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人気シリーズの移植や新作など、ますます盛り上がるPS Vita向けの乙女ゲーム。PSPと比べて画面が大きくなり、スチルをより美しく楽しめるようになりましたが、新たに「トロフィー」が追加されたのも大きな変化でしょう。
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ゲームをプレイ中、さまざまな条件を達成すると獲得できる「トロフィー」。獲得条件の難易度などによって「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」といったグレードがあり、獲得したプレイヤーの割合に応じて「ふつう」「レア」「とてもレア」「超レア」といったレア度も表示されます。これにより、他のプレイヤーがどの程度ゲームをやり込んでいるのかが簡単に分かるようになっています。
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トロフィー機能が実装されて比較的日の浅い乙女ゲームというジャンルですが、プレイヤーの皆さんはトロフィーをどのくらい取得しているのでしょうか。今回は、おおよそ2015年に発売した作品を対象に調査してみました。私が個人的に所有しているものだけなので、ちょっと本数が少なめなのはご容赦ください。レア度は2016年1月末時点のもので、ユーザーのプレイ状況により変動している可能性があります。
トロフィーの中でも最高難易度のプラチナは、ゲームをとことんやりこんだ証。ゲームを遊ぶ上での大きな目標となりますが、その取得率は数%、とくに難しいものは1%を切るタイトルもあります。まずは、このプラチナのレア度について見てみたいと思います。
『AMNESIA World』 … 22.7%(レア)
『Code:Realize ~創世の姫君~』 … 45.3%(レア)
『男遊郭』 … 30.6%(レア)
『遙かなる時空の中で6』 … 6.6%(とてもレア)
『POSSESSION MAGENTA』 … 28.1%(レア)
『I DOLL U』 … 34.3%(レア)
『KLAP!! ~Kind Love And Punish~』 … 52.1%(ふつう)
『プリンス・オブ・ストライド』 … 18.4%(レア)
『レンドフルール』 … 17.8%(レア)
『スカーレッドライダーゼクス Rev.』 … 15.1%(レア)
『Goes!』 … 20.1%(レア)
『アンジェリーク ルトゥール』 … 1.2%(超レア)
全体的にプラチナの取得率はかなり高めとなっています。乙女ゲームでの取得条件は「特定のキャラクターとのエンディングを迎える」「特定のキャラクターのスチルを全て収集する」「第○話をクリアした」など、一通りゲームを遊ぶだけで手に入るものが多く、各攻略キャラクターのスチルをフルコンプするついでに獲得できてしまうのもプラチナの割合が高い要因でしょう。
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一方『遙かなる時空の中で6』『アンジェリーク ルトゥール』はストーリー閲覧以外にも達成しなくてはならない要件がたくさんあるので、プラチナ取得率も他のゲームと同様に低めとなっています。『遙かなる時空の中で6』はまだPSP版との併売だったのも多少関係しそうですね。
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さて、続いてはほとんどのタイトルに入っている「特定の攻略キャラクターとのエンディグを迎えた」「特定の攻略キャラクターのすべてのエンディングを見た」などのトロフィー取得率で、キャラクターごとに差は生まれているのかみてみましょう。
パーセンテージの最も高いものと低いものの差をみてみたところ、『AMNESIA World』は約7%、『Code:Realize ~創世の姫君~』は約8%、『男遊郭』は約20%(祝言エンドで比較)、『遙かなる時空の中で6』は約14%、『POSSESSION MAGENTA』は約2%、『I DOLL U』は約14%、『KLAP!! ~Kind Love And Punish~』は約8%、『プリンス・オブ・ストライド』は約6%(ストライクエンドで比較)、『レンドフルール』は約24%(愛情エンドで比較)、『スカーレッドライダーゼクス Rev.』は約1%(ボーナストラックで比較)、『Goes!』は約15%(トゥルーエンドで比較)、『アンジェリーク ルトゥール』は約12%(恋愛エンドで比較)となりました。差がそれなりにあるケースから、一部のキャラクターだけを遊ぶユーザーが一定数いるということが伺えます。
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『男遊郭』『レンドフルール』『Goes!』『アンジェリーク ルトゥール』など、攻略時になんらかの制限がかかっているキャラクターのクリア率はやや低くなっている様子。そして、ちょっと気になるのは『AMNESIA World』『男遊郭』『POSSESSION MAGENTA』『レンドフルール』『プリンス・オブ・ストライド』『I DOLL U』などは、トロフィーの並び順で最初に来るキャラクターのクリア率が少し高めなんですよね。
もちろん人気もあるのでしょうが、ここに並ぶのは公式サイトなどでも1番最初に紹介されているキャラクター。雑誌の表紙やパッケージなどでも目立っていますし、プレイするユーザーの割合もちょっだけ多いのかもしれません。ざっくりとした印象ですが、雑誌や公式サイトで行われた人気投票などと見比べて、必ずしも人気のあるキャラクターとトロフィーでのクリア率が比例するわけではなさそうなのが面白いなと思いました。
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一方でキャラクターの選択に制限はあるものの、『Code:Realize ~創世の姫君~』『KLAP!! ~Kind Love And Punish~』はあまり顕著な差は出ていません。さらにキャラクターごとのエンディングに関するトロフィーに加え、画像コンプリートのトロフィーも約70%と非常に高くなっています。プラチナの取得率も約50%ですから、万遍なくやり込んだユーザーの多いタイトルといえそうです。
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今回、いくつかトロフィーの項目をチェックしてみて、キャラクターそのものの人気やインターネット上の感想とは一味違う結果がみえてきそうな気がしました。しかし、ここで気になるのが「はたして乙女ゲームを遊んでいるユーザーのうち、どの程度がPSNのサーバとトロフィー情報を同期しているのか?」という点です。
というのも、まだまだ乙女ゲームはさまざまな特典付きのパッケージ販売が主流ですし、他のジャンルと比べてDLCやアップデートはそう多くありません。インターネットにつなぐ理由がほとんどないため、取得していてもそれがきちんと反映されているのかどうかは疑問が残ります。今後もますますPS Vita向けの乙女ゲームは増えていくので、もっとトロフィーを意識したユーザーが増えてくれるのを願いつつ、今後の動向にも注目していきたいと思います。
トロフィーの確認方法や同期のやり方は公式サイトに掲載されていますので、気になった方はぜひチェックしておいてください。
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