1989年に業務用アクションゲームとして誕生し、そのひときわ目を引くグラフィックと小気味よいアクション性、そしてプレイを盛り上げる大胆な演出と、当時のアクションゲームの水準を大きく上回り、世界規模のゲーマーを虜とした『ストライダー飛竜』。
その名作が、シリーズ作の続編ではなく新生として、2014年に復活。PS4をはじめとする5つものプラットフォームをカバーしており、『ストライダー飛竜』を待ち望んだユーザーに広く対応した、心憎いリリースとなっています。
「東京ゲームショウ2013」のカプコンブースでは、PS3版『ストライダー飛竜』の試遊を出展しており、初日開始直後ながらも行列が出来る人気ぶりです。本作に期待する人の多さを実感しながらゲームをスタートすると、飛竜がグライダーに乗り、雪山を眺めながら滑空。そして建物の外部へと辿り着き、いよいよプレイ開始と気持ちが自然と高ぶります。
まず軽く飛竜を動かしてみると、動作は非常に滑らか。動きの美しさもさることながら、不必要なもたつきなどはなく、実に動かしやすい印象を覚えます。操作もすっきりしており、分かりやすいのも直感的に動かしやすい要因かもしれません。□ボタンによる「サイファー」と△ボタンによる「斬り上げ」を使い分け、そこに×ボタンでの「ジャンプ」と○ボタンの「クナイ」が基本動作となり、一部の切り替えなどを別にすれば、これだけの操作でゲームを進めることができます。
しかし、決して単純だったり奥が浅いわけではありませんでした。何も考えずに突っ込めば、飛竜のHPは減るばかり。そう、ボロボロにされました…。しかしジャンプを組み合わせて上から襲いかかったり、一度パスして背後から斬りかかったりと、工夫ひとつでぐっと進みやすくなります。試行錯誤が大事です。
そして試行錯誤は、何も戦闘に限った話ではありません。生まれ変わった『ストライダー飛竜』は、そのジャンルを「ハイスピード探索アクション」とし、心地よい戦闘だけでなく、マップの中を探索する楽しさも備えています。今回の試遊でも、HPを増やすアイテムをいくつも見つけることが出来ました。
その探索を助けてくれるのが、飛竜の柔軟なアクション性。天井に張り付いたり、壁を直接上り下りするなど、立体的な建物の構造もなんのその。隅々まで動き回れる頼もしい身体能力が、探索を大いにサポートし、見落としを探すための移動によるストレスを最小限まで抑えてくれます。
また重要な能力に関しては、進行ルート上で必ず取れる場所に配置してあるので、探索が面倒と思う方も最短ルートで突き進めそうなのでご安心を。ヘボな筆者は、当然丹念に探索していきましたが。それでも、飛竜の基本速度の速さもあり、探索中にもどかしさを感じることはありませんでした。
進むにつれ、ただの雑魚ではなく、瞬間移動を駆使する敵なども現れましたが、空中では上下左右及び斜めを含めた8方向に向けられるサイファーを駆使し、筆者の腕でもなんとか撃破…したかと思ったら、今度は2体同時に襲ってくる展開に。思わず悲鳴をあげてしまいましたが、歯応え十分という意味では、アクションゲーム好きからは嬉しい方の悲鳴が上がるでしょう。
試遊を進めるうちに、サイファーで敵の弾丸を弾き飛ばす「リフレクト」を取得すると、雑魚戦も楽になり、また□ボタンの長押しで強力な一撃を繰り出す「チャージ」では敵の持つ盾を軽々と撃破。この2種を使いこなせば、試遊の範囲ではほとんどの敵と問題なく対峙できます。
この他にもサイファーに炎属性を付与する「バースト」もあり、余談ですがバースト状態で壁を斬りつけると赤い傷跡が刻まれ、効果以上の恰好よさが強い印象として残りました。格好いいことは大事です。製品版では愛用してしまいそう…。
数々のパワーアップを成し遂げ、いよいよボス戦へ。巨大な蛇のような体躯が飛竜を出迎えます。雪空を飛び回るボスですが、飛竜にとってはそれもただの壁と同じ。しがみついては器用にその巨躯を登っていきます。蛇状のボスとの対決は、まさに往年の『ストライダー飛竜』を思い出す一瞬。タイミングを見計らってボスの攻撃を避けながら、思い出と現実のオーバーラップを感じました。
いわゆる「思い出補正」という言葉がありますが、グラフィックはもとより、その操作性や楽しさは、思い出の一歩先を行く出来映え。完全復活に向けての狼煙を感じられた試遊体験となりました。新規の方はもちろん、往年のファンの人達も、この週末に「東京ゲームショウ2013」まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
なお、一般公開の最終日となる22日には、12時50分から『ストライダー飛竜』のスペシャルステージを予定。日曜日に参加される方は、どうかこちらもお見逃しなく。
『ストライダー飛竜』は、2014年発売予定。価格は未定です。
(C)モト企画
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