何かと自分で作ることが好きな筆者のクリエイティブさの原点は、『マリオペイント』『デザエモン』『RPGツクール』『音楽ツクール』『パネキット』といったゲームたち。ゲーム上で自分の創作を表現するこれらのゲームは、たくさんの制限があるものの創意工夫でいろいろなことができました。未だに、キャラクターエディットをはじめとする「カスタマイズ要素」が多いゲームが大好きなので、根本的な部分は小学生から成長しておらず(笑)。
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というわけで、今回プレイするのは日本マイクロソフトのWii Uダウンロードソフト『MINECRAFT: Wii U EDITION』です。
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『マインクラフト』、まさかのWii U版配信。昨年末の発表から配信までの急展開には驚きました。Wii Uのゲームで「発売元:日本マイクロソフト」は非常にインパクトがあります(笑)。オープンワールドで、自由にモノ作りを楽しむ「サンドボックス」と呼ばれるジャンルの代名詞と言って過言ではないのがこの『マインクラフト』で、これまでにさまざまなハードやデバイスでリリースされてきました。創作好きな筆者ですが、コレまで手付かずのジャンル・タイトル。だってハマると危険じゃないですか(笑)。しかし、Wii U版リリースということでデビューを決意。初の「サンドボックス」、初の『マインクラフト』にチャレンジです。それでは、早速プレイしていきましょう。
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■楽しみ方が異なる2つのモードを搭載
『マインクラフト』には、アクションアドベンチャーゲーム要素が強い「サバイバルモード」と、自由にモノ作りを楽しむ「クリエイティブモード」、大きく分けて2つのモードがあります。広大な世界で自由にモノ作りをするという点では共通ですが、「サバイバルモード」はゲーム的な制限の中で、素材の収集や新たな道具やブロックの製作、敵との戦闘や探索などを楽しみます。
一方「クリエイティブモード」は無制限の世界。道具やブロックは自由に、無限に使用可能で、設定によっては敵も存在せず、ひたすらモノ作りを集中して楽しめます。イメージとしては「デバッグモード」に近いです。「クリエイティブモード」で温めた建築や装置のアイデアを「サバイバルモード」で発揮するもヨシ、広大な世界をとにかく自由に自分だけのオリジナルの世界に作り変えていくもヨシ…何をしても良いのが「クリエイティブモード」です。
■1人プレイならGamePadプレイも可能
Wii U版の大きな特徴として、1人プレイであれば、Wii U GamePadだけでのプレイにも対応している点が挙げられます。スマホなどに最適化された「ポケットエディション」というバージョンもありますが、家庭用据え置き機版がのんびりゴロ寝プレイできるのは、Wii Uならでは。ゆっくりと、じっくりとプレイしたい『マインクラフト』には向いているかもしれません。ちなみにテレビ画面に映した場合、オフラインなら画面分割で最大4人プレイが可能で、オンラインなら最大8人プレイが可能です。
今回はいつもの【そそれぽ】とちょっと違う感じで、製作日記風にお届け。「クリエイティブモード」で「巨大そそねこ像」作りに挑戦する『マイクラ』初心者の奮闘をお楽しみあれ。
■着工1日目 - そそねこリバティ島
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イメージはニューヨークの「自由の女神」。海に浮かぶ観光スポットのような「そそねこ(この連載のアイコンなどによく出てくるネコ的なキャラクター)」の巨大な像を作ることを目標にゲームスタートです。
まずは台座となる島作りから。広大な世界から最適なロケーションを探し出し、人工の島を作ります。ブロック同士が接していれば空中(水中)でもブロックを置いていけるのですが、謎のこだわりで、海底の地面からしっかりと積み重ねた島を作っていきます。
初心者ゆえにサイズ感がイマイチわからないものの、イメージとしては人も入れる「自由の女神」なので、それなりに大きくする必要があるだろうと、画面分割で嫁(そそねこのキャラクターデザイナーでもある)に手伝ってもらいながら、ひたすら人工の島を作っていきました。海底と海面に淡々とブロックを並べる作業。気付けば結構な時間が経っていました。時間を忘れてつい夢中でプレイしてしまう魅力があることを再認識。
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ちなみに島や像とは別に、嫁がやたら野生の動物たちを飼い慣らして連れてくるので、簡易的な牧場も設置。嫁、大満足(笑)。
■着工2日目 - ズタ袋感
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「このぐらいになりそう」という島のサイズ感が見えてきたので、土台となる島作りと並行して「巨大そそねこ像」の制作にも着手。人が入って登っていけることを想定しているので、特徴でもある“ひょろ長い足”は人が「ハシゴ」でギリギリ通れる3×3。このひょろ長い足が「像」のサイズの基準にもなってきます。
「クリエイティブモード」なので、使いたいブロックを遠慮無く使いまくり。「そそねこ」の色味を重視したブロックを選び、置き方を試行錯誤しながら丸みを出していきます。嫁いわく、「そそねこのお腹の“ズタ袋感”」は非常に大事なそうなので、ちゃんと再現できるように調整を繰り返しました。足と胴体までいけば、ある程度全体像が把握できてくるため、作業のスピードもアップ。
■着工3日目 - 手にはソフトクリーム
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胴体と頭のシルエットが形になったので、細かな作業に入っていきます。一番誤算だったのは、思っていたよりも1ブロックが大きくて、ブロックによる顔の表現が当初の想定通りできなかったこと。顔の正面の丸みを多少犠牲にして平面を作り、そこに1×0.5ブロックのブロックを顔の形に配置する手法に変更することで、なんとか、というより、思っていた以上に「そそねこ」の顔っぽくすることができました。
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「自由の女神」が手に持っているのは「たいまつ」ですが、ここは「そそねこ」らしく(?)ソフトクリームを持たせることに。嫁のアイデアによって、光とガラスなどを用いて、キレイなソフトクリームが表現できました。もう片方の手は、まぁ腰にでもあてとけばいいかという感じでほぼ完成に至りました。改めて見上げると、いやぁ、デカい!
