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FarmVille+もっと沢山の楽しいこと=成功 |
まず基本的な考えは「FarmVille+もっと沢山の楽しいこと=成功」というものです。その証拠に本作には農場という要素を引き継ぎながら(『CityVille』も同様ですね)、カスタマイズ、エネルギーバー、コレクション、学校(RPG的要素)、評判、敵、クエスト、ストーリー、ユーモアといった様々な要素が追加されています。
開発のスタートは2009年。Reynolds氏はとにかくプロトタイプの制作とテストプレイの繰り返しが開発の鍵になったと言います。それぞれの要素や数が本当に適切なものかどうか、実際のプレイヤーに試してもらったといい、それに多くの時間を割いたそうです。アイトラッキングなども行ったようです。これは『FarmVille』の際の「まずは作ってみて改善する」というやり方とは対をなします。それだけソーシャルゲームの市場が成熟して最初の完成度が求められるものになったということかもしれません。
とは言え、ジンガの強みである分析的手法は本作でも失われていません。ゲームはリリース後も定期的に新要素を追加していかなければなりません。Reynolds氏によれば、分析チームが活躍を始めるのはユーザーの伸びが弱くなった頃だそうです。分析チームはログデータを元にボトルネックとなる点を洗い出していき、開発チームは迅速に改善に当たります。新しい要素を追加する際にも重要な示唆を与えてくれるそうです。
ただし、分析のみに力点が置かれるとバランスを崩します。Reynolds氏は分析チームとゲームデザインのチームがお互いに影響を及ぼすような形で運営がされていくと言います。デザインチームは長期的な視点でゲームを考え、分析チームは短期的な視点でゲームを考えるのです。
また、ゲームデザイナーは面白さの、プロダクトマネージャーはビジネスの、プロデューサーはスケジュールやリソースの、それぞれゴールを目指すと言います。これらを融合させるのは毎週のミーティングで、それぞれのポジションから新しいアイデアがペラ1枚の案で次々に飛び出し、それを全員で議論するような体制が作られているということです。
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クエストマネージャー | Horsehoe Pit |
ここから生まれた要素として「Quest Manager」があります。これはゲームの進行に欠かせないクエストをデザイナーが簡単に作成するためのツールです。また、「Horseshoe Pit」はいわゆる蹄鉄投げを遊べるゲームですが、これは分析チームが主導でデザインチームが物語を補足して作られたそうです。非常に収益の上がる要素となっているそうです。
最後にReynolds氏は、とにかく反復したレビューと改善の時間を取ること、分析のみに頼らないこと、デザインチームと分析チームを独立した形で置くこと、などを教訓として語っていました。