このような形で『イングレス』は2012年11月に生まれ、2015年2月には世界200カ国、合計で1000万ダウンロードを達成。また、全体で1億5000万キロの距離が移動されたとのこと。これは地球から太陽までの距離に該当するということで会場を沸かせました。
新規性の多いゲームであったことから開発当初、ナイアンティック・ラボはこの作品の可能性はそこまで見えていなかったとのこと。しかし、アップデートを繰り返すことで、急速に広がりはじめ、日本でも昨年の夏以降、iOSサービスをはじめてからユーザーが急増し、今、日本はユーザー数が世界で1位か2位を争う程にまで成長しているとのこと。また、開発当初に生まれた「アウトドアで楽しめるエンターテインメント」というコンセプトは実際にユーザーに届いたとし、その例としてヘリコプターをチャーターして拠点を押さえようと試みた人やプライベートジェット、オートバイや車を改造するなどしてプレイするひとも現れたことを説明し会場の笑いを誘っていました。
また、開発時は、一般的なゲームと同様に15歳以上の男性ユーザーがメインユーザーだと想定していたものの、実際には老若男女、あらゆる年代の人たちがプレイしており、家族連れも多かったとのこと。これについては、本当に嬉しかったとハンケ氏。また、友達についても、「スペシャル」な友達を見つけたケースも報告。さらに結婚したひとも。
事実、カンファレンス前日におこなわれた、大規模公式イベント「Shonin~証人~」でもレジスタント陣営とエンライテンド陣営の間で出来たカップルがイベントにあわせて入籍したことが報告され参加者全員が文字通り「証人」となってそれを祝ったということも報告されました。
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更には結婚したカップルから赤ちゃんが生まれたという報告も届くようになったとのこと。このような赤ちゃんを「イングレスベイビー」と呼んでいるとのことです。また、83歳の車椅子に乗っている女性も子供たちがプレイしていることをきっかけに一緒にプレイをはじめ、毎日3キロ歩くようになったとのこと。結局2年間で1000キロを踏破したとのことです。この他にもダイエットに成功した人や『イングレス』がなければきっとやらなかったと思われる壮大なプロジェクトを達成したプレイヤーもいたとのことです。例えば2日で1600キロを移動する、ポータルを奪取するために山脈を踏破する、更には北米大陸を縦断する巨大リンクをつくるために、チームで小型飛行機をチャーターし、メンバーの1人をアラスカに送って重要拠点を奪取したチームなどとハンケ氏は紹介。
また、プレイヤーの中には、『イングレス』の紋章をタトウーにするひとも多数いたとのこと。なぜそこまでするのかチームで考え、彼らにとって『イングレス』はもはや生活の一部分を形成しており、その思いの深さがあるのではと結論づけたとのことです。この点はたしかに一般的なテレビゲームのムーブメントとは違いますね。
■ゲームと物語が融合した『イングレス』のデザイン