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開場と同時に大行列となったTGS 2014のOculus Riftブース。筆者はここでユニティのライブを体験しました
まずはアメリカのベンチャー企業Oculus VRによる「Oculus Rift(オキュラス リフト)」。2012年に発表され、新規事業を有志が投資して手助けするクラウドファンディングサービス・キックスターターで開発費の募集が始まるやいなや、目標額をはるかに上回る額が集まった注目株のHMDです。
2014年3月には、Facebookが約20億ドルでOculus VRを買収したことが判明。「Oculus Rift」が巻き起こすVRブームの到来を感じさせる出来事でした。続く9月開催の東京ゲームショウ 2014や10月開催のデジタルコンテンツEXPO 2014では試遊ができ、どちらも大盛況でしたが、まだ製品化されるにはいたっておりません。今年こそ大きな動きは見られるでしょうか?
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今もっともVRに未来を見出しているメーカーといえばバンダイナムコゲームス。昨年の体験会では原田氏が思いを熱く語ってくれました
実際に体感まではしておらずとも、2014年は『サマーレッスン』というタイトルが脳裏に焼きついた人も多いのではないでしょうか。次に紹介するのは、ソニーが開発するPS4用VRシステム「Project Morpheus」です。単体でも楽しめることはもちろん、PS MoveやPSカメラと組み合わせることで遊びの幅を広げやすいのも注目ポイント。
バンダイナムコゲームスが熱い視線を注いでおり、高校生の少女の家庭教師気分が体感できる『サマーレッスン』を開発中です。そのあまりの反響の大きさから「本作を楽しむためのイベントを別途設ける」と東京ゲームショウへの出展を急遽取りやめたのを覚えておられる方も多いかと思います。その体験会は11月に開催され、実際に体験したユーザーたちからは好意的な反応が得られました。
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デジタルコンテンツEXPO 2014「どこでもドア」ブースにて。呼べばドラえもんが目の前に来てくれるという嬉しいしかけも
お次は韓国最大の電子製品メーカーSamsung(サムスン)による「Gear VR」。これは厳密にはHMDではなく、スマートフォンをセットしてそれをディスプレイ代わりにする「ヘッドマウントアクセサリ」となっており、同社製のAndroidスマートフォン「Galaxy Note 4」とセットで運用する機器になっています。
ソフトウェア部分は前述したOculus VRとの共同開発となっており、性能的には他のHMDに遅れを取るものにはなっていなさそうです。デジタルコンテンツEXPO 2014ではドラえもんのどこでもドアを体感できるコンテンツが展示され、大勢のユーザーでにぎわいました。
HMDではないのですが、VRに関わるユニークな機器もご紹介します。オーストリアのCyberith(サイベリス)による「VIRTUALIZER」は、文字通り全身で仮想現実を味わうための「二足歩行VRコントローラ」。YouTubeに前述の「Oculus Rift」と組み合わせて『Battlefield 4』をプレイしている動画がアップロードされていますが、これがまたなかなかに圧巻。
転倒しないように腰周りを固定し、足にツルツルと滑る特製のソックスをはくことで自分が実際に移動しているかのような体験ができるそうです。ですが、ここまで大がかりな機器であるだけに価格は199,800円となかなかのもの。仮に購入しても、日本の住宅事情では置き場所にもひと苦労かもしれませんね。
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また、海外の一部のサイトではマイクロソフトも水面下でゲーム向けHMDを開発しているというウワサ話があるようです。同社からの正式な発表はなにもないため今は「そういうのもあるのかな」以上のことは何も言えませんが、もし本当なら2015年のVRはさらに盛り上がることは間違いありません。
2014年に大きな躍進を見せたVR。2015年はいよいよ空へと大きく羽ばたいてくれるでしょうか? 今年も引き続きVRは注目のワードとなりそうです。