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新米のツクモガミ「ツクモ」を一人前の「めがみ」になれるよう導く3DSソフト『めがみめぐり』は、ツクモとの多彩な会話を楽しみながら日本全国を回る、ユニークなコミュニケーションゲームです。
本作には様々な特長が備わっており、感情表現に磨きをかけた音声合成技術「めがみスピークエンジン」により、教えた言葉やプレイヤーの名前も流暢に読み上げてくれます。“長音”や“スペル”も読み上げ、また読み仮名を指定することも可能。発音が違っていた場合も、正しいものに促すことができるので、ツクモとの会話がより自然な形で楽しめます。
この「めがみスピークエンジン」の実力や本作の基本的な部分に関しては、これまで何度もお伝えしてきましたが、このたび本作の製品版をプレイする機会に恵まれたため、マスターアップを迎えた本作のプレイレポートをお届け。今回は、これまで触れることの出来なかった全体的なゲーム進行やICカードとの連動、課金要素などを中心に迫ります。「めがみスピークエンジン」などに関する部分は、関連記事をご覧ください。
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プレイヤーが持つ交通系ICカードに宿った、新米のツクモガミ「ツクモ」。彼女の願いは、一人前の「めがみ」になること。その願いを叶えるためには、「七柱のめがみ」と呼ばれる「先輩めがみ」たちの元を訪れ、認めてもらう必要があります。その「七柱のめがみ」と出逢って「神格試験」を受けて合格することが目的となり、そのためにツクモを育成し、日本全国9,000以上の駅を結ぶ広大なマップを巡る旅にゲーム内で出かけることとなります。
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ツクモとのコミュニケーションの基本は、「会話」です。新しい言葉を覚えていくことで、神格試験の合格に必要なパラメータがアップするのはもちろん、やり取りが広がりを見せていき、会話そのものの楽しさが広がります。仮にまったく架空の言葉を教えても覚えますし、実際に発音も可能。もちろん、プレイヤーの名前も呼んでくれます。また余談ですが、「ツクモ」の名前も変更可能なので、お気に入りの名前を付けるのも一興でしょう。
先輩めがみの出す「神格試験」の合格が、基本的なゲーム内の目標となります。しかしこの神格試験、受けるためにもいくつかの条件が。まず、先輩めがみに捧げるための「お供え物」を入手し、そして「おしごと」をこなす必要があります。
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「おしごと」は、絵馬に描かれたニンゲンの願いを、ツクモとプレイヤーが協力して叶えることでクリアとなります。メニュー画面の「カミダナ」からおしごとを受けることが可能。ツクモのパラメータは言葉を覚えることでも上昇しますが、このおしごとをクリアすることでも上がります。
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実際にプレイして受けたおしごとに、「お金がモーレツにもうかりますように!!」というものがありました。このクリア条件は、指定された場所で「おさい銭を15枚奉納する」というもの。指定された場所をマップ上で示してくれているので、目的地探しで迷うことはありませんでした。また目的地までのルートはプレイヤーに委ねられているので、目的があると言ってもその他のことを優先しつつ進むこともできます。
こういった通常のおしごとが描かれた絵馬だけでなく、神格試験に合格できるパラメータに近づきつつあると、金色の絵馬というものが登場します。この「金色の絵馬のおしごと」を3つクリアすることで、神格試験を受ける条件が整います。
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そのため本作の大まかな流れは、「会話やおしごとなどでツクモのパラメータをアップ」させながら、「マップ上に置かれているお供え物をゲット」、そして「金色の絵馬のおしごと3つ」をクリアして神格試験に挑む、というサイクルになります。なお、神格試験をクリアできるパラメータは「7分咲き」が目安とのことです。
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パラメータの成長もイベントの発生もおしごとのクリアも、全てはマスに止まらなければ始まりません。その意味で重要なのは、マスを進むための「サイコロ」の存在。サイコロを振ってマスを進むことで、ゲームが進行していきます。
本作は、基本無料のアイテム課金制。しかしこの「基本無料」というスタイル、どこまで無料で遊べるのかはゲームタイトルによってまちまちです。ほぼ自由に遊べるものや、課金もしくは時間経過で回復するリソースを消費する「スタミナ制」、一定範囲まで楽しめるけどそこから先は有料、といったものまで様々あります。
