『マリオテニス』シリーズのデビュー作といえば、ニンテンドウ64『マリオテニス64』。N64全盛期にみんなでやったよー!という方も多いのではないでしょうか?『マリオテニス64』は現在Wiiのバーチャルコンソールでダウンロードすることができます。というわけで、今回は3DS版の前に原点回帰!『マリオテニス64』をプレイします。
(※編集部注:『マリオズテニス』(バーチャルボーイ)が存在しますが、別シリーズなのでここでは割愛しています)
ちなみに筆者のテニス歴は中高生の頃に授業でやった程度。ルールをこれっぽっちも把握していませんが、これでちゃんと楽しめるのでしょうか?
■最初から多くのキャラクターを選択できる
まずはひとりモードをプレイ。ゲームを進行していくうちに使用キャラクターが解禁されるのではなく初めから多くのキャラクターが選択できるのが嬉しいところです。『マリオテニス64』で初登場したワルイ―ジを初め、『スーパーマリオランド』のデイジー姫や『スーパーマリオUSA』のキャサリンなどもいて迷ってしまいます。
「オールラウンド型」「テクニック型」「スピード型」「パワー型」とそれぞれプレイスタイルに特徴があります。このへんは『マリオカート』に準拠しているカンジですね。初心者はオールラウンドなマリオを選ぶべきでしょうが、ここはあえて好きなキャラ「テレサ」を選択しました。タイプはトリッキーです。基本となる「エキシビジョン」で対戦相手は「パタパタ」を選択。本編ではザコのパタパタ、負ける気がしません!と息巻いてみたものの、COMの強さは「ふつう」より下がなく、にわかに不安に・・・。
■松岡修造先生にご教授いただいた
スティックを上下左右に入れてAかBを押せばラケットを振るのでしょ?くらいの気持ちでやってみたら、非常にもやっとしたプレイになってしまいました。
まずボールにおいつけない、おいついてもラケットの振りが早すぎるのか、タメが発生してしまい肝心のタイミングを逃してしまいます。コート下に星が表示されてもどうしたらいいのか・・・と初心者丸出しであたふたしているうちにゲームセット。惨敗です。
そこでやっと説明書を読んでみました。なるほど、ボールを打ち返すにも高さや方向などがあるのね。『マリオテニス』の、というよりはスポーツそのものの基本を知って目からウロコ状態。こんな中途半端な気持ちじゃエースなんて狙えない!己のへたれぶりにうなだれていると・・・。
「諦めんな!熱くなれよ!」
ふっと松岡修造先生の言葉が頭をよぎりました。そうだ、松岡先生に泣きつこう。おもむろにPCを起動し『マリオテニス オープン』の公式サイトにアクセス。「熱血マリオテニス教室」のレッスン動画を視聴しました。ふむふむなるほど、なんとなく強くなった気分。
■トップスピン、スライススピン!こうかは ばつぐんだ!
レッスン動画をみて(ついでに修造氏の公式サイトにも行って励まし動画をみつつ)、再びエキシビジョンの舞台に。今度は基本のマリオを選択!今度こそ狙ったプレイができるはず。
「打ったらコート真ん中に戻る!」
松岡先生の指導は ばつぐんだ!狙った箇所にサクッとボールを打ちこめるようになりました。
■ボールを打ち返す駆け引きを楽しむ
少し慣れてきたのでトーナメントに挑戦です。使用キャラクターはスピードタイプの「ヨッシー」。苦手なタイプとも強制的に対戦せねばならないのでスリル満点です。
キノコカップはさらっとプレイで攻略できましたが、その次のフラワーカップになったとたんに相手の特性を見極めてショットを打たないとセットを落とすことができなくなりました。ボールをラリーしながら相手を手前に誘導し、ガラ空きのエリアにトップスピンを打ち込む!といった微妙な駆け引きが大切になってきます。うまくできるようになるととても楽しいのですが、狙ったとおりにいかないと叫びたい衝動に駆られます。ああこれが情熱なのでしょうか、修造先生。
■反射神経と頭脳プレイ
トーナメントは上級になるにつれ難しくなっていきます。序盤で苦戦したのが意外なところで「ルイージ」。キノコカップ1回戦でコートに沈めたのに、フラワーカップになったとたんに強くなりました。コートギリギリに寄って隙を狙ってくるルイージの意地悪なプレイスタイルといったら、お前はワルイ―ジかと!ただしそのキャラクターのタイプはパターンにも如実に表れるのでうまく見切れば攻略できない相手ではありませんでした。反射神経が重要かと思っていましたが、頭脳プレイがモノをいうようでございます。
■「クッパステージ」は対戦プレイが熱い!
