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完成披露発表会には、SCEJAの盛田厚プレジデント、ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ(SCE WWS)の吉田修平プレジデント、フロム・ソフトウェアの『Bloodborne』のディレクターであり取締役社長を務める宮崎英高氏が登壇しました。
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盛田氏は、「PS4のローンチから1年が経ち、ワールドワイドで2020万台を超える実売を記録しました。国内ではいよいよ2月3月で様々なタイトル群が出揃い、そのトリを務めるのが『Bloodborne』になります。」と始め、先月行われた台北ゲームショウでも評価が高く手応えを感じており、「ワールドワイドで戦える作品を日本から発売できることはとても嬉しく思っている。お待たせした分、非常に高い完成度に仕上がっている。」との自信を感じさせるコメントを伝えました。
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吉田氏は、「2009年にPS3で発売した『デモンズソウル』は、高い難易度と達成感、ユーザー同士でコミュニティ作りを楽しめるオンライン要素などを持ち、その後のゲームに大きな影響を与えPS3を代表するタイトルなりました。本作ではまた新たな挑戦として、世界中にいるフロムソフトウェアファン、宮崎さんファンを良い意味で裏切れる、PS4でなければ作れないものを目指して作ってきました。」とコメント。吉田氏自身も早くユーザーとプレイするのが楽しみだと期待を覗かせました。
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宮崎氏からは「『Bloodborne』はフロム・ソフトウェア初のPS4タイトルということもあり、開発には苦労をしましたが、なんとか完成にこぎつけることができました。本当にありがとうございます。」と開発時の苦労と感謝の言葉を述べ、「おぞましい体験を楽しんで欲しいと思っています。」とダークな世界観を持つ本作らしい言葉で締めくくりました。
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続いて、SCE WWSのプロデューサー山際眞晃氏と、SCEJA広報の北尾泰大氏が登壇し、デモプレイを披露。本作の舞台は獣の病がはびこる呪われた街、古都ヤーナム。プレイヤーは獣狩りの狩人として、鬱々としたヤーナムの街に巣くう獣と暗い謎に挑むことになります。
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本作のテーマは「未知の探索」、「死闘感」、「新たなオンライン体験」。この中でも「新たなオンライン体験」となるのが「聖杯ダンジョン」です。これは古都ヤーナムの地下にあるという遺跡で、冒険の過程で見つけた聖杯とアイテムを使い、儀式の祭壇で聖杯の儀式を行なって作成し挑むことになります。「聖杯ダンジョン」はゲーム内から他のプレイヤーが作ったダンジョンを検索できるほか、IDを入力することでフレンドと共有することも可能です。
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デモプレイでは、「聖杯ダンジョン」の「トゥメルの遺跡」に挑戦をしました。三層構造になっているダンジョンで、各フロアにボスモンスターがおり、最後のフロアのボスを倒すとクリアになります。プレイヤーの行く手には、はしごの上から攻撃してくる敵や両脇が崖になっており3つのペンデュラムが振り子のように揺れ動くエリア、さらにその正面から妨害するように毒ナイフを投げてくる敵、無限に敵を出現させる鐘を鳴らす女など、嫌らしい仕掛けや敵が目白押しでした。
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山際氏も開始3分でペンデュラムに直撃。崖下に転落し敵にやられてしまうなどの苦戦をしつつ、第一層のボスである「死体の巨人」の元へ到着しました。巨体のわりに俊敏な動きや攻撃を見せるボスに対し、果敢に攻撃を仕掛けるも半分削った辺りで再びやられてしまいました。山際氏は「自分たちも子どものように夢中になって遊んでいるので、この体験をいち早く皆さんに届けたい。」と述べました。
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続いて、北尾氏から新商品などの情報が発表。まず「狩人/ハンター」のフィギュアがMAMEGYORAIから2015年12月に発売予定、4月22日にはCD2枚組のオリジナルサウンドトラックが発売。また、昨日発表となっていた3月16日からは俳優の金子ノブアキ氏が『Bloodborne』をプレイする番組がテレビ東京系で放送となります。本番組のために10時間以上に及ぶ収録が行われ、金子氏が苦難にあえぎつつもがっつりプレイしている様子を観ることができるようです。
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会場には本作に登場する衣装や武器、巨大な敵のフィギュアに加え、ソニーストア限定で販売される「Bloodborne Limited Edition」なども展示。本作が持つダークな世界観を垣間見ることができました。特に武器は作中同様変形するギミックも再現。重厚感もあり非常に高いクオリティでした。
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発表会の後は公募された来場者向けの体験会を開催。来場者には本作のパッケージと同様のデザインのPS4用スキンシールと、必死に口を開けて今にも悲鳴を上げそうな死者の姿が可愛らしい「死者の付箋」がプレゼントされました。
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筆者も「トゥメルの遺跡」をプレイ。山際氏、北尾氏の叱咤激励を受けながらなんとか第一層のボスまで辿り着くも、つい調子に乗って攻撃してしまったところを返り討ちに遭いクリアならず。プレイをしていて感じたのは、ボスの強さもさることながら、フィールドの仕掛けと敵の配置が絶妙。トライ&エラーを繰り返すことが前提になっているような、初見殺しのトラップが随所に仕掛けられていました。ペンデュラムのエリアを抜け、辺りの敵を一掃して一安心していると、前述のとおり霧の向こうから毒のナイフを投げられたり、いざ「ボスに挑むぞ」と扉を開けた瞬間に体当たりを食らって3分の1ほど体力を持っていかれたり。とても簡単に死ぬことができるゲームですが、リスポーンポイントが近くにあるので、最初は上手くできなくても少しずつ自分なりの攻略法を見出して進めていくのは心地良かったです。
本作のテーマに「死闘感」とありましたが、ボス戦はまさにその様相を呈していました。ボスは見た目が巨大でも攻撃や動きが機敏で、攻撃パターンや範囲が異なる技を次々に繰り出すため、ダメージを受けてしまうのはある程度必須。ゆえに、プレイヤーは常に死と隣り合わせの、手に汗握る戦いを体験できます。さらに、相手の弱点攻撃や体力減少と共に血が噴出す演出もあり、体力ゲージ以外でも攻撃が効いていることが伝わりました。プレイヤーが返り血を浴びて血塗れになるのも激しい戦いを思わせます。
こうした高い難易度はもちろんですが、武器を切り替える、扉や宝箱を開ける、灯りをつける、アイテムを使うなど、ちょっとしたモーションの1つ1つが丁寧に描かれており、物の重さや質感まで伝わってくるよう。静かな遺跡内に反響するプレイヤーの靴音やどこからともなく聴こえてくる呻き声など、そこはかとなく不安感を煽るサウンドもおぞましく、陰鬱とした世界観を際立たせていました。
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筆者は到達できませんでしたが、第二層ではダンジョン内に明暗があったり、鐘を鳴らす女がどこにいるか分からなかったり、敵が一度に出現するトラップ床があったりと難易度はさらに上昇。第一層のボスやプレイヤー以上に機敏な回転技を見せるボスなどが出現し、プレイヤーを最高におぞましい体験に引きずり込んでくれそうな予感を感じさせました。
記事提供元: Game*Spark