Wiiウェア『Pallurikio』を手がけたPlaystos EntertainmentのデザイナーであるGiorgio Ciapponi氏は海外メディアのインタビューに対し制作秘話と任天堂への不満を語っています。
『Pallurikio』は物理法則の働くフィールドでボールを転がすというゲーム。80年代にバーなどでよく見られた「投入したコインをゴールへ転がす」ゲーム機が発想のベースとなっているといいます。
当初はカジュアルゲームとして開発していたものの、Wiiウェアのユーザーにカジュアル層が少ないことから「簡単だが面白い」という内容へシフト。『タッチ!カービィ』や『ロコロコ』といった作品にインスパイアされ、現在の形にまとまったそうです。
『Pallurikio』は10人のスタッフが他のプロジェクトの合間を縫って9ヵ月で作られました。Ciapponi氏も全ステージの7割をデザインするなど、小規模プロジェクトならではの兼業体制で作業を進めていったとのこと。
Metacritic(海外のレビューを点数に換算する集計サイト)でも60点という「見苦しくはないが、圧倒的というわけではない」(Ciapponi氏)スコアを達成したものの、販売本数とはかけ離れたものであったようです。
「販売数に関して多くを明らかにすることはできない。ただいえるのは、Wiiウェアは任天堂からほとんどサポートされていないということだ」
氏は次回作を考慮中ですが、それはWiiウェアではないそうです。
「任天堂はダウンロードソフトにもっと注力すべきだ」と複数の業界人が提言しているのはご存じの通り。DSiウェア『myNotebook』『myPostcards』で知られるNnoooのCEOであるNic Watt氏や、Wiiウェア『Pong Toss』『Incoming!』を作ったJV GamesのバイスプレジデントであるJag Jaeger氏らは口を揃えて任天堂のプロモーション不足を指摘しています。
実験的な作品を作れるダウンロードソフトは小規模デベロッパーにとって有望であるものの、宣伝にお金をかけることもできないため、折角の作品が埋もれてしまうというケースも多いようです。
カジュアル層が多いとされるWiiですが「Wiiウェアユーザーにはカジュアル層が少ない」というCiapponi氏の発言も気になるところ。ネット接続やソフト代の精算はまだまだカジュアル層には大きな手間であるようで、これを改善できるのはやはり企業体力に優れた任天堂のプロモーションということのようです。