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【E3 2014】「ここまでやるか!」と驚愕の内容 ― ハイエンドゲーム機だからできる『FIFA 15』のこだわりとは

シリーズを重ねながら成熟を繰り返していくスポーツゲーム。その方向性には大きく新モードの追加といった「横の進化」と、元となるスポーツの再現という「縦の進化」があります。もっとも「横の進化」に比べて「縦の進化」はわかりにくいのも事実。

ソニー PS4
サッカー・ワールドカップの興奮が近づく中、E3 2014でも最新作『FIFA 15』の発表が行われました。ハードはPC/PS4/Xbox One/PS3/Xbox 360/Vitaとなっており、このうちPC/PS4/Xbox One向けには『FIFA 14』に続いて次世代スポーツゲーム向けエンジン「EA Sports Ignite」が搭載されます(PC向けは本作から)。ただし会場で行われたプレゼンテーションによれば、「まったくの別モノ」といっていいほどの進化を遂げていました。

シリーズを重ねながら成熟を繰り返していくスポーツゲーム。その方向性には大きく新モードの追加といった「横の進化」と、元となるスポーツの再現という「縦の進化」があります。もっとも「横の進化」に比べて「縦の進化」はわかりにくいのも事実。「○×エンジン」などより、「登録選手・チームが**名」などと唄う方がユーザーに刺さるのは事実でしょう。しかし、そこをキチンとアップデートし続けるのが『FIFA』のすごいところ。プロデューサーのSebastian Enrique氏とAaron McHardy氏のプレゼンをもとにポイントを整理しましょう。

まず第一のポイントは「選手の感情表現」です。Enrique氏によると本作ではシリーズで初めて、ピッチ上にいる22名の選手それぞれに感情パラメータが加わり、試合展開に応じて600種類以上のアニメーションから、最適な仕草を見せるようになるとのこと。プレゼンではわざとキーパーがオウンゴールをした時の、選手の視線や感情の動きが紹介され、一気にチームがネガティブになる様子がよくわかりました。逆にチャンスの時は攻撃陣を中心にポジティブなムードに。ファインセーブをしたり、決定打を外したりといった時に、リプレイを見るのが今まで以上に楽しみになりそうです。

ビジュアル面では選手のプロポーションやピッチの表現がさらにリアルになりました。しかもシリーズで初めて、ピッチ上の全選手の全足跡がすべて記録され、芝生の状態が次第に悪くなっていく様子が再現されます。雨の日にスライディングタックルをすると、水しぶきが上がると共に、スライディングの跡まで残るのです。

こうした細かいピッチの変化は、次のボールコントロールに微妙な影響を与えます。個人的には「そこまでするか!」という気もしますが、「まずリアルなサッカーを再現して、そこからゲーム的な誇張を加える」という確固たる姿勢の現れなのでしょう。

そしてボールコントロール。本作では初めて(バカみたいに「初めて」を連発していますが)、ボールがホントに、選手の足の動きに応じて、「物理的に正しく」回転するようになりました。ドリブル時ではインサイド・アウトサイドの足の動きに応じてボールが回転します。もちろん芝生の状態に応じて、ボールの回転も影響を受けます。

プレゼンではディフェンダーがドリブルする相手に対してタックルをかける様がビデオで再生されました。この時の足の動きとボールの回転の追随ぶりは、もはやゲームの域を超えて環境シミュレータか何か、という印象すら受けます。

このほか選手の動きについてもAIのさらなる進化が行われました。ボールの動きに対して他の選手が各々の判断で、ダイナミックに動くというのがサッカーゲームのポイントとなるのは、言うまでもありません。デモではディフェンダーのマークをフォワードが巧みにかわして行動し、サイドからのパスにボレーであわせてシュートする様子が紹介されました。

この時プレイヤーはパサーを操作しているため、フォワードの動きはシュートの直前までAIが担当することになります。ビデオでは実際の選手さながらに立ち回り、その自然な動き方に改めて驚かされました。

ただし、これらすべての改良も、実際のゲームではほとんど実感することが出来ないレベルにまで進化しているといって良いでしょう。ブースでも多くの参加者がカメラを一杯にひいて、チーム全体の連携をみながらゲームを組み立てていました。つまり個々の選手の動きや、芝生の状態にもとづくボールの動きなどは、マクロな試合展開の中で埋没してしまうのです。

それでも、こうした細かい部分に決して手を抜かず、一作毎に作り込んでいく同社の姿勢には感嘆を禁じ得ません。ぜひ『FIFA 15』をPC/PS4/Xbox Oneでプレイするときは、こうした部分もじっくり堪能してもらえれば幸いです。
《小野憲史》
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