会場のライトが落ち、スポットライトが舞台幕にあてられるとそこには怪盗Rと相棒フォンデュがいた。まさか会えるとは思っていなかった2人の姿に観客からは思わずといった具合に歓声が飛んだ。怪盗R直々の挨拶が終わり「楽しんでいってね!」と手を振ると、舞台幕は彼が盗んでいったかのように鮮やかにはけた。次に視界に飛び込んできたのは、いつも遊んでいたリズムゲームが始まる時のムービーとジングルだ。歓声と拍手を浴びたまま、間髪入れずに“『リズム怪盗R』バンド”は「SHOW TIME」の演奏を始めた。
この演出に胸を打たれないファンはいないだろう。みんなの知っている怪盗Rはいつでもカッコつけで、どんな場面であってもドラマチックな非日常へと誘ってくれる。
舞台の手前で颯爽と踊るのはゲーム中のダンスモーションも担当したKoRocK。彼らは先日のニコニコ生放送でも「SHOW TIME」を踊っており、そのビックリするようなキレキレのダンスにコメントも大変賑わっていたのが印象的だった。
ダンサブルなミュージックからそのままビックバンド調の「パリ市警からの逃走」、大運動会かと思う「怪盗フォンデュの大作戦」と演奏の表情はくるくると変わっていく。実はこの『リズム怪盗R』という作品には全97曲も収録されている。しかもほとんどが実際に演奏された音を採用しているので、3DSの高音質も相まって音楽側からのファンも多い。そんなに曲数があっても聞けばココの曲だとわかるのは、ドラマチックなストーリーとリズムゲームが見事に融合した結果である。
ストーリーは主人公・怪盗Rとヒロイン・マリアの2本柱で展開していく。各自にテーマ曲があり、怪盗Rといえば“スタイリッシュ高速バロックジャズ?(大谷氏談)な「怪盗Rのテーマ」”、マリアといえば“クラシックバラードな「月の姫君」”である。この2曲が明るい場面では華やかなアレンジ、胸が裂けるような場面ではどっしりと重いアレンジがされていて2人の心情を表す役割にもなっているのだ。
今回のライブはボーイ・ミーツ・ガールな『リズム怪盗R』のストーリーを彷彿とさせるものだった。クールに怪盗Rがみんなの心を奪っていったあとには、マップ画面で流れるボッサな「Day in Paris」で朗らかな日常が描かれる。そこへピアノソロとヴァイオリンのデュオで始まった「月の姫君」でマリアが登場したことがわかると、怪盗Rとマリアが立ち向かう姿が目に浮かぶ「意志を受け継ぐもの」で少しシリアスな雰囲気へと向かっていく。そして大団円の「LAST DANCE」で2人は音楽とダンスでめいっぱいに喜びを表現しているのだ。2人がどんな出会いをしたかとか、葛藤や苦難を乗り越えてきたかを知っているのはゲームをプレイした人だけの宝物のようなものかもしれない、と思うばかりだった。
「LAST DANCE」はリズムゲームとストーリーの融合を象徴する曲なので、作曲を担当した大谷智哉氏もMCで「LAST DANCEは、ダンスを踊る怪盗Rとヴァイオリンを弾くマリアが、最後に2人寄り添っている絵をイメージして作曲していたので、こうしてライブで実現できてよかった」と語っていた。
あっという間に過ぎ去った全10曲の演奏を締めくくるのはやはり「怪盗Rのテーマ」。ベースがビートを刻み続ける緊張感のあるラインに、チェンバロのメロディがミステリアスに奏でられホーンセクションのハーモニーが疾走感を加える。その裏ではヴァイオリンの対旋律が音楽を支えていることがライブでは目に見えて、まさに『リズム怪盗R』を象徴する曲なんだということが伝わってきた。
そのあとは『リズム怪盗R』のテーマソングである「クレアデルネ」を書き下ろしたmiwaさんによるライブ。日本語訳にすると「月の光」となるこの曲はマリアの気持ちに寄り添い、間奏にもヴァイオリンを入れたという。「クレアデルネ」を含めた優しい気持ちになれるラブソングが続く。
ゲームのための音楽がこうしてゲームから飛び出して、今度はゲームを感じて心が動かされることとなったプレミアムライブ。会場を後にするみんなの表情は曇りがなくなったような明るい笑顔ばかりだった。
(C)SEGA
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