■着工4日目
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「クリエイティブモード」では自由に空中を歩けるので、それを駆使して像を作っていったのですが、実際に地面を歩いて見る際にベストポジションで見られる場所がほしいなとふと思いたち、階段でのぼって、像を正面から見られる高台(塔)を作りました。壮観です。
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ちなみに、像の中にも入れるようにしたのですが、中身をどうするかアイデアが固まりきらなかったので、今回は保留としました。一応、キャスケットのツバの部分に出られるようにはなっています(笑)。今回の【そそれぽ】では、ここまででお許し頂きたい!
■オフラインマルチプレイで多少のラグ感
オフライン画面分割マルチプレイ時、1人がメニューを開くと、もう1人の方でも一瞬カクつきがあって、細かな作業を連続でしているときはちょっと気になりました。メニューを開く際は「メニュー開くよー」的な声掛けをした方が良いかもしれません。
■習うより慣れろ
チュートリアルは用意されているのですが、淡々とした説明が多くて、わかりにくい上、あまり面白いものとは言えません。初心者なのでもう少しチュートリアルがわかりやすく、ゲームとして楽しめるものであれば嬉しかったのですが…。わかりにくいチュートリアルをしっかりと確認するよりも、「習うより慣れろ」精神で、実際にゲームを遊び、自分で試行錯誤した方が『マインクラフト』を楽しむ早道かもしれません。
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他機種版のプレイヤーは乗り換えの利点があるか要検討!
Wii Uユーザーで『マイクラ』したかった人はぜひプレイ!
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昨今、数ある「サンドボックス」ゲームの原点的な存在となっている『マインクラフト』は、やはり歴史に残るであろう名作で、創作好きにはたまらないワクワクが無限に詰まっています。他機種版のプレイヤーは、Wii U版をあえてプレイする必要はないかもしれませんが、十分に遊べる「据え置き機版」なので、初めてマインクラフトをプレイしようと思っている人はWii U版で全く問題ないと思います。またGame Pad単体でのプレイなど「Wii U版の独自要素」が大きな魅力である感じたら、他機種版プレイヤーが新たに購入するのもありだと思います。
時間を忘れて試行錯誤したくなる不思議な魅力があります。今回プレイした「クリエイティブモード」では、ブロック単位のシンプルさで、どこまで表現できるかつい挑戦したくなる「創作魂」を刺激されました。
「クリエイティブモード」は本当にじっくりのんびりできるので、ある意味では『マインクラフト』の操作に慣れる「練習」にももってこい。「サバイバルモード」を楽しむ前にのんびり「クリエイティブモード」で「試行錯誤の練習」をしてみても良いかもしれません。
【こんな人にオススメ】
・創作が好きな人
・まったり、のんびりしたゲームがプレイしたい人
・『マイクラ』ファンで、Game Pad単体プレイに魅力を感じる人
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やっぱり、やり始めると止まらずに延々チクチクやってしまいました。試行錯誤も楽しく、初心者でも時間をかければ(今回は20~30時間程度)、それなりに思い通りのものを作れることが実証できたのではないでしょうか。
ハマる人は「クリエイティブ」「サバイバル」のモード問わず、延々プレイしてしまうと思います。筆者も、抜け出せなくならない程度に、せっかくデビューした『マイクラ』を今後も楽しんでいこうと思います!
【そそれぽ】第130回、いかがでしたでしょうか?2016年は、任天堂の「NX」がどんなプラットフォームになるのか、「PlayStation VR」でどんなタイトルが発表されるのか、ゲームの未来を感じられる1年になりそうな気がしています。ゲーム業界、ゲームプレイヤーにとって明るい1年にならんことを!次回もどうぞお楽しみに!
『MINECRAFT: Wii U EDITION』は、好評配信中で価格は3888円(税込)です。
(C) 2015 Mojang AB and Mojang Synergies AB. MINECRAFT is a trademark and/or registered trademark of Mojang Synergies AB.
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津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
作・編曲家・ライター。物心がつく頃にはMSXで『グラディウス』をプレイしていた無類のゲーム好き。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでニュース原稿執筆・ライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略シミュレーションゲームから格闘ゲームまで、幅広いジャンルのゲームをプレイ。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity
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