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調査用にリサイクルショップにて『ドラクエ4』('90年発売、24年モノ)を108円で入手。電池はありま~す!
しかし、今セーブがきっちり出来る状態でファミコンの作品を遊びたいと考えるなら、電池交換以外に、クリアまで本体の電源を切らずにセーブ無しでクリアするという男気あふれるプレイをする他無いわけです。そこで、年末の大掃除ついでにファミコンカセットの電池交換と掃除を行って、ファミコンソフトを実機で電池切れの不安なく遊ぶ方法を今回はお伝えしたいと思います。
※ご注意:これらの作業を行って、カセットのツメが折れたり、最悪カセットが壊れる場合があります。デリケートな電子部品や20年以上も前の製品を改造する行為となりますので、くれぐれも自己責任の上でお願いします。
1:準備
用意するものは以下のものです。
・マイナスドライバー
・無水エタノール
・接点復活剤
・ハンダゴテ
・交換用の端子付きボタン電池CR2032
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2:カセットの分解
ファミコンのカセットは、前面、背面のふたつのパーツで構成されており、接続は前面についている4箇所のツメを背面と噛みあわせて組み立てられています。分解はこのツメを外すことで容易に行えます。
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カセット前面(タイトルレーベルのある方)を下にし、端子の部分を手前の位置にした状態で、カセットを前後に力を加え、前面、背面パーツに隙間を作ります。その隙間からマイナスドライバーを差し込み、テコの原理を使いドライバーを下げると、パキッという音と共にカセットのツメがひとつ外れます。この際に注意するところは、カセットの前面側ではなく、背面側を外向きに広げる感じで、力を加えること。逆に力を加えると確実にツメが折れますので注意が必要です。
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こうして一箇所のツメを外し、カセットを裏返して反対側も同様にマイナスドライバーを差し込み、同様に背面を広げるイメージでドライバーを今度は逆に上げます。ツメがどの位置にあるのかをイメージするのがポイントとなります。残りの2本のツメは、カセットの上部に付いた穴の付近にあるので、ここにドライバーを差し込んでこじ開けると簡単にカセットが分解されます。カセットを分解する動画を用意しましたので、参考にしてみてください。
3:電池交換
カセットを分解できたら次は電池の交換を行います。ファミコンカセットに装着されている電池は、ボタン型の電池で型番はCR2032。PCのマザーボードなどにも使われるポピュラーなボタン型電池で、100円ショップなどでも容易に入手できます。しかし、ファミコンカセットに装着されているものは、スポット溶接で端子の金具が付いた特殊な仕様の電池です。こちらの電池はAmazon等のインターネット通販で入手することが可能で金具は縦型と横型があり、横型を選ぶと取り付けが楽にできます。
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上が新品、下は基板より取り外した古い電池
電池は基板にハンダ付けされているので、ハンダを除去し古い電池を取り外します。電池を取り外したら、新しい電池の極性をよく確認してセット、電池をハンダ付けして交換は終了です。電池は高温に弱く、熱し続けると破裂しますので、時間をかけないように素早く作業を行うのが重要です。
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古い電池を取り外して
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新品の電池と交換完了
4:カセットの洗浄
電池を取り替えたら、次は端子部の洗浄です。綿棒に無水エタノールを含ませて端子部分を丹念にこすり、汚れを取ります。無水エタノールを使用するのは、その名の通り水分をほとんど含まない触媒となりますので電子基板の洗浄には最適なチョイスとなります。仕上げは通電を良くするために接点復活剤を先ほどの洗浄と同じように綿棒にスプレーし端子部に塗ります。余談となりますが、ROMカートリッジの場合不良となるのは多くの場合、端子部の汚れがほとんどですので、起動しないROMカートリッジはまず洗浄とおぼえておけば間違いないでしょう。
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綿棒に黒い汚れが! 結構汚れています
5:組み立て、電池交換終了
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洗浄も終わったら、ケースを元通りに戻して電池交換終了となります。これで気兼ねなくゲームをプレイできるようになるかと思います。ファミコン以外でも、スーパーファミコンも同じ規格のボタン電池が装着されているので、同じ手順で電池交換が可能です。カセットはDTC-20という特殊ドライバーでネジ止めされているので、こちらのドライバーを利用すれば容易にカセットを分解、基板の取り出しが可能となります。
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スーファミカセットは前面にあるネジふたつを取り外すだけ
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カセット内部はおなじみの基板が
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電池はファミコンと同じCR2032
任天堂のバーチャルコンソールやPlayStationのゲームアーカイブスなど、レトロゲームを現行機でプレイできるサービスも充実していますが、オリジナルのカセットと実機でプレイするレトロゲームで、オッサン世代は当時を思い出し、当時を知らない若いゲーマーには昔のゲームを深く知る体験ができるので、年末年始はハンダゴテ片手に電池交換してみてはいかがでしょうか。
記事提供元: Game*Spark