では、本作に置ける課金要素がどうなっているかと言えば、まずこの「サイコロを振る」という行為に関しては一切の制限がありません。何度振ろうとも支払うリソースはなく、イベントや会話をこなすたびに自由に振ることが可能。ツクモとの旅は、プレイヤーが止めない限りずっと続いていくのです。
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関連要素として補足すると、サイコロで好きな目を出したり、一定距離をジャンプして進む機能もあり、これらを利用するためには「おさい銭」が必要です。このおさい銭は、課金で入手できる「宝玉」から変換することもできます。スゴロク形式で進むゲームのため、狙ったマスに止まりたい時や、遠い場所に行きたい時などには、おさい銭を使った移動はやはり嬉しいもの。
ですが、おさい銭はゲーム内で入手可能。おさい銭がもらえるマスもありますし、後ほど紹介する交通系ICカードとの連動ボーナスでも結構な額が手に入ります。人によって交通系ICカードの利用率は異なりますし、1,000枚かかる「都道府県ジャンプ」を多用しないと時間がかかる局面なども後々あるかもしれないので一概には言えませんが、「移動のたびにおさい銭を使いたい!」というプレイならばともかく要所要所で使う程度ならば、やりくりもそこまで難しくない印象を受けました。
■移動時に使用できる機能と必要なおさい銭
・サイコロの好きな目を出す:50枚
・シンボルジャンプ:200枚
・八地方ジャンプ:300枚
・都道府県ジャンプ:1,000枚
・サイコロの好きな目を出す:50枚
・シンボルジャンプ:200枚
・八地方ジャンプ:300枚
・都道府県ジャンプ:1,000枚
ちなみに今回は、約2時間プレイさせていただきました。最初からおさい銭「10,000枚」と「宝玉20個」を持った状態でのスタートでしたが、交通系ICカード連動でもらった「4,400枚」だけで、要所要所の移動は事足りました。最初の連動だったので多めでしたし、個人差もあるかと思いますが、ひとつの目安として記させていただきます。
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リアルマネーで「宝玉」を購入することが可能ですが、ではこの宝玉で何ができるのか。前述した通り、おさい銭にして使うことが可能ですが、このほかにも「神衣の入ったつづらを開ける」「試験やもののけ退治などのコンティニュー」が可能です。
「神衣(しんい)」とは服やアクセサリーなどの衣装のことで、ツクモのパラメータを底上げしたり、特別な効果で御利益をもたらしてくれるもの。その恩恵を受けるためには、ツクモに着せる必要がありますが、実際に見た目が変わるのも嬉しいポイントのひとつと言えます。
神衣ごとに上がるパラメータやご利益は異なっているので、状況に合わせて着替えるとゲーム進行はよりスムーズに。神衣の種類があるほど様々なシチュエーションに対応できますし、好みの見た目もチョイスしやすくなるため、少しでも多く欲しいというのが人情でしょう。
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この神衣を入手するには、「つづらマス」に止まってつづらを開けるか、メニュー画面の「カミダナ」にある「高級つづら」を開けることで入手可能。「つづらマス」に止まったらそのまま開けることができますが、「高級つづら」を開ける場合、宝玉を5消費する必要があります。またつづらを開けた後、追加で更につづらを開けたい場合も宝玉が必要です。
ちなみに、既に持っている神衣を入手することもありますが、その時は神衣のレベルが上がり、パラメータがより上昇します。最終的にどこまで大きな数字になるかは分かりませんが、より多くの、よりレベルの高い神衣を持っている方がスムーズにゲームを進められるのは間違いなさそうです。反面、のんびりとプレイできるという方ならば、神衣にあまり拘らず楽しむことができるでしょう。なお、「コレクターズ・パッケージ」には、ここでしか手に入らない特別衣装5着と宝玉20個が含まれているので、これらを目的に購入を検討してみるのも一興でしょう。
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「Suica」や「PASMO」をはじめ、日本全国10種類の交通系ICカードと連動する『めがみめぐり』。そのユニークなポイントにも注目が集まっていましたが、その詳しい内容は明かされていませんでした。ですがこのたび、その魅力の一端にようやく触れることができました。
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交通系ICカードを読み取ることで、利用した履歴に応じたボーナスとして、おさい銭や、パラメータ上昇に一役買う「食材」などがもらえます。例えば、「利用回数」で100枚、「初めての駅」で500枚がもらえるというもの。このほかにも、「10回ごとに利用した駅」のチェックや、交通だけでなく買い物での利用もボーナスの対象になる模様です。
