そのiOS版となる『MHP2ndG for iOS』がこのたび登場し、既に多くの方がiOSという環境で、新しくも懐かしい冒険へと出かけています。当サイトでも、iOS版の紹介や、操作感などをチェックしたプレイレポートなどを紹介させていただきました。
現在、話題沸騰中の『MHP2ndG for iOS』ですが、iOSへの移植という大役を果たしたのは、その確かな開発力でゲームユーザーの信頼を集めている「ヘキサドライブ」です。多くの方が既にご存じのことと思いますが、同社の実績は、SD作品として登場した『大神』のHD化移植となる『大神 絶景版』や、『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』の修正パッチなど、どれも目を見張る完成度を誇るものばかりです。
特に『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』の修正パッチに関しては、「現行の描画エンジンを破棄して総入れ替えする」という、修正パッチの枠すら超えるような決断を実行し、元から比較すると10倍速以上の高速化を成し遂げ、オリジナル版と同じ60fps動作を実現させました。
輝かしい実績を持つヘキサドライブが、本作に対してどのように関わり、何を成し遂げたのか。その詳細が公式ブログにて公開されているので、こちらで紹介させていただきます。
今回の描画処理に関して最重要視された部分は、「iPadのフルHD解像度を超えた解像度(2048×1536)を余すこと無く使用する」、「そのうえで処理負荷をいかに低減するか」の2点。しかし、PSPに比べ約24倍のピクセル数に対し、描画パイプラインをそのまま再現しただけではパフォーマンスが不足してしまう部分があるため、どう乗り切るかが難関となりました。
その対処法として実施したのが、ほぼ全てのステージの描画順番を手動で並び替えるというもの。またエフェクトを高速に描画するため、OpenGLES2.0拡張命令を使用するとともに、シェーダーの最適化も極限まで行い、処理落ちギリギリのレベルで処理速度との戦いを続けた結果、iPad3やiPhone4Sでも快適な速度性を実現するに至りました。
移植にあたり、元々の素材をただ移植するだけではなく、よりスマホに馴染んだものに出来ないかとの発想から、3つの作業が行われました。
■UIのレイアウト調整
PSP版を触りながら画面ごとにキーの使用状況を調べ、ボタンの表示領域が固まった後は、あとはそれに合わせて画面をひたすら再レイアウト。しかも各端末で画面比率が異なるため、単純な拡大だけではクリアできず、各端末で破綻がないよう1画面ずつ根気よく調整が施されました。
■アイコンなどのUI素材の高解像度化
同社内で作成されたテクスチャ超解像度ツールを駆使しながら、細かいところはデザイナーが1つ1つ手動で調整。UI解像度は、当初は縦横2倍を想定していましたが、最終的に4倍化を実現しました。
■背景テクスチャの高解像度化
PSP版で使っている画像データは、容量の関係もありかなり圧縮されていましたが、その減色前のデータが残っていたのを発見。調整や確認の必要はありましたが、基本的に減色前のデータを使用することで、本作の世界を更に美しくすることができたとのことです。
クエスト中の操作については、PSPのボタンを表示する形ではなく、タッチ操作に適した操作法やUIへとデザインを変更。各武器タイプ毎に調整を行い、狩猟笛操作UIなら狩猟笛が操作しやすい、大剣操作UIなら大剣が操作しやすい操作を実現しました。
また今回の移植には、オリジナルには存在しなかった「ターゲットカメラ機能」が搭載されています。この機能を使うと、ボスモンスターをロックオン出来るようになり、プレイヤーが常にボスの方を向くようになります。
ターゲットカメラのタイプは、「Type1:カメラがボスを追尾(今回の移植オリジナル)」、「Type2:ボスの方へカメラが向く(MH3Gのタイプ)」「OFF:ターゲットカメラ無し」の3タイプから選べるので、ユーザーの好みに合わせたチョイスが可能ですが、開発陣のお勧めはType1とのことです。
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この他にも、通信に関する苦労話や辿り着いた成果なども記されているので、同社の仕事ぶりが気になる方や、本作のプレイを考えている人は、チェックされてみてはいかがでしょうか。携帯ゲーム機以上のクオリティを目指して邁進したクリエイターたちの努力の痕跡が、そこには記されています。なお、その結果の数々に関しては、ゲーム本編で直接体験してみるのも一興ですよ。
『モンスターハンターポータブル 2nd G for iOS』は、好評配信中。価格は1,600円(税込)で、課金はありません。
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