先日発売され大ヒット中の3DS『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』と、同じく3DSで11月21日に発売をひかえる『ポケットモンスター オメガルビー/アルファサファイア』。これらのタイトルはどちらも任天堂販売ですが、前者は桜井政博氏とバンダイナムコゲームスが、後者はゲームフリークが開発を担当しています。
国民的タイトルといえば、冒頭で挙げた『ドラゴンクエスト』もそのひとつ。最新作はシリーズ初のオンラインRPGとなった『ドラゴンクエストX』ですが、一作目から『IX』まではスクウェア・エニックス(旧エニックス)とは別の開発会社が開発を担当しています。『ドラクエX』はシリーズ初の自社開発作品ということもあり、コアなファンの中にはそうした面に注目していた人もいるかもしれません。
ひとつ注意したいのは、パブリッシャーだから開発にはノータッチ……というわけではないということです。また、それとは反対に「デベロッパーにやりたいことを思う存分やってもらうため」にパブリッシャーがあえて口出しをしない……という例もあることかと思います。この辺は完全にケースバイケースで、一概にこうと言うのは難しいところです。
さて、家庭用ゲーム機の現行機というとWii U、PS4、Xbox ONEになるわけですが、これを全部持っているという人は少数ではないでしょうか。そうであるなら、気になるゲームが発表されたときに「自分の持っているあのゲーム機でも出てくれないかな……」と期待してしまうというものです。しかし、こうしたデベロッパーやパブリッシャーという概念が分かってくると「このゲームはどれだけ待っても他の機種では出ないかな」という予測が立てられるようになってきます。
それは「プラットフォームホルダーが販売する(or深く関わる)ゲーム」です。これまでに任天堂の『マリオ』がPSシリーズで出たことはありませんし、同様にSCEJA(旧SCE)の『グランツーリスモ』がXboxシリーズに移植されたこともありませんよね。どちらも自社のハードを牽引すべき役割を持つタイトルだからです。そしてそうした役割は、他のプラットフォームホルダーが関わるタイトルにも課せられているというわけです。
それが分かった上であらためて最近のゲームを見てみると、先ほど述べた「やすやすとは移植されないであろうタイトル」が分かってきます。Wii Uであれば『零 ~濡鴉ノ巫女~』は任天堂がパブリッシャーです。PS4であればフロム・ソフトウェア開発による期待の新作『Bloodborne』はSCEJAがパブリッシャーとなっています。これらのタイトルはそれぞれ開発が二社による共同開発という事情もありますが、それを抜きにしても、プラットフォームホルダーが深く関わるタイトルが他社の機種に移植されることはなかなか考えられないことです。
それでもそうしたゲームが遊びたくなったなら、あとはシンプルな二者択一が残るのみ。スッパリと諦めて他のゲームを遊ぶか、いっそのことハードごと買ってしまうかです。ただ、過去には「あのゲームが出るというからこのゲーム機を買ったのに、結局発売中止になってしまった」というような泣くに泣けない例もありますから、ハードごとの購入を検討するときはお目当てのゲームの発売日以降にすることをおすすめします。
最後に、デベロッパーとパブリッシャーの概念を知っているとちょっとだけ得することもありますよ、というささやかな実例をお届けしたいと思います。筆者は競馬に対して知識も興味もほとんどありませんが「ポケモンを作っているゲームフリークが開発したオリジナル作品だから」というだけの理由で配信当時に3DSの『ソリティ馬』を購入しました。
その結果、カワイイ絵柄に反して言動がチャラいのがおもしろい主人公、ソリティアと競馬という一見共通性がないゲームの見事な融合、万全をつくしても勝てないときがあるという競馬の難しさ、ジャジーで聞きごたえのある楽曲……などなど筆者はまんまと『ソリティ馬』の虜になってしまいました。ですが、もし自分がデベロッパーやパブリッシャーという概念を知らなかったら、こんなに楽しめたこの作品との出会いもなかったのかもしれません。
小説や音楽であれば「自分の気に入った作品を手がけた作者の別の作品にも触れてみる」というのはよくあることではないかと思います。気に入ったゲームができたらそのデベロッパーやパブリッシャーにも目を向けてみてはいかがでしょうか。そうすることで、そのあとますます自分好みのゲームと出会いやすくなるかもしれませんよ。
※記事公開当初Wii U『ゼルダ無双』の販売会社を任天堂と記載しておりましたが、これは海外のみで、国内はコーエーテクモゲームス販売となります。また、3DS『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』の開発会社を桜井政博氏と有限会社ソラと記載しておりましたが、これは桜井政博氏とバンダイナムコゲームスの誤りとなります。
読者の方々、および関係者各位にお詫びするとともに、ここに訂正させていただきます。
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