第47回のロコレポは、任天堂が9月11日から配信しているニンテンドー3DSバーチャルコンソール『ジョイメカファイト』のプレイレポートをお届けします。
『ジョイメカファイト』は、1993年に発売されたファミリーコンピュータ用のロボット格闘対戦アクションゲーム。頭部と胴体、そして手足などが宙に浮いた特徴的なグラフィックで描かれたロボットたちが、ファミコン性能の限界に挑戦した熱いバトルを繰り広げます。
■ファミコンでリリースされた、「本格」対戦格闘ゲーム
『ジョイメカファイト』のストーリーは、ロボットによる世界征服宣言をしたイワン・ワルナッチ博士に対抗するため、リトル・イーモン博士の作ったロボット「スカポン」を操作して立ち向かうというもの。ゲームには技の種類やスピードなどの特徴あるロボットが登場し、対戦に勝利すると使えるロボットが増えます。
キャッチーなビジュアルですが中身は本格的な対戦格闘ゲームで、ストーリーのやり込み度も高く、ゲームに登場するロボットの総数は最終的にはかなりの数に。また、ロボットがダウンするごとにライフ減少やライフゲージの回復が行われるなど、対戦格闘ゲームとしてのシステムもこの時期にリリースされた作品とは思えないくらい洗練されています。
■ちょうどいい習得難易度の、シンプルな必殺技コマンド
操作方法は十字キー(スライドパッド)でロボットの「移動」「ガード」「ジャンプ」、Aボタンで「パンチ」、Bボタンで「キック」が基本。さらに十字キーとボタンを組み合わせることで、「強力パンチ」「投げ」「足ばらい」といった技を繰り出すことができます。また各ロボットはそれぞれに4つの必殺技を持っており、そのコマンドをマスターするのが上達の鍵。必殺技のコマンドは対戦格闘ゲームとして捉えるとシンプルな部類に入りますが、中には入力判定が結構厳しい必殺技もあり、その分、上手く必殺技が決まった時は気持ちいいです。
■ダウンロードプレイによる対戦にも対応!
ゲームモードは1人でストーリーを楽しむ「1Pクエスト」、コンピュータと対戦する「1P VS COM」、2人対戦する「1P VS 2P」、そしてコンピュータが操作するロボットを対戦させる「COM VS COM」の4種類が用意。
さらに3DSバーチャルコンソールの本作ではダウンロードプレイによる対戦にも対応しており、『ジョイメカファイト』が保存されている本体がひとつあれば子機の3DSと接続して手軽に対戦を楽しむことができます。
■任天堂のゲーム哲学を感じさせる、色褪せない名作
『ジョイメカファイト』。原作がリリースされた1993年はファミコンの末期で、時代の主役はすでにスーパーファミコンへと移り変わっていました。また、カプコンの『ストリートファイターII』など対戦格闘ゲームの大ブームが起こっていたこともあり、『ジョイメカファイト』はファミコンの性能で格闘対戦ゲームを成立させるため極限までチューニングされた作品に仕上がっています。その意味では、第9回でプレイした『サマーカーニバル'92 烈火』と通じるところがあるようにも思いました。
しかしそういった背景とは別に『ジョイメカファイト』のゲームデザインは今プレイしても非常に完成度が高く、特に「誰でも気軽に対戦できる」という点においては、対戦格闘ゲームの原点ともいえる楽しさを色褪せることなく残しています。3DSバーチャルコンソールの本作はダウンロードプレイで、手軽に2人対戦できるのも嬉しいですね。
『ジョイメカファイト』は、好評配信中で価格は500円(税込)です。
(c)1993 Nintendo
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【ロコレポ】 by ロココ試作型
INSIDEのゲームライターが3DSとiOSを中心に色々なソフトをプレイして、その魅力を伝える連載。RPGの魅力に目覚めたのは、ファミコン版『ウィザードリィ』。好みのゲームな場合にテンション上がり過ぎるのは許して…。
Twitter:@Rococo_TestType