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『星のカービィ』も25周年を迎えたということで、気がつけば実にたくさんのキャラクターたちが登場しています。最初はシンプルなアクションゲームだった本シリーズですが、作品を重ねるごとにいろいろな事情を持ったキャラクターたちがカービィの前に立ちはだかったり、あるいは仲間として現れます。
今回は多数の作品の中から、カービィが仲良くなったお友達(?)を10項目に分けて紹介します。もはや彼・彼女たちも『星のカービィ』を語るうえでは外せない大きな存在になっていることでしょう。
※注意事項
この記事には『星のカービィ』シリーズのネタバレとなる情報が含まれています。
この記事には『星のカービィ』シリーズのネタバレとなる情報が含まれています。
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ゲームボーイ『星のカービィ』の最初に登場するザコ敵だった「ワドルディ」。特にこれといった能力もなく、ただただカービィに吸われて星型弾となる哀れなキャラクターでした。
しかし、ほとんどの作品で登場することからか、あるいは印象的なせいか、どんどん立場が変化していきます。巨大な「ビッグワドルディ」が登場したり、あるいは金色になったりメカ化したりと、単なるザコ敵とはいえない出世を遂げていきます。
そして『星のカービィ Wii』からはメインのプレイアブルキャラクターへ昇格。バンダナをつけた「バンダナワドルディ」は準レギュラーのようなキャラクターになり、さまざまなシーンでカービィのサポートをする仲間に。また、角川つばさ文庫の児童向け小説シリーズではカービィの親友にすらなっていたり、ワドルディのグッズもたくさん登場していたりと、今やすっかり人気キャラクターとなりました。
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カービィの仲間と言えば『星のカービィ2』から登場した「リック」「カイン」「クー」、そして『星のカービィ3』から登場した「ナゴ」「チュチュ」「ピッチ」を忘れてはなりません。彼らは最初からカービィを助ける仲間として出演しています。
陸を走るのが得意なハムスターのリック、海ならおまかせマンボウのカイン、そして空をかけるフクロウのクーで陸海空を制覇。さらに連続ジャンプができる三毛猫のナゴや、かわいいピンク色をしつつも謎の生物であるチュチュ、さらに戦い方が独特な小鳥のピッチも追加され、たいへん賑やかなファミリーとなりました。
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カービィのコピー能力は彼らと組み合わせるとさまざまな変化を起こすので、同じコピー能力でも違った使用感になるのが魅力のひとつです。最近はあまり出番のない彼らですが、Nintendo Switchで発売予定の『星のカービィ』新作タイトルのトレーラーでは、ナゴがこっそりと出演していたりします。彼らが再び活躍する時も来るかもしれません。
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『星のカービィ2』で初登場し、『星のカービィ3』では2P側のプレイアブルキャラクターになった「グーイ」。黒くてまぬけな顔や長い舌が特徴の少し不気味なキャラクターですが、カービィたちとは仲が良く大切な仲間のひとりです。
しかしながら、やはりその出自には大きな秘密がある模様。『星のカービィ3』ですべてのハートスターを手に入れラスボスに挑むと、グーイがダークマター族と大きな関係があるらしいことが確認できます。実は意外と謎多きキャラクターなのかもしれません。
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謎が多いと言えば「メタナイト」を忘れてはならないでしょう。『星のカービィ 夢の泉の物語』で初登場した彼ですが、とにかくどういう人物なのか謎です。突然現れて無敵キャンディーをくれたと思いきや、部下であるメタ・ナイツをけしかけてきたり、あるいは自身がボスとして戦いを挑んでくるのですから。
しかも彼を倒すと一瞬だけ仮面が外れ素顔が見えるわけですが、それもまた気になるところ。メタナイトの素顔はカービィにそっくりで、ほとんど体の色が違うだけなのです。はたしてカービィの敵なのか味方なのか、あるいは兄弟なり親戚なのか……。そう悩まされた過去もありました。
一時期はカービィと対立していたメタナイトですが、今ではすっかり仲間になってしまっています。プレイアブルキャラクターになることもしばしばありますし、仮に戦うにしてもなんらかの理由があってのこと。実は甘いものが好きで夜中にパフェを食べていることもバラされ、謎多き設定はどこへやら、すっかり丸くなってしまっています。いえ、体はもとから丸いんですが。
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ゲームボーイ『星のカービィ』のラスボスである「デデデ大王」。メタナイトと同じくちょくちょくカービィの仲間になることもありますが、やはり“カービィのライバル”といえば彼が思い浮かぶことでしょう。
最初はプププランドの食料をすべて奪ってしまう大悪党でしたが、『星のカービィ 夢の泉の物語』ではスターロッドを隠しナイトメアを封印しようとしていたり、『星のカービィ トリプルデラックス』では巨悪に立ち向かうためカービィのアシストをしたりと、意外と大王らしい一面も。ただし、スピンオフ作品ではラスボスとして立ちはだかることも多く、ライバルとしての存在感はしっかりと残っています。
