間のアンバーアイズにこんなことを言われます。
「今さら言ったところで遅いが… イーサンにはすべて話すべきだったな」
全プレイヤーが「ほんそれ」と思ったであろう迷言です。イーサンからはまるでクリスが敵になったかのように見えるのですが、その実は単なる説明不足。クリスは時間がなかったと言い訳しますが、「ミアは偽物だった、お前らを守るから信頼してくれ」とでも言えばすれ違いはなかったわけでして、巻き込みたくないにしてももっと言い方があったでしょう。
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さらにアンバーアイズは「だとしても 話すべきだったと思うぜ」とトドメを刺し、クリスはそれにしょんぼりしつつも同意します。歴戦の戦士でありシリーズの主人公的存在でも、不器用なところがあると知れるシーンでした。
名言「どうか お気をつけて…」
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いつも商売のことばかり考えているデュークですが、さすがに最終決戦のときはイーサンに対して「どうか お気をつけて…」と心配そうに声をかけてくれます。あのデュークがこんなことを言うとなると、緊張感が嫌でも高まりますよね。
ただ実はこれ、いくつかある会話パターンのひとつです。ほかにはいつものように気さくに話してくれたり、冗談のようなことを言ってくれるケースも。そんなデュークだからこそ神妙なセリフが刺さります。
名言「ローズは俺の娘だ! ふざけるな!」
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いざミランダとの最終決戦に挑むイーサン。ミランダは、イーサンの娘であるローズを生贄に自分の娘を蘇らせる目的のために動いていたと判明します。
つまり、イーサンとミランダの親同士がぶつかり合うバトル。殺し合いの最中にもふたりの口論は激しくなり、イーサンはついに叫びます。「ローズは俺の娘だ! ふざけるな!」と。
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もともとイーサンは手ばかりが印象的なキャラクターで、我というものがあまり感じられない存在でした。しかし、『バイオハザード ヴィレッジ』ではついに親として叫ぶまでに。彼の成長も感じる名言です。
名言「許してくれ… 愛してる…」
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ついにローズを助け出したイーサンですが、彼の身体には限界が迫っていました。娘を抱きながら最後に絞り出した言葉は、「許してくれ… 愛してる…」でした。
父親としての役割を全うしたイーサンは、はたして何を娘に謝ったのでしょうか。自分がいなくなること?あるいは怖い思いをさせたこと?……その真意はともかく、娘を思う気持ちはしっかりと伝わったことでしょう。