GBAのソフトは3DSのアンバサダープログラムで配信された10本をのぞき、これまで一度もVC化されていませんでした。3DSにてVC化するのが先かと思っていましたが、まさかのWii U。今回はGBA『メイドインワリオ』をプレイしつつ、その機能をチェックしていきます。
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今は亡きWindows XPをほうふつとさせるメイン画面。時代を感じます。
2014年4月3日より配信開始された『メイドインワリオ』を含む6タイトルの価格は702円(税込)。なんという中途半端な数字。増税め…と恨みを込めつつ購入。ちなみに1本目を買うと以降30%OFF(490円)になる発売記念キャンペーンも開催され、第2弾は4月30日に配信されるタイトル6本が対象となります(5月4日まで)。この機会をお見逃しなく!
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ゲームパッドの左下に表示される「?」マークをタッチすると「説明書」が表示されます。なんとフォーマットに即した説明ではなく、発売当時の説明書がそのまま収録されいるではないですか!アンバサダープログラムの時はフォーマット通りの説明書だったので感動もひとしおです。
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説明書だけではなく、「THEおまけシール」まで網羅されています。地味に嬉しいですね。GBAの時代は電子説明書化が進む前なので説明書に対する思い入れも深いのではないでしょうか?ちなみにゲームバッドで説明書を開きつつプレイすることも可能です。
GBAのVC機能をチェック。「まるごと保存」機能、「キーコンフィグ」は 標準搭載。このほかに新機能として「なめらか画面モード」と「テレビ画面」の設定が追加されています。
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「なめらか画面モード」では「荒いドットのまま拡大するかなめらかにするか」を選択することができます。いわゆる「アンチエイリアス」のオン・オフの設定をする機能です。こちらはRスティック押し込みでも切り替え可能。GBAの解像度は240×160。かつてよく見かけた折り畳み式の携帯電話の標準画面サイズ(QVGA。3DSはこれに該当)よりも小さいので、大画面テレビでプレイする際にはなめらかオンの方が見やすいかもしれません。
「テレビ画面」設定ではオリジナル比率の「ドットバイドット」と実際より大きく表示する「フルスクリーンモード」の選択が可能。
当時に近い環境でプレイしたい人は「なめらかオフ」+「ドットバイドット」がオススメ。GBAソフトで702円はちょっと高いかな?と思いましたが、説明書や画面表示に付加価値がありこれはこれで妥当だと感じました。
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地味なところですが、RZボタンデフォルトの「VCメニュー」表示がものすごくゲームの進行を妨げるのでキーコンフィグで「なし」に設定しておくことをオススメします!
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本作はステージごとに用意されたプチゲームをひたすらこなす「瞬間アクションゲーム」。プチゲーム1つにつき与えられた時間はたった5秒なので、「よけろ」「つかめ」「倒せ」などの命令に対し、脳がいかにすばやく状況を判断し行動に移せるかがポイントです。使うべきボタンはなにか、押すべきタイミングはいつか、回避できるポイントはどこか…成功するためのあらゆる要素を一瞬で判断しなければならないので、ネタのバカバカしさに反比例して脳は常にフル回転状態。暇つぶしというよりは脳トレに近い感覚です。
キャラクターごとに「スポーツ系」や「レトロゲーム系」などのジャンルが用意されていて、得意・不得意はなんとなく分かれそう。ゲームに慣れ親しんだ人ならファミコンゲームの一部を引用した「レトロゲーム系」は問題なく攻略できるはず。これは『ファミコンリミックス』にも継承されている要素ですね。
GBA『メイドインワリオ』は当時めちゃくちゃ流行ったし、アンバサダープログラムでも遊んだし、最近ではWii U『ゲーム&ワリオ』もレビューしたし、余裕でクリアできるだろうと思っていた頃が私にもありました。
…おかしい。身体が覚えていない。もちろん当時話題になったネタ(たとえば鼻の穴に指をつっこむ)は余裕でこなせるのですが、記憶の片隅においやられてたネタはとことん忘れている。ある意味新鮮な気持ちでプレイできたのですが、己の記憶力の低さにただただ呆れるばかり。
とはいえ、失敗の原因は操作が分からないからではなく、タイミングを逃したりボタンを間違えたりといった凡ミスからくるもの。諦めなければ絶対に詰むことはありません。5秒ごとに個々の「直感」が試されるゲーム、なるほど身体が覚えていないわけだ…(言い訳)
仕事で、学校で、理詰めて疲れた脳に「直感」という活性剤を注ぎ込むにはちょうどよさそう。とくに企画やクリエイティブを生業としている方は、ユルいながらもセンスのあるインターフェイスと“DO”の嵐から、何かピンとくるものを感じるかもしれません。
・増税のあおりで702円と中途半端な値段設定。
・やや高めの値段設定かと思いましたが、発売当時の説明書や「なめらか画面モード」などの付加価値があり妥当なライン。
・「直感」が試されるゲームなのでプレイ済みでも身体が覚えておらず(個人差あり)、間をあけて何度でも楽しめます。
・特にクリエイティブを生業とする人には「ピン」とくるものがあるかも。
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そのシンプルな操作性と一瞬の判断で勝敗が決まるスリリングさはピカ一。ネタゲーとして、脳トレとして、VC化したGBAソフトの中でもマストアイテムといえるでしょう。
Wii Uバーチャルコンソール GBA『メイドインワリオ』はニンテンドーeショップにて702円(税込)で配信中です。