3月も半ばに差し掛かろうという時期に、東京では先日雪が降りました。寒いっす。こんなとき、温かい地域や国に住んでる人が羨ましくもなるわけですが、申し訳ないけどこんなときだけなので引っ越したりはしません(笑)。それなら、せめてゲームの世界だけでも暖かそうなところに行こうかな・・・。じゃあこのゲームはどうだろう。えいっ。
まさかの溶岩だらけっ!
というわけで、今回プレイするのはカプコンのニンテンドー3DSバーチャルコンソール、ファミコンソフト『レッドアリーマーII』です。
『I』は小学生の頃、ほぼリアルタイムにプレイしています。たしか「ファミマガ」の「大技林」(裏ワザ特集の付録)に最強パスワードが掲載されていて、それを使ったにも関わらず、あまりの難しさに投げ出した記憶がおぼろげにあります(笑)。やはり超難易度の代名詞『魔界村』の外伝シリーズなので、今回のプレイも一筋縄にはいかない予感がプンプンします。思い出補正なしでどこまで楽しめるのかも気になるところ。それでは、早速プレイしていきましょう。
※画像はiPhoneで無理矢理ニンテンドー3DS本体画面を撮影したものです。
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『魔界村』シリーズで、度々主人公の「アーサー」を邪魔するボスでもないのに強くてウザいキャラ「レッドアリーマー」が本作の主人公。『II』となっていますが、『I』とストーリー的な結び付きはなく、システムを継承した続編作品というだけなので、本作だけプレイしても特に問題ありません。
■魔界を救うため「レッドアリーマー」が立ち上がる
「レッドアリーマー」も暮らす魔界を突如襲った「黒き光」。「レッドアリーマー」は「黒き光」の正体を暴き、封印するために旅立ちます。トップビューのRPGのようにフィールドを探索するのが特徴で、洞窟に入ったり、敵に話しかけたりすると横スクロールアクションゲームのパートが始まります。ランダムエンカウントはありません。
■グラフィックやシステムはファミコン最高峰
スーパーファミコンも波に乗り始めた1992年のファミコンタイトルということで、ファミコンの末期に発売された作品です。そのため、グラフィックやシステムがかなり洗練されており、ファミコンソフトの中では最高峰の完成度といっても過言ではないと思います。特に良いと感じたのは、RPGパートでの歩行速度の速さ。かなり速く移動できるので、町やフィールドの探索が苦になりませんでした。唯一残念だったのは、パスワード制でセーブによるバックアップがないところ。便利な「VCメニュー」の「まるごと保存」は、ゲームの難易度にも左右すると思うので、使うかはプレイヤーのプレイスタイル次第。
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RPG的な謎解きは特に難しくはないのですが、アクションの部分は序盤から比較的高い難易度です。物語を進めれば進めるほど、ステージで求められるアクションの難易度はどんどん高まり、敵の強さや配置もしんどいものになっていきます。このあたりはやはり『魔界村』の系譜作品。
■独特のアクション
「レッドアリーマー」ならではの、翼によるホバリングや飛行、壁貼り付きなど、『魔界村』シリーズとは全く異なるアクション性を楽しむゲームになっています。敵への攻撃よりも、いかに上手く飛行したり、壁に張り付いたりするかといった部分が重視されているので、落ちたら即死の場所や、死なないけどダメージを受ける壁、いやらしい敵の配置をいかにかいくぐって、最低限のダメージでアクションを突破するかがアクションステージクリアのポイントになってきます。
■パワーアップはあるけれど
ストーリーを進行すると、ジャンプ力が上がったり、飛行時間が長くなったり、攻撃アクションが増えたりと「レッドアリーマー」がパワーアップしていく要素があります。しかし、逆に言えばストーリーを進行しないとパワーアップしないので、「難しくてクリアできないから。経験値を貯めてじっくり育成してから再チャレンジ」みたいなことは一切できません。ステージに挑めるようになれば、基本的にその状態でクリアしろということなので、己の腕を磨いたり、ステージを覚えたりするしかありません。
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町で「あそこにあるアレを使えれば・・・」みたいな情報を聞いて、そこに向かい、クリアして物語進行。次の町で「あそこにあるアレさえあれば・・・」みたいな情報を聞いて、そこに向かい、クリアして・・・という流れを延々繰り返すので、RPG的な楽しさを期待しすぎてはダメです。メインはあくまでもアクション。RPGパートのグラフィックも良くできているだけに、同時期に『ファイナルファンタジーV』などが発売されたことを考えると、ファミコンとは言え、もっと丁寧にRPGしてほしかったです。
■RPG要素が「雰囲気」すぎる
町には家がたくさん立ち並び、町の人々(魔界なので人じゃないですが)から情報収集するのも本作の攻略のポイントのひとつ。ただ、入っても誰もいない家が多すぎます(笑)。雰囲気的にはイイ感じなのですが、ひとつの町に無駄な家が必ず1~2軒・・・。例えばストーリーと直接関係ないセリフを言う町人を配置したりできなかったのでしょうか。本当の意味で無駄足が増えてしまうのはちょっと残念。
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さすがの難易度はやっぱり『魔界村』シリーズの系譜!
アクションの出来が良いだけのRPGパートについて要審議!
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『魔界村』シリーズとパラレルワールドなのか公式サイトなどを見ても曖昧なのですが、「レッドアリーマー」が魔界で落ちこぼれのような扱いを受けていたことが意外で、ストーリーを進めるうちに魔界の英雄としての期待度が高まっていく「成り上がり感」が非常に印象的。このあたりはRPGパートの存在による恩恵です。
アクションゲームとしての難易度は、やはりかなり高め。何度も何度もゲームオーバーになることを覚悟しておいてください(笑)。ゲームオーバーになると、場所によってはかなり手前での復活になります。ただ、もう少しだけライトに楽しみたい人は、こまめに3DSバーチャルコンソールの機能である「まるごと保存」「まるごと復元」を駆使して、苦手な箇所でゲームオーバーにめげずに何度も「復元」してトライしてみてください。筆者は邪道ですが、そのテを使いましたが、それでもかなり苦労しました(汗)。
【こんな人にオススメ】
・アクションゲームが得意な人
・高難易度アクションゲームを求めている人
・『魔界村』シリーズファン
・「レッドアリーマー」カッコイイ!という人
・リアルタイムにクリアできなかった人
ちなみに、初代作品であるゲームボーイソフト『レッドアリーマー』も3DSバーチャルコンソールで配信中です。『魔界村』シリーズは好きだけど『レッドアリーマー』シリーズには手を出していない・・・という方は、これを機にシリーズ作品をプレイしてみるのもオススメです!
【そそれぽ】第88回、いかがでしたでしょうか?小学生ぶりに「レッドアリーマー」になってみましたが、やはり難しいですね(白目)。しかし難しいけど面白いのが、この時代の良作アクションゲームでもあるので、かなり楽しめました。皆さんも自分好みのレトロゲーと出会えると良いですね!次回もどうぞお楽しみに!
『レッドアリーマーII』は、好評配信中で価格は500円(税込)です。
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津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity