まずは市場の概観から。中国でもスマートフォンの普及は著しく、App Annieのデータによれば、2011年1月から2012年8月までの間に、iOSの売り上げは25倍に拡大。スマートデバイスの市場としても米国に次ぐ台数となっています。最近の傾向としてはiOSの伸びが大きくなっている点が挙げられます。また、「今、販売されている端末でも古いバージョンのOSを搭載しているケースがある。また、新しいバージョンに移り変わるペースも他の国よりも遅い」(Palasse氏)とのこと。
アプリストアについてはiOSもAndroidも乱立しているとのこと。「iOSも」というのは、無視できない割合のユーザーがJailbreak(App Store以外のアプリもインストール可能にすること)しているからです。示されたデータによればその数、3~4割。これらのユーザーはApp Storeだけでなく、サードパーティが運営するアプリストアも利用が出来るようになります。App StoreとJailbreakで利用できる「91 AppStore」というサイトのトラフィックはほぼ同等になっていて、Palasse氏は「ここでは海賊版と共存する必要がある」と話していました。
Androidについても、中国では殆どのメーカーがGoogle Playをプリインストールしておらず、サードパーティのアプリストアが存在感を放ちます。
こうした市場で最も重要なことについてPalasse氏は「現地にセールスのリソースをきちんと置くこと」と指摘しました。サードパーティのアプリストアが重要な地位を占める中国ではこうした企業との様々な交渉、契約、監督などが重要で、遠隔から仕事を行うだけでは充分ではないとのこと。ゲーム作りでは、繁体字へのローカライズ、Android版の用意、中国文化を尊重したカルチャライズ、現地にサーバー設置、といったことが求められるとのこと。ちなみにソーシャル対応はFacebookではなくWeiboで。
どの地域にも当てはまることですが、殊更に特殊性に着目するだけではなく、その地域に根ざし、文化を尊重し、人々と交わることが中国での成功への第一歩と言えそうです。