長野県北安曇郡白馬村にあるペンションクヌルプ。『かまいたちの夜』では「シュプール」という名前で登場します。今回のツアーは7月14、15日の一泊、参加者は男4名女2名、計6名でした。オフシーズンだから個室予約も余裕かと思いきや、一週間前にばたばたと予約が入り、大部屋1室、1~2人部屋1室という部屋割りに。大部屋だなんてまるで修学旅行のようです。
現地までの移動手段は新宿から出ている高速バスを使いました。午前8時出発でよそ4時間半ですが、渋滞にて2時間半オーバーとなり午後3時に白馬八方のバスターミナルに到着しました。昼食は白馬食堂へ。ランチタイムが終わっても唯一開いて助かりました。
バスターミナル付近の交差点にあるコンビニはクヌルプに最も近いコンビニで、ここを越えるとお店がなくなります。必要な物資は予め買い込んでおきましょう。
■我孫子武丸さん、スパイク・チュンソフの中村光一さんのメッセージも!
オーナーのお迎えでいよいよクヌルプ入りです。クヌルプへ行く道は途中から狭くなるので自家用車の方はご注意を。雪はありませんがシュプールと同じ外観にテンションがあがります!
中に入ると左手側に見慣れたソファと階段が!フロントではスキーウェアの販売もしているようで、泊まり客以外のお客さんもいて賑わっていました。香山さんや美樹本さんが記帳した受付は商品棚の後ろにあり、記帳はソファにて行われました。
受付けに置かれた宿泊者記録ノートを覗いてみたところ、原作者の我孫子武丸さん、チュンソフト(現:スパイク・チュンソフト)の中村光一さんのメッセージが残されているではありませんか!ノートには『かまいたちの夜』ファンの熱いメッセージがびっしり。発売から15年経った今も制作者ならびにファンに愛された作品であると実感しました。
■A.ぼく達は一旦部屋に戻って着替えてから、ペンションの中をくまなく探索した。
筆者の部屋は205号室、ゲームでは真理の位置にあたります。ゲームとは微妙に間取りが違うのですが、確実に田中さんの部屋ではないので一安心(笑)OL三人組の部屋は実際にはトイレになります。大部屋が香山夫妻の部屋。内部で二部屋に分かれ、奥の部屋は2段ベッドが置いてあります。部屋の中はベッドの方向やドアの位置などレイアウトが異なり、トイレ・バスが付いていません。テレビは各部屋に完備。それ以外は布団カバーのデザインまで一緒です!ちなみにネコのジェニーはいませんでした(笑)
1階の受付奥は長い廊下になっていて、右手側が厨房、左手側がトイレになっていました。突き当たりはオーナー夫妻の部屋ではなくお風呂。男女別で24時間開放されています。
■A.近くの温泉に行ってから談話室で落ち合うことになった。
夕食は午後7時からだったので、空き時間を利用してクヌルプより徒歩10分弱の源泉かけ流し温泉「おびなたの湯」へ。簡素なつくりではありますが大自然の中の露天風呂は開放感があり長旅の疲れが吹き飛びます。午後6時に閉まってしまうので利用される際はお早めに。
さっぱりした後は玄関脇の談話室でしばしの歓談タイム。ゲーム中では香山夫妻がやってくる時間ですね。ちなみにこの間、『かまいたちの夜』をプレイしたことのない参加者の1人は、急ぎPSPgoにダウンロードしておいたゲームアーカイブスのPS版をプレイ。ゲームと同じ風景の中でプレイするのもなかなかオツです。
■B.君の瞳に乾杯!・・・と言ってみた
「食堂のテーブルにはすでに、ナイフやフォークがセットされていた。ぼくら以外は夫婦やカップルのようで、もう先に椅子に座っていた。」という脳内ナレーションの元に、夕食タイムです。各自飲み物を注文。乾杯はもちろん、「B.君の瞳に乾杯…ハンフリー・ボガードを気取った」一択です(笑)
ペンションに似つかわしくないお客さんがいる・・・わけもなく、真理が「おいしい!」と絶賛の夕食を堪能。前菜からデザートまでのフルコースで全体的に野菜をふんだんに使ったメニューでした。
■こんや、12じ、だれかが・・・くる!?
食後の自由時間に3DSの『すれちがい広場』を開いたら、身内ではない見知らぬMiiがやってきておりました。しかも「こんや、12じ、だれかがしぬ」というコメント付き。我々以外にも『かまいたち』ファンが宿泊していたようです。
また、仕事の関係でキャンセルになった『かまいたち』ファンのKさんが「やっぱり泊まりたい」ということで急遽車でやってくることに。遅れてやってくるKさんは間違いなく美樹本さんポジションです。夕食なしの半泊朝食付きコースも可能。突然の相談にも乗ってくれたオーナーに感謝です。
美樹本さんならば午後9時前には到着していなければならないところですが、Kさんがクヌルプに到着したのはなんと夜中の12時ぴったり。「こんや、12じ、だれかがしぬ」ならず「だれかがくる」ってことで波乱が起こりそうな予感でしたが、朝の4時に起きて生き残りをかけたサバイバルをすることもなく、スキーのストックがトラウマになることもなく(笑)ぐっすり眠って朝をむかえました。
■ミシシッピーマッドケーキを食してみた!
朝、ゲーム中にも登場するミシシッピーマッドケーキを食してみました。ケーキは宿泊代と別料金で600円。しっとりとした濃厚な味で見た目はガトーショコラに似ています。男性陣は夜、女性陣はカロリーを気にして(笑)朝に頼みました。ほどほどの硬さがあり食べごたえ抜群。ナッツの歯ごたえもGOODです!甘めなのでコーヒーがよく合います。
というわけで、誰一人死亡フラグを立てることなく無事クヌルプを後にしたのでございます。部分的にゲームと異なりましたが、主要なシーンはほぼ同じで、ゲームファンにはたまらない場所でした。夏は高原をハイキング、冬はスキーが楽しめるので、ご興味ある方は是非『かまいたち』体験をしに行ってはいかがでしょうか?次はゲームと同じくスキーのシーズンに行きたいですね。スキー滑れないけど・・・。
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■著者紹介
みかめゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。
ゲームはジャンル問わずなんでもござれ。難しければ難しいほど燃えるドMゲーマーです。
歴史・ホラー漫画、歴史コラム、イラストなど雑多に活動しています。
サイト「車輪の真上」
http://zwei.lomo.jp/syarin/