ただし、ライバルだからこそ不遇な扱いになることも……。『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』ではケーキを盗んだ犯人だと断定されてしまっていますし、悪者に操られる“前座”となることもしばしば。もっとも、デデデ大王本人はそんなことを大して気にしていないでしょうが。
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“最初は敵だったけれどもいつの間にか仲間になったキャラクター”といえば「アドレーヌ」もいます。『星のカービィ3』でボスキャラクターとして初登場していましたが、続編となる『星のカービィ64』ではカービィと一緒に冒険をする仲間に。描いた絵を実体化する能力などでサポートをしてくれます。
描いた絵を実体化するボスといえば『星のカービィ 夢の泉の物語』に登場した「ペイントローラー」を思い出しますが、何か関係があるのか気になるところ。また、『星のカービィ』シリーズ全体を通していかにも人間らしいキャラクターというのは珍しく、そういった意味でも印象に残る存在です。
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『星のカービィ スーパーデラックス』内の「銀河に願いを」は、太陽と月が大喧嘩してしまい、昼と夜がメチャクチャになってしまうことから物語が始まります。困り果てていたカービィたちの元に現れたのが、ボールに乗ったピエロのようなキャラクター「マルク」です。
マルクによれば、銀河の果てにいる大彗星「ノヴァ」にお願いすればこの大喧嘩による問題が解決するそうな。カービィはそれを聞きさっそく旅に出るわけですが、まさかこれらがすべてマルクによって仕掛けられた罠だとは。『星のカービィ』シリーズ史上で1・2を争う大悪党と言えるかもしれません。
ボスキャラクターとしての印象もかなり強く、かわいらしかった姿から羽根が生え悪魔のようになるのも恐ろしいところです。『星のカービィ ウルトラスーパーデラックス』では「マルクソウル」というさらに変異した姿で登場、かわいらしさとは無縁の存在になっています。
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「タランザ」は『星のカービィ トリプルデラックス』で登場したクモのようなキャラクター。デデデ大王を地上の勇者であると勘違いし誘拐した悪党で、プププランドを征服しようとするクイン・セクトニアの手先として働いていました。
基本的に悪いヤツであることは間違いないのですが、忠誠を誓っていたセクトニアが乱心してしまったことや、最終的にセクトニアを裏切ったことなどを考えると、背後にはかなり複雑な事情がある模様。『星のカービィ』25周年公式Twitterアカウントで公開されたイラストには哀愁を感じます。
今日は七夕ですね。
— 星のカービィ25周年 (@Kirby25thJP) 2017年7月7日
あのひとに会いたい…。そんな願いを1年に一度だけ叶えてくれるなんて、ロマンチックな日ですよね! pic.twitter.com/TubkkMzgxR
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先ほどの七夕イラストでタランザと一緒に描かれていたのが、『星のカービィ ロボボプラネット』に登場した「秘書スージー」。彼女はポップスターを侵略しにきたハルトマンワークスカンパニーの社長秘書で、当然ながらカービィに戦いを挑んでくる悪役です。しかしながら、やはりその影には悲しい過去が……。
実を言うとスージーは、ハルトマンワークスカンパニーの社長であるプレジデント・ハルトマンの実の娘なのです。プレジデント・ハルトマンの娘はとある事故で行方不明になっており、しばらくした後になぜか秘書として父親の元へ戻ってきています(ハルトマンは気づいていない模様)。ふたりの間に何があったのか気になるところですが、娘は父親のことを忘れてはいなかったようです。
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『星のカービィ Wii』に登場した「マホロア」は、なぜだかわかりませんがやたらと人気があります。さまざまなグッズとしても登場しておりシルバーのペンダントになったことすらありますし、『みんなで!カービィハンターズZ』ではさぞ当然のように店をやっていたりします。
しかしながら、その悪どさはマルクに匹敵するほど。マホロアは、宇宙船が壊れてしまったがためにポップスターへ不時着しカービィたちに助けを求めた……ということになっていますが、それはほとんどウソ。本当はランディアの守護するマスタークラウンを奪い世界を支配することが目的であり、そのためにカービィたちを利用していたのです。
タランザやスージーとは異なり本当に擁護のしようのない悪党で、ゲーム中でもカービィに対して厳しい言葉遣いをすることもあるくらいです。しかし前述のように人気のあるキャラクターでもあり、怪しげな雰囲気はあるもののカービィの友達のように振る舞っています。
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カービィは25年間も活躍を続けているため、気づけばお友達(?)もたくさん増えました。これからも冒険を繰り広げ、さらなる交友関係を広げていくことでしょう。……それにしても、改めて見てみるとけっこう物騒なお友達が多いですね。