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Guerrilla GamesディレクターMark Norris氏は、『Horizon Zero Dawn』の“3つのキーワード”を語ります。まず1つめはその世界観。E3 2015でも『Fallout 4』や『Mad Max』といった「人類滅亡後の世界」を描いた作品が話題となっていましたが、本作のポストアポカリプス的世界の特徴として「人類滅亡から千年以上が経過している」「滅亡後の人類が初めて到達する場所」などが挙げられていました。人類が1からリスタートしたとも言えるこの世界観ですが、様々な部族や経済の概念も存在しているようです。
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2つめのキーは「機械生命体」。正式名称が明かされてないこの「機械生命体」は“マシーン”でも“ロボット”でもない固有の名称があるとのことですが、その呼称は世界に存在する様々な部族ごとに異なっています。海外コミックおよびドラマ「ウォーキング・デッド」においてゾンビが“ウォーカー”や“バイター”と呼ばれているのと同様、ちょっとした文化の差異があるようです。
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そして3つめはバリエーション豊かな「戦闘」のスタイル。披露されたデモセッションはE3 2015と同様の場面ではあったものの、起爆性のロープを地面に打ち出す“ROPECASTER”と呼ばれる武器を扱いながら、機械生命体たちを追い込み漁のようにハントしていました。Norris氏は『Horizon Zero Dawn』に登場する敵のほとんどが主人公“Alloy”よりもサイズ的に巨大であり、火力や数の面でも常に圧倒すると説明。ある種で原始的とも言える人類がハイテクノロジーな「機械生命体」に勝つためには、常に鋭いアイデアと智略が求められるようです。
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更に質疑応答においても興味深い情報が浮上します。Guerrilla Games開発チームは本作に至るまで、60ほどの新作アイデアを生み出していたのだとか。その中で最も開発困難なプロジェクトと考えられていたのが『Horizon Zero Dawn』であり、技術的な側面を踏まえた意味に加えて、シナリオに関わる重要部分を表すダブルミーニングになっているようです。
また、国内のみならず海外ユーザーからも頻繁に尋ねられるのが「マルチプレイ要素の有無」。Norris氏はCDPRの人気RPG『The Witcher』シリーズと“ゲラルト”の関係性を例としながら、「“Alloy”以外のキャラクターとして本作をプレイして欲しくない」と語ります。その一方で、開発チームの間では「同期的なマルチプレイも検討」しているともコメント。Norris氏は「これ以上喋るとクビが危ないので……」と苦笑を零しながらも、限界まで迫る濃密な質疑応答を続けます。
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2011年に本作の企画が立ち上がった際、既に「主人公は女性」「機械生命体が登場」「ポストアポカリプス」と言った要素が決定していたとのこと。そしてNorris氏は、原始的な世界で「女性が狩りをする」こと自体に深い意味はないとしながらも、彼女は「答えを求めるため」に狩りをしていく存在であると語ります。
同氏によれば、力強い女性主人公“Alloy”の人間性は、ゲームを進めるに連れ「人類の滅亡」「機械生命体の登場」と共に解き明かされていくのだとか。魅力的な世界観とミステリアスな物語、そして創意工夫に富んだ戦闘要素が持つ本作の大きなポテンシャルは、今後も多くのユーザーから注目を集めていくのではないでしょうか。
記事提供元: Game*Spark