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【GDC 2015】eSportsの波がGDCにも!Riot Games『League of Legends』のデザイナーが語る

今年のGDCでは初の試みとしてeSportsを専門的に扱ったeSports Summitが新設されました。そのオープニングとして、Riot Gamesのクリエイターが登場しました。

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今年のGDCでは初の試みとしてeSportsを専門的に扱ったeSports Summitが新設されました。そのオープニングとして、Riot Gamesから『League of Legends』のデザインリード・Ryan Scott氏と、ニューヨーク大学からNYU Game CenterディレクターのFrank Lantz氏によるパネル「Building a Sport: The Design Philosophy of League of Legends」が行われました。

二人の掛け合いで進行していった本セッション、Lantz氏は「『League of Legends』って何なの?」と冒頭から鋭い質問で幕を開けます。咄嗟の答えに困ったScott氏でしたが、Lantz氏の「僕はチェス+バスケットボール+ポケモンだと思うんだよね」という指摘には納得の様子。つまり、確固としたルールが存在する協議で、バスケットボールのように身体能力が求められ、ポケモンのように覚えるべき(身に付けるべき)事が多いということです。

約2700万人のプレイヤーが毎日(!)遊んでいるという『League of Legends』のデザインに責任を持つというのは大変な重責です。その設計思想について問われるとScott氏は「最初にとにかくマスターするのが大変な深さを考える、次に皆に届くような遊びやすさについて考える」とコメント。その逆は失敗すると断言しました。ただし、「複雑性と奥深さは混同すべきではなくて、複雑性を増すと奥深さの探求が難しくなってしまう」とも述べています。

Lantz氏は『League of Legends』のような難しいゲームが世界で最も人気を集めているという点が興味深いと指摘。それに対してScott氏は、難しいからこその人気だと述べ「まだ『カウンターストライク』は沢山遊ばれてますよね? 人々の賢さや探究心は過小評価しない方がいいと思いますね」と語りました。『Starcraft』や『World of Warcraft』も決して易しいゲームではありませんでした。

eSportsとしても楽しまれているということは、本気のプロプレイヤーとカジュアルなプレイヤーが同居することに繋がります。Scott氏は「高レベルのプレイヤーが初心者の先輩役に回るとは考えてません。彼らは目的が異なるからです(勝つために遊んでいる)」とコメント。むしろプロとカジュアルなプレイヤーを分離するためにランキングなどの要素を活用しているとのこと。

本作はTwitch.tvなどで最も視聴されているゲームでもありますが、Riotには配信を専門に見ているチームもあるそうです。ただし、デザイナーとしては「見て楽しいゲームは、遊んで楽しいゲームと変わらないと思いますね」との意見のよう。Lantz氏は「Twitch.tvのチャットで操作されている6人目のプレイヤーを用意するのはどう? アイデア無料だよ」と茶々を入れていました。

ビジネス的な要素について考慮を入れているかという質問に対しては「5年間Riotで働いているけど、考えた事は全くないね」という答えでした。こう言い切れるところに『League of Legends』の強さはあるのかもしれません。

約1時間のセッションは満員で、eSportsや『League of Legends』に対する関心の高さを伺わせるものでした。
《土本学》
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