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だるまといえば高崎だるま。鶴は群馬県が鶴舞う形をしているからなんですよ!
「女子もゲーム三昧」担当のみかめです。突然ですが、筆者はグンマーです。グンマーといえば、日本に残された最後の秘境としてネット界隈で散々言われているわけですが。それはひとえに群馬県の認知度が低いせいといえるでしょう。いや、いろいろ持ってるんですよ、群馬。まず歴代総理大臣も群馬出身者多いし、糸井重里はおとなもこどももおねーさんもMOTHER2だし、あだち充は母校をモデルにココにタッチだし、BOOWYもBUCK-TICKもいるし、富岡製糸は世界遺産だし。まぁあとはウィキペディアみてください。
そんな群馬の現状を憂いて制作されたのがiPhone/Androidアプリ『ぐんまのやぼう』です。アプリ界の話題を群馬で染めた異色作が、このたびニンテンドー3DSに侵攻していきたというわけで、群馬出身の筆者が早速プレイしてみました。
■概要:とにかく群馬にする。
本作は群馬の名産であるねぎ、キャベツ、こんにゃくなどの資源を収穫し、G(GUNMA)を貯め、各都道府県を制圧し群馬県にするゲームです。日本だけではありません。群馬は世界、そして宇宙へと侵攻していきます…!
■どんな時でも収穫
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メニュー開いていても収穫は可能です!
メインメニューは上記の通り。まずは「ぜんたいず」。上画面に制圧した地域と特産品の数が表示されます。「せいあつ」では群馬に隣接した地域を任意で選択し制圧することが可能。「カード」はGを使って各都道府県の市町村カードを引くお楽しみ要素です。リアルマネーが動かないので子供にも安心。「その他」では実績やギャラリー、BGMの音量設定が可能。ちなみにメニューは立体視。無駄に立体視です。
地味に嬉しいポイントは各メニューをいた状態でもタッチパネルではつねに特産品を収穫できる点です。メニュー開く/閉じるという動作をするストレスがなく、どんな時でも収穫できてしまうのです。
■『ぐんまのやぼう』における立体視の意味
収穫できる特産品は各地域さまざま。iPhone/Androidアプリは一度収穫し尽くすとしばらく表示されませんでしたが、本作は5秒もたたぬうちに特産品で画面が埋め尽くされます。スライドパッドを適当に回しながらタッチパネルを触っているだけ相当数を収穫できてしまいます。ちぎっては投げちぎっては投げを繰り返すうちにあっという間にGが貯まっていきます。
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収穫した特産品は画面上部に放り込まれ、手書きの「GUNMA」という文字とともに「グンマ」という気の抜けたSEが再生されます。上部に投げ込まれる特産品と「GUNMA」の文字はもちろん立体視。無駄な仕様にも思われますが、浮かび上がるG、U、N、M、Aの5文字の羅列、そして毎度毎度再生されるSEは否が応でも目と耳に残り、ふとした拍子に思い出してしまいます。これぞまさに洗脳。立体視でプレイヤーの脳内までも群馬で侵食しようというとこですね。
■永遠に働き続ける「ぐんまちゃん」
特産品の収穫は群馬県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」がお手伝いしてくれます。ものすごい余談ですが、この「ぐんまちゃん」は二代目。一代目は猫の漫画で有名な馬場のぼる先生がデザインしたものでした。群馬県の子供たちは正月になると群馬銀行のぐんまちゃんポチ袋でお年玉をもらったものです…(新ぐんまちゃんか旧ぐんまちゃんかで年代がモロバレ)
話は脱線しましたが、二代目「ぐんまちゃん」がせっせと収穫のお手伝い。画面を開いたまま放置しても3~5秒の感覚でぐんまちゃんが収穫してくるので、放っておいても「グンマ」というあのSEが聞こえてきます。洗脳!
■Gで制圧!
