■実体験が元になってできた
―――まずは自己紹介をお願いします
石川:石川泰です。『マンパカ』ではゲームの仕組みを作りました。
中川:プログラマーの中川晃宏です。設計、ディレクションを担当しました。
―――そもそも、本作の企画は「音ゲー」を作るところから始まったのでしょうか?
石川:社員に北郷というデザイナーがいるのですが、「最近近くのマンションの人がうるさいんだよね」と言ってきたので、よし、じゃあそれをネタにしよう、という話になって(笑)
―――実体験が元になっているのですね
石川:はい。定例の企画会議で社員全員集まって話をしていくのですが、そのうちネタに詰まってきて。そうなると普段の会話からネタを拾おうという感じになるのですが、そんなときはだいたいデザイナーの北郷にネタを振るんです。「何か面白い事を言って」と。そうしたら北郷が「最近気になる事は窓の外から叫び声が聞こえる」って言うんですよ(笑)じゃあ君のストレスを解消するゲームを作ろう、という話になったのです。
中川:前作『タケヤリマン』も雑談の中から生まれたゲームなのです。これも北郷にネタを振って出てきた話を元に制作しました。
■誰にでも楽しめるゲームが作りたかった
―――『マンパカ』はノルマが一切ありませんが、省いた理由について教えてください
中川:ゲームの初期の段階で、石川は「ゲームは失敗が分かりやすい方が良いので、失敗したらゲームオーバーにしよう」と言っていたんです。ただ、私や北郷は「誰でも楽しめるようにしよう」という思いがありまして。音ゲーは敷居が高い印象があり、タイミングにシビアですが、「自分の好きなように叩いてゲームが褒めてくれたら楽しいんじゃないか?」と思ったのです。なので本作はゆるい評価になっています。極端な話、すれちがった相手がどう思うかが重要だったりします。その中で石川の言った「ゲームらしさ」を入れるためにスッキリ度を調整しました。
石川:僕はわりとゲームをゲームらしくしようとする傾向にあります。本作に関しては中川が一番面白いと思う遊び方をして褒めるような仕組みにしようと考えました。そうしてできたのがスッキリ度です。また、ただじーと見ているだけでスッキリしなかったというプレイスタイルも、プレイヤーとゲーム間の空気という点で面白いなと思いました。なのでこれを評価するために「称号」を加えました。
中川:リザルト画面に2つ言葉を組みあわせた文言が表示されるのですが、どんなプレイだったか、その傾向によって評価が変わるのです。
石川:どんなプレイをしても途中で終わらないようにしたのは、家庭用ではそこまで厳しくする必要はないかと思ったからです。でも何かしら評価がないとプレイの方針が打ち出せないので、非常に悩みました。
中川:「称号」が出てきたのも、自分と違うプレイスタイルを試してほしいという思いからですね。
石川:色々試してほしいですね。ストレス玉をあえて潰さないプレイとか。逆にむずかしいんですよ(笑)
■ボイスや立体音響を聞いてほしい
―――3DSとの相性についてお聞かせください
石川:音響部分ですね。『ひゅ~ストン』も立体音響なので、石の後ろの方で物がぶつかりあったりした場合、音が頭の後ろのほうで鳴る感覚になっているのですが、同様に本作もいろんな音が左右から出るようになっていて相性がよいと思います。ビジュアルについても、ストレス玉が画面手前に迫ってくる感じがよくできたと思います。
―――今回初めてボイスを使用していますが、ここを聞いてほしいとかありましたら教えてください。
石川:個人的にはタイトルでかかる曲が大好きです。「ドン ドン ドン」ってやつ。あの曲にお金を出したと思っていただければ(笑)
中川:ボイスを使うとなったときに、サウンドを外注でお願いしている方から「是非この人に」と紹介され、さまざまな声を演じていただきました。
(注:ゲーム内のボイスはすべて転少女“ころすけ”さんが担当しています)
Twitter:@A_korosuke
―――ステージは色々な世界観になっていますが、その選定はどのようにおこなったのでしょうか?
中川:当初は普通の部屋だけにしようという話でした。普通の部屋で朝や夜に変化する感じですね。ところが作っていくうちになんか違うなって思って。その時石川が「タケヤリマンの曲をいれちゃおうよ!」って言い出して。そこから世界観が発展していきました。
石川:僕は音ゲーを結構遊ぶほうなので、「音ゲーに色々なジャンルが入り込むのは当然じゃないか?」って思ってました。
中川:初期は普通の部屋でステージごとにアレンジ曲を流す、という感じでしたが、タケヤリマンが入ってきたことで「なんでもありじゃん!」という流れになりました。世界観も自由ですね。上から仏像が降ってきたり。部屋がパカッて開くのは石川が初期の段階からイメージしていたものです(笑)
石川:だいたいのコントはオチ的なところで部屋が割れるってなるじゃないですか(笑)
■要望があれば第二弾も!?
―――みなさんのオススメステージを教えてください
石川:ルーム1ですね。ルーム1は仕様を決めるのに使うので(笑)ボツになった機能がいっぱい詰まっています。
中川:プレイして楽しい感じがするのテクノステージ(ROOM4 テクノフォビア)です。ルーム1はステージの雰囲気でノる感じですが、テクノステージは楽曲にノる感じなので。
石川:初期は「ストンプ」をゲームにしたらどうか?というのもあったので、ルーム1は自分が叩くと曲が入ってくるように作ってあります。なのでテクノの方がとっつきやすいかと。ステージ一覧をみて、『ひゅ~ストン』をやったことがある人はまずそれを選ぶでしょうし、そこはご自由に!
中川:テクノステージはおすすめです!(キリッとした表情で)
―――開発期間はどの程度かかりましたか?
中川:『夜の魔人といくさの国』が出たのが9ヶ月前の2012年5月30日ですから、単純計算で9ヶ月かかりました。半年以上かかっています。
石川:今までで一番着地点が見えてなかったというのがあって、時間がかかってしまいました。実際作るより考えている時間の方が長かったです。
―――本作の新しい展開、または追加コンテンツ等の可能性はありますか?
石川:要望があれば続編はあるかもしれません。曲数自体は7曲ですが、長く遊べると思っています。同じ曲を2回プレイしても違う曲になるので、すれちがいで他の人のプレイを見て新しい遊びを発見して欲しいです。追加コンテンツについては仕組みを入れてないので予定しておりません。
―――最後にお二人からメッセージをお願いします
中川:『マンションパーカッション』よろしくお願いします。実際に壁を叩いちゃだめだから、『マンパカ』で叩いてね!
石川:『マンパカ』をされる皆様、ノリにノッたリプレイを作ってたくさんすれちがってください。どうしてもすれちがえない人は福岡に来てくださいね!
―――ありがとうございました!
(続きます!)
『マンションパーカッション』は、3月6日配信予定で価格は500円(税込)です。
(C)2013 POISOFT
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