新型ハードの発表と共にリリースされてきた、あんなゲームやこんなゲーム・・・・・・。懐かしく思い出される読者も多いのではないでしょうか?
ところが、ハードの進化と共にビジュアル面での差別化が非常に難しくなってきた昨今。特にリアル系レースゲームでは、これが顕著になってきました。間違ってもロボットに変形したり、空を飛んだり、ミサイルを発射する(アクション性の高いものならアリですが)なんてこと、できませんからね。実車が何台登場する、本物のサーキットがいくつ登場する、パーツカスタマイズができる、天候が変わる、車の破壊表現が加わる、立体視で遊べる・・・そろそろ行き着くところまで行き着いた感があります。
そこで今年のE3ではPS4とXbox One向けに、各社から様々なリアルレースゲームの進化形が提案されました。ブースを回って感じた特徴を紹介しましょう。
■フォルツァ モータースポーツ5(マイクロソフト)【Xbox One】
言わずと知れたXbox陣営の看板レースゲームで、Xbox Oneのローンチタイトルです。ディスプレイを舐めたくなるような自動車の光沢表現はまさに芸術品。自動車マニアのフェチシズムをくすぐる映像美は「好きな人が作ってる」感が満載で個人的に好感が持てます。レースゲームとしての遊びやすさも文句なしで、激しいレッドオーシャンの海を最後まで生き残った一作だと言えるでしょう。実にマイクロソフトらしいタイトルです。
そんな本作の最大のポイントは「AI」でした。オンラインに接続していると、プレーヤーのドライブ時の癖をAIが自動的に学習し、クラウド上に自動的に蓄積されます。さらに電源オフの時でもサーバ上で自分の車が自分の癖にそってレースを継続し、自動的にポイントを稼いでくれるのです。「ここで追い越し」「ここは安全運転」「ここは後続車をブロック」などがバーチャル世界で再現されます。
もう一つのポイントが、マクラーレン社とのタイアップで製造されたスーパーカー、マクラーレンP1。最高時速218マイル(348キロ)に達し、コーナリングでは自動的にリアウィングが稼働して、最適なダウンフォースを発生させる、世界でわずか375台しか製造されないモンスターマシンです。これがゲーム内に登場して自由に乗りこなせるという、まさに現実世界との一体感を実現。レースゲームで初の快挙ではないでしょうか。
■ニードフォースピード ライバルズ(EA)【PS3・PS4・Xbox360・Xbox One・PC】
『GT6』『フォルツァ』のリアル路線とは一線を画し、昔からエンターテイメント路線を追求してきた『ニードフォースピード』シリーズ。実車も登場し、本作でも警察車両としてNissan GT-R Black Edition copなど好事家の琴線に触れる車両を乗りこなせます。同作のもう一つの方向性がオープンワールドで、最新作『ライバルズ』でも広大なエリアを走り回り、公道のいたるところでストリートレースが繰り広げられます。
またタイトルの語源ともなっているのが、走り屋と警察との激しいチェイス。E3会場では特設ブースで6vs6の12人対戦が楽しめました。走り屋側となった筆者はパトカーの追跡をかわしつつ、即席レースに参加していきます。ところがサーキットとは違い、公道にはたくさんの車両が行き来するため、ついついクラッシュの連続。ボコボコになったあげく、最後は追突されて派手に横転し、破片をまき散らして吹っ飛んでしまいました。やはりクラッシュはレースゲームの華。次世代機のパワーを一番見せてくれた気がします。
またオンラインに接続していれば、シングルプレーとマルチプレーの境目を気にせず、常に自分のペースで対戦できます。EAらしくPS3・PS4・Xbox360・Xbox One・PCのマルチタイトルで、ことさら「次世代だから」というわけではありませんが、レースゲームの一つの進化形を示してきたと言えるでしょう。
■The Crew(UBI)【PS4・Xbox One・PC・iOS・Android】
次世代機の強力なマシンパワーで究極のオープンワールド・レースゲームを作る・・・。おそらくこんなコンセプトで開発されたのが『The Crew』です。ゲームの舞台はアメリカ全土で、何千人ものドライバーがひしめきあうMMO型レースゲームという、前代未聞のゲームとなっています。実際にアメリカ全土がどのように表現されるか不明ですが、プレイデモではマイアミ・ラスベガスなど幾つかの都市マップが再現されていました。
タイトルは同じミッションを協力して遂行するチームの意味で、MMORPGのパーティに相当します。プレーヤーはシングルプレーで都市を流しながら(ここでもパトカーとのチェイスなどのミッションがあるようです)、画面上で他のプレーヤーと連絡を取り合い、随時クルー単位でのミッションに移行できます。ミッションに応じて車をチューンナップでき、スポーツカーからオフロードカーなどに外観やタイヤを変更することもできます。
E3のUBIブースではマイアミで行われたテイクダウンミッションを体験できました。海岸を逃走する車両を仲間と共においつめ、クラッシュを重ねて走行不能にしていきます。ところが公道が舞台なので一般車両に追突しまくり、仲間との息もイマイチで互いにクラッシュしあう始末。ついに時間切れで逃がしてしまいました。ともあれ、新しい形のレースゲームでしょう。逆に実車が一切出てこない(らしい)割り切りも見事と感じました。
このように、ざっと見ただけでも「オープンワールド」「AI」「オンラインとオフラインのスムーズな切り替え」「大量のデータ」など、いくつかのキーワードが見受けられます。通常のテレビ画面とコントローラというデバイスの組み合わせでは、正直できることに限界があるのも事実。その壁をリアル系レースゲームがどのように乗り越えていくのか、個人的にも期待してやみません。
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