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【プレイレポ】胸と目頭が熱くなる『School of Talent: SUZU-ROUTE』―三木一馬氏監修ラブコメノベル

2017年2月23日に発売された、MyDearestが開発・販売を行うPC向けタイトル『School of Talent: SUZU-ROUTE』。熾才能(タレント)と呼ばれる特殊能力を持った人物のみが入学できる神影学園を舞台とした、ラブコメのビジュアルノベルタイトルのプレイレポをお届けします。

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2017年2月23日に発売された、MyDearestが開発・販売を行うPC向けタイトル『School of Talent: SUZU-ROUTE』。熾才能(タレント)と呼ばれる特殊能力を持った人物のみが入学できる神影学園を舞台とした、ラブコメのビジュアルノベルタイトルのプレイレポをお届けします。

まず、本作は執筆時点で898円という格安でSteamで販売されているにも関わらず、主要キャラクターはフルボイス、OP/ED曲まで制作されており、さらにシナリオ監修として、『とある魔法の禁書目録』など人気作の担当編集を努めた三木一馬氏が起用されています。本作は日本語音声・テキストで楽しめますが、テキストのみ英語、中国語、ポルトガル語にも対応しています。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

プレイヤーの分身とも言える主人公、櫻井孝太郎は、特殊能力である「熾才能」保有者のみしか入学できない神影学園の文化祭に遊びに行き、くじ引きをしたところ、1億分の1という確率で、唯一の「熾才能」無保有者の特待生として入学。開校以来初の出来事として大きく注目され、文化祭から家路につく時には既に外は真っ暗に。一躍有名人となってしまった主人公は、人目を避けるためバスに乗らず徒歩で帰宅する途中、丘の方から聞こえてくる歌の方へと足を向け出会ったのが、本作のヒロインでもある結城鈴(ゆうきすず)。

彼女は雪の降る神秘的な銀世界で、透き通る歌声を響かせながら歌う女神そのもの。主人公に気が付いた彼女は咄嗟に走って逃げていってしまいますが、落としたパンフレットは神影学園の内部進学生用のもの。つまり彼女は「熾才能」保有者だったのです。

学内では「熾才能」の能力や習熟度に応じて、超級者(マスター)、上級生(エキスパート)、中級性(シニア)、初級性(ルーキー)の4つに分かれているシステム。そこに、主人公の無才能(タレントレス)が例外的に追加されています。また、ランクの高い方が白百合寮、低い方が黒薔薇寮に入寮することになり、必然的に白百合と黒薔薇の対立が生まれてしまっています。

主人公はいわゆる一般人枠。ただし後半で「開花する可能性がある」と明かされる

登場する人物はどれも個性的で、幼馴染の加藤晴(かとうはる)、超ドMド変態の一ノ瀬茉優(いちのせまゆ)、姉御肌の明智薊(あけちあざみ)といった女性陣だけでなく、御曹司像をそのまま描いたような神宮寺司(じんぐうじつかさ)、エロ全開の大竹(おおたけ)など、個性的なキャラクターがストーリーにきっちりと絡み合ってきます。作中では無才能である主人公が、黒薔薇寮のメンバーに愛されながらも、白百合寮長である結城鈴の事を好きになってしまい四苦八苦する姿や、白百合と黒薔薇の対立をなくすために動いたり、学内イベントで発生する様々な事件などを通して、波乱万丈の学園生活が楽しめます。

左から加藤晴、結城鈴、一ノ瀬茉優

主人公一筋で全く止まらない茉優

選択肢は1箇所ありますがシングルエンディング方式で、基本的にはシナリオの展開を何も考えずに楽しむことができるため、ビジュアルノベルに慣れたユーザーは少し物足りなさを感じるかもしれません。しかし、一方でシナリオの濃さや展開の仕方などはこの価格帯とは思えぬ仕上がり。テキストには必要に応じてふりがなが付いているなど、不便な点もあまり感じません。メーカーによると大体4~6時間でプレイができるとのことでしたが、筆者はざっと通して3時間ほどでプレイしました。

作品のアプローチとして、中盤以降からヒロインと主人公を影で支えてくれる多くのキャラクターとの心情の交わり、主人公やヒロインを襲う悲痛なまでの出来事で胸や目頭が熱くなりました。さらに、要所要所で随時ねじ込まれる、茉優の「愛人にしてください!」を始めとするドMキャラ発揮や、大竹のエロに繋げていく熾才能、晴と茉優の主人公争いなど、R指定が付かない程度のエロネタもクスッとできるような印象がありました。また、鈴の歌がテーマの1つとしてあるため、冒頭からアカペラの楽曲が挿入されていくなど、なかなか取りにくいアプローチが積極的に取られているのも好印象です。

結城鈴との夏祭りも楽しめる

一方で気になった点としては、イヤホンやヘッドホンでプレイしていると気になる程度ではあるものの、アカペラやボーカル入りの楽曲では若干のボーカル処理の甘さが目立っており、テイクの継ぎ目がノイズによってわかってしまう部分がありました。また、ボイスも同様にばっさりと切りすぎているイメージがある部分もあり、丁寧な収録やミキシング、マスタリングが施されていればさらに良くなっていたと感じますが、価格を考えれば価格相応以上の仕事をしているのは明らかなため、少し酷かもしれません。冒頭の鈴が歌うシーンでは、突然テキストがウェイトなしで操作不能状態で流れていったりと、ユーザーに不親切な点はいくつか見受けられました。

使用されているCGはギャラリーで見れるだけでも28枚あり、差分を利用したものも見受けられますが、表示されていないものも多くあるため、実際はもっと多く収録されているようです。ギャラリーに関してはゲーム内での使用順ではないため、このあたりもストーリーに沿った順番だと良かったのではないか思います。

今後の『School of Talent』シリーズに関しては言及されていませんが、本作はあくまでも「鈴ルート」のため、他のキャラクターのルートも楽しめることを期待します。

『School of Talent: SUZU-ROUTE』は、現在Steamで898円で販売中です。
《kuma》

kuma

作詞家/作編曲家/元Esports競技勢。FPS、アクションRPG、シミュレーター系が主食。ハードウェア・ソフトウェアレビュー、インタビューなどをやっています。

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