新年一発目のテーマは「次世代型ゲーム開発論」。2012年はソーシャルゲームを中心にスマートフォンでのゲームが大きく成長した年でしたが、マルチプラットフォーム化するゲーム業界の世界で次世代的なゲーム開発の在り方について著名な業界人たちが話し合いました。
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5回目となったイベント | 主宰の黒川氏 |
登壇者は黒川氏を入れて5名。イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役のやまもといちろう氏は、数多くのゲーム開発・運営にたずさわりながらもブロガーとしても有名な論客。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの日本担当ディレクターの大前広樹氏は急成長するゲームエンジン、Unityのエヴァンジェリスト。NHN Japanスマートフォンゲーム制作室長の馬場一明氏は現在、そのUnityでLINE向けのゲームを開発中。そして、黒川塾では常連となったゲームクリエイターの飯田和敏氏は、近日、LINE向けゲーム『イージーダイバー』がリリースされる予定です。
イベントのテーマは「次世代型ゲーム開発論」というものでしたが、「新春放談」と題されたとおり、サプライズ発言やゲストが盛りだくさん。未公開ゲームの発表などもあり、予定外の展開が数多く、これまで以上にダイナミックかつ熱い展開のイベントになりました。特に辛口なコメントで知られるやまもといちろう氏は、序盤から飛ばしに飛ばした発言を連発。大いに会場をわかせました。
■序盤からテンションの高い登壇者たち
さて、「あけましておめでとうございます」という黒川氏の元気な挨拶で幕を開けた第5回。まずは登壇者の自己紹介が行われました。先陣を切ったやまもといちろう氏はいきなり、「ゲーム開発の炎上案件の火消しを専門でやっております」と飛ばした発言。さらにUnityの大前氏を前にしながら、「Unityを採用したから大丈夫だという案件が危なくて危なくて」と大胆な発言で一気に会場の雰囲気をヒートアップさせました。
次にUnityのエヴァンジェリスト大前広樹氏は、これまであまり語られて来なかったUnityとの出会いを説明しました。元フロム・ソフトウェアの大前氏はPC3やXbox360などのマルチプラットフォーム向けのゲームエンジンの制作を手がけていました。その後、2009年に独立してiOS向けのゲーム開発に取り組みます。その時に使っていたゲームエンジンがUnityです。
しかしながら、独立してのゲーム開発は上手くいかず、一時は「自殺しようか(笑)」と考えたそうです。そんな折に、Unityの社長David Helgason氏が来日することになり、またUnityのユーザーが少なかった日本で大前氏に「良い通訳者を教えてくれ」とアプローチしたそうです。大前氏は友人を紹介するも、「お前の方がいい」と言われ、結局そこからUnityエヴァンジェリストのキャリアがスタートしたといいます。
一方、馬場一明氏はNHN Japanスマートフォンゲーム制作室長として現在、Unityを使用してゲームを開発中。国内の登録ユーザー数が4000万人を突破した無料通話・メッセンジャーアプリLINEのコンテンツも手がけています。
同じくUnityを使いながら、LINE向けゲームを開発している飯田和敏氏は、『イージーダイバー」のテーマ曲を初公開しました。飯田氏自身がギターを弾いた楽曲は歌謡曲風の独特なもので、タイトルである『イージーダイバー』を連呼するもの。近日、LINE GAMEとしてサービスインする予定です。
また飯田氏は「黒川塾(参)」で「イージーダイバーは初日、1000万ダウンロードする」と宣言。その根拠として「海」をテーマとした本作は日本の「寿司ユーザー」の心を捕らえることを主張し、パズル&ドラゴンズを大ヒットさせたガンホーの山本大介氏のお墨付きだと述べました。
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イレギュラーズアンドパートナーズのやまもと氏 | Unityエヴァンジェリストの大前氏 |
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NHN Japanの馬場氏 | ゲームクリエイターの飯田氏 |
■「ゲーム開発の民主化」を目指すUnity