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貯まったGの使い道は2つ。まずは隣国を群馬にするために使いましょう。群馬に面している県ならどこから制圧してもOK。制圧が完了するとそこで採れる特産物も群馬のものに!!みんなが憧れの東京都も群馬に染めてやったぜ!!
特産品がどんどん湧いてくるおかげで、全国制覇はPhone/Androidアプリほど時間がかからず、およそ1時間弱で完成。次は世界進出です。
■格差が激しいカード
もうひとつのGの使い道は都道府県別のコレクションカード集め。カードの柄は各都道府県の市町村で、しかも合併前・合併後を確認することもできます。いわゆるソーシャルゲームにおける「合成強化」が市町村合併というわけです。
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群馬以外がゾンザイ…
それにしても、カードを引く際に感じるこの格差よ。群馬のみ、ソシャゲっぽい豪奢なパッケージなのに、他の都道府県は真っ白。細かいところに格差を出してきます。まぁグンマーにとっては嬉しい仕様ですが!
ちなみにカードは引くたびに引き換えに必要なGが上がっていくので、全都道府県100%収集するのは骨の折れる作業です。
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市町村の大体の位置もわかる!
引いたカードは「ずかん」から閲覧することが可能。手書き文字でルビが振ってあるのでむずかしい地名も覚えられるスグレモノです。村はN、町はR、小さい市はSR、大都市はSSとランクがついているのが地味に笑えます。ちなみに筆者の出身地はSRでした。どうせ衰退の一途を辿っている市だよ… また、合併前の市町村を揃えると合併後のカードが手に入るようになる仕組みになっており、市町村合併の遍歴も知ることができます。
特産品個別の説明は適当だし、群馬以外の都道府県は5つとバリエーションが少ないですが、各地域の特産品をそれなりに知ることができ、「なにげに勉強になる」というのが素直な感想でした。個人的には「ひもかわうどん」が全国共通ではなかったということに衝撃を受けました…
これだけ充実していると、グンマーな人でなくてもまずは群馬をコンプしようと思ってしまうのではないでしょうか?そしていつの間にか群馬に詳しくなっていく…なんという恐ろしい洗脳術…!
■ゲーム機ならではのバランス
放っておけばぐんまちゃんが勝手に特産品を収穫してくれるので、まるっと一晩付けっぱなしにしてみました。朝確認すると、1600万Gというトンでもない数に!これなら太陽系サラッと群馬にできちゃいます。
このまま放置し続けると『思い出きろく帳』の起動時間ランキングも上位に食い込んでくるに違いありません。こんなところまで侵食してくるとは、さすが『ぐんまのやぼう』。どこまでも自己主張してきますね!
3DS版をプレイして思ったのはスマホと携帯ゲーム機のバランスの差をしっかりと考えているという点です。スマホは通勤通勤の合間や昼休みにまたササッと収穫するのがちょうど良く、特産品が表示されるスピードは遅めですが、ゲームをやることが前提である3DSではそのスピード感だとあまりにも間が空きすぎてしまいます。本作はしっかりゲーム機向けにチューニングしてあるなと感じました。
こんな人にオススメ!
・グンマーである。もしくは元グンマーである。
・地理に詳しくなりたい人。
・各地の特産品について知りたい人。
・平成の大合併って凄かったんだなぁ…と感じたい人。
・世界地図のおおまかな位置関係を知りたい人。
・コスモを感じたい人。
・ぐんまちゃんかわいいよ、ぐんまちゃん…な人。
・子供に地理の勉強をさせたい人。
ぐんまのやぼうは、まだまだ始まったばかり…!
『ぐんまのやぼう for ニンテンドー3DS』はニンテンドーeショップにて500円(税込)で配信中です。
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■著者紹介
みかめゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。
ゲームはジャンル問わずなんでもござれ。難しければ難しいほど燃えるドMゲーマーです。
歴史・ホラー漫画、歴史コラム、イラストなど雑多に活動しています。
サイト「車輪の真上」
http://zwei.lomo.jp/syarin/
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