さて、そろそろ私より強いやつに会いにいこうか、ということで現役大学生のKさんを巻き込んで対戦プレイをしてみました。Kさんはリアル64世代。小学生の頃の『マリオテニス64』で盛り上がったという記憶の持ち主なので、勘を取り戻す前に1セット落としてやろう!とえげつないことを考えていましたがあっという間に抜かれてしました・・・。
2人プレイで挑戦したのは「クッパステージ」と「リングショット」です。「クッパステージ」は足場がゆらゆらする上に、『マリオカート』のようにアイテムを使って相手を妨害することもできます。サービスショットのボールの上にバナナの皮が乗っかっている絵は非常にシュールです。気が付いたらコートはバナナの皮だらけ。足場のゆらゆらは飛行キャラには反映されないそうですが、せっかくだからこの不安定さを楽しみたいですね。狙ったプレイをする余力もなく、一方はスター状態、一方はバナナの皮まみれというなんともカオスな状態になりました。
■現実ではできないルール
「リングショット」はコートに現れたリングにボールを通してその数を競うというもの。リングを狙い打ちながらも相手を翻弄せねばならずこちらもなかなかの難易度です。リングを50個先に先取した方が勝ちというルールでしたが、お互いにまったくリングにボールを通すことができまったりプレイとなりました。その間にもミスしまくる筆者。「せめてラリーをつなげましょう」いや、できたらそうしたいんですけど(泣)
「クッパステージ」「リングショット」ともに現実では絶対できないルールなので盛り上がりますね。特殊ステージは多人数でやるとより一層楽しめます。
■カメラアングルでこんなにも・・・
筆者がどうしてもなれなかったのが一人プレイにおけるコートチェンジ。カメラが一定方向に固定だと、奥に自キャラがいってしまうとにわかに操作が鈍り、なかなか思うようなプレイができませんでした。
悶々として試合中にポーズを押したらカメラアングルの設定ができるではないですか!通常「ノーマル」に設定されていますが、これを「フロントアップ」にすると、コートチェンジしようが常にプレイヤーの背後にカメラがある状態になります。さらに「ダイナミック」ではプレイヤーにカメラが接近した状態になるので臨場感たっぷりに楽しむことができます。どうして早く気が付かなかったのだろう。個人的にはダイナミックでのプレイが一番ショットのタイミングを測りやすかったです。
しかし便利な機能には弊害が!2人でプレイした場合、カメラアングルは「ノーマル」固定です。慣れないコートチェンジでまたも玉砕(笑)
■細かいルールを知らなくても、知っていても楽しめる
テニスのルールをまったく知らない筆者、何点先取なのかも曖昧な状態でやっていましたが、基本を押さえたプレイでコツコツプレイするうちに自然とルールも理解できました。
操作はショットの種類と特性を覚えるまでは難しい印象でしたが、実際覚えるのはこれだけで、出すのが難しいというわけではないので年齢問わず楽しめると思います。64時代のゲームではありますが操作性は良く、パーティゲームとしてまだまだ楽しめそうです。その後のシリーズでリストラされたキャラクターもいますので、こちらも遊んでみてはいかがでしょう?
『マリオテニス64』は、好評配信中で価格は1,000Wiiポイントです。
(C)2000 Nintendo/CAMELOT
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■著者紹介
みかめゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。
ゲームはジャンル問わずなんでもござれ。難しければ難しいほど燃えるドMゲーマーです。
歴史・ホラー漫画、歴史コラム、イラストなど雑多に活動しています。
サイト「車輪の真上」
http://zwei.lomo.jp/syarin/