CEDEC2010では「「ゲームオーディオ」~未来への提言~」と題し、ゲームサウンド制作の問題点や課題を指摘するディスカッションが行われました。
株式会社カプコン 制作部 サウンド制作室 シニアサウンドエンジニア 瀧本 和也氏を司会に、同社の信山 斉之氏、スクウェア・エニックスの矢島 友宏氏、バンダイナムコゲームスの中西 哲一氏、マーベラスエンターテイメントの高木 謙一郎氏、ソニー・コンピュータエンタテインメントの山口 晋平氏、コナミデジタルエンタテインメントの鈴木 英之氏、コーエーテクモゲームスの中條 謙自氏、セガの光吉 猛修氏が出席されました。
キーワードとなるのは「バジェット」(予算)。予算が切り詰められることが多い現在のゲームサウンド事情ですが、現場では様々な取り組みが行われています。
「バジェットが上がることで外部とのコラボレーションができ、結果としてスキルアップにつながった」(中條氏)、「今後はより安くクオリティを上げるため、フィリピンなどアジア圏で英語の収録を行うことも視野に入れる」(光吉氏)、「イメージボードのようなイメージ曲を作ってスタッフ間でイメージの共有を行うことでゲームのテンポも伝えられた」(高木氏)、「カプコンサウンドは珍しい独立採算制の元“早くて安くてうまい”サウンドを志向、“安くしろ”というのではなく“コストの最適化をしろ”ということで予算を有効的に使う」といった例が挙げられました。
また、「黒船来航!?北米ゲームオーディオとは」というテーマでも様々な意見が交わされました。
「北米ではサウンドデザイナーがゲームをすごく大切にするほか、様々なものごとを書面化する。書面化は時間がかかるが、サウンドデザイナーそれぞれの感じ方の違いが吸収できる」(山口氏)
「海外クリエイターから“日本のゲームは音楽がずっと鳴り続けていないか?”という疑問の提示があった。日本のゲームは情景に対して音楽をつけるが、北米では心情に音楽をつけるのではないか」(中條氏)
「北米ではゲームへの入り込みが重視される。以前カプコンサウンドへの印象を聞いたら“一つ一つの曲のクオリティは高いが入り込めない。カットシーンではシリアスな演技なのに、ゲーム本編では派手な演技で興ざめした”という意見があった」(信山氏)
「北米では音もリアリティ重視で、日本とは好まれる音が違う。いっそSEも日本・海外向けとローカライズしてしまえば?」(中西氏)
司会の瀧本氏はサウンドクリエイターどうしでのディスカッションが重要であると指摘。「業界全体で解決すべき問題を見つけ出そう。きょうはその始まりの一日だ」と、今後もディスカッションを続けていくと意気込みを見せました。
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