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またゲーム内アイテムだけでなく、ツクモと特別な会話が楽しめるのもポイント。実際にプレイした時には、新宿駅を利用した履歴があったため「新宿駅に連れていってくれたんですね」といった会話が。また、仕事で訪れたと答えると「何という会社に行ってきたのですか?」と質問を受け、ここで言葉を入力。ツクモとの会話が楽しめたうえにパラメータも上昇しました。
ちなみに利用する交通系ICカードは登録制となっており、10枚まで登録可能。11枚目を登録すると、1枚目の登録が消去されるのでご注意を。また、同じ種類のカードの複数登録も可能なので、「Suica2枚持ち」という方もご安心を。利用履歴が長すぎると確認できなくなるため、ある程度こまめに連動するのが吉と言えます。
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ボーナスがもらえるという嬉しい連動要素。おさい銭は移動に役立ちますし、またハードルは少し高めですが、10,000枚で「高級つづら」を開けることもできます。通勤・通学で交通系ICカードを利用する人ならば、毎日の移動も楽しくなりそうな要素です。なお、3DS/LLを使用しているユーザーでも、3DS/LL専用のNFCカードリーダー/ライターがあれば、交通系ICカードの連動が行えます。
今回のプレイで分かったポイントが多かったため、個々の要素に絞って紹介しましたが、この他にも全体的なプレイを通した印象にも触れさせていただきます。
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まずはなんといっても、ツクモの可愛さです。容姿はもちろんこと、多彩な表情や仕草についつい引き込まれがちに。同行してくれるアマテラスとの軽快なかけ合いも、旅をいっそう楽しませてくれる一因になっており、いつまでも見ていたいと思わせる魅力がそこにありました。
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スゴロク部分に関しては、路線図に加えて間を埋めるマスもあり、そのため分岐路が数多く、移動先の選択がやや煩雑に感じる一面も。テンポが崩れるほどではありませんが、もう少しスムーズだったらより快適だったろうなという印象を受けました。
マスによって発生するミニゲームや「もののけ退治」などは、ルールは誰でも分かる単純明快さでありながらも、つまらない・退屈という感覚はなく、ほどよく頭の体操になる感じです。ゲーム内で教えた言葉がミニゲームに登場するというのも、ちょっと刺激的な体験でした。たまに「この文字から始まる言葉、なんだっけ……?」と頭を悩ます場面も。
■『めがみめぐり』ツクモの成長に一役買う「ミニゲーム」をご紹介! 教えた言葉が評価の鍵に
URL:http://www.inside-games.jp/article/2016/11/28/103763.html
URL:http://www.inside-games.jp/article/2016/11/28/103763.html
サイコロでの移動は、人によってはもどかしく感じる方がいるかもしれません。狙い通りのマスに止まりたい場合は特に。とはいえ本作では、おさい銭を使うことで好きな目を出せるので、ここぞという場面で使うようにしていけば、さほどストレスにはならないかと思います。交通系ICカードでの連動ボーナスがもらえれば、更に快適に楽しめることでしょう。「神格試験を次々とクリアしたい!」という場合のみ、多くのおさい銭が必要かもしれません。
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神衣の件も含め、「色んなことを早く楽しみたい」「早くクリアしたい」という方は課金要素も多めに活用し、「のんびり楽しめる」という人は連動ボーナスなどを併用しつつ少しずつ進める。そんなプレイスタイルに分かれていくように感じた『めがみめぐり』プレイでした。
この「のんびり」というスタイルも、スタミナ制といったゲーム面での制約ではなく、あくまでプレイヤー主導でその程度を左右できるのも本作の魅力のひとつ。帰宅して一日の終わりにプレイするもよし、電車を乗り継ぐ待ち時間で5分だけプレイするもよし。お好みのスタイルで楽しめるのも嬉しいポイントです。配信および発売まであとわずか。「あらかじめダウンロード」も開始されているので、ツクモと旅を楽しむ準備を整えておきましょう。
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こちらは、他のプレイヤーによるツクモたち。2時間という限られたプレイ時間の中でも、これだけの違いが見られました。みなさんも、ツクモを自分好みに育ててみませんか?
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『めがみめぐり』は2016年12月8日配信予定。ダウンロード専用ソフトで、価格は基本無料のアイテム課金制です。また、「コレクターズ・パック」(5,800円 税抜)とイーカプコン限定版「めがみめぐり COMPLETE EDETION」(9,800円 税抜)が同時発売されます。
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