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『Cytus』『DEEMO』『VOEZ』を手がけたRayarkの最新リズムゲーム『Cytus II』。プレイ方法には、前作『Cytus』の直感的でシンプルなアクティブスキャンライン方式を採用。ビジュアル面やストーリー面でも大幅な進化を遂げ、楽曲の多様性ではRayark歴代最高を記録。Rayark自慢の最高傑作とまで銘打たれている本作のプレイレポートをお届けします。
◆プレイヤーに確かなやりごたえを感じさせる「アクティブスキャンライン方式」
本作では、アクティブスキャンラインと呼ばれる、画面を上下に往復している白い横線と、曲に合わせて出現するノーツが重なった瞬間にタップしていく、というプレイ方式を採用しています。登場するノーツは「タップ」「スライド」「フリック」「ホールド」「往復ホールド」の5種類で、上から下に降りているときにタップするノーツは青、下から上に昇っているときにタップするノーツは緑といった感じで色分けされています。
YouTube:https://youtu.be/YuPAPsVSplI
普段からタップ位置が固定のリズムゲームしかやっていなかった筆者は、初めこのプレイ方式に苦戦。画面全体に目を向け、次のノーツがどこに出るか、何のノーツか、色はどうなっているか、スライドの方向は、等々の情報を整理するので精一杯。コンボも40ぐらいで途切れたりしてました。
ただ、本作にはスタミナやライフゲージ的な要素がないため、何回でも曲に挑戦&最後まで曲をプレイできるという、このプレイ方式やリズムゲーム初心者にも優しい仕様をしています。これが相まって、時間を忘れてプレイしていた筆者のプレイスキルは大きく上昇。ノーツの色分け等も直感的に分かるようにまでなりました。
プレイに慣れてきて感じたのが、判定の優しさ。得点的には最高判定である「PERFECT(黄)」と「PERFECT(白)」の範囲が広く設定されている上に、ズレが大きい場合に出る「GOOD」判定でもコンボが続いてくれます。このおかげで、フルコンボも意外といけます。なお、本作の最高評価はオールPERFECTでとれる「ミリオンマスター」。さらに、「TP」という、ノーツ判定の精度を%で表すシステムを100%にすれば、その楽曲を完璧にクリアしたということになります。リズムゲーム的には、このミリオンマスター(TP100%)を全曲で達成するのが最終目標ですね。
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楽曲難易度には、「EASY」「HARD」「CHAOS」の3種類が用意。「HARD」もクリアできるようになってきたため、思い切って「CHAOS」をプレイしてみたところ、曲中にアクティブスキャンラインの移動スピードが変わるという驚きのシステムに遭遇。このシステムのおかげで、難易度がかなり上がっていると感じました。ですが、ラインのスピード変化に対応してノーツを叩ききった時の爽快感は半端なく、思わず心の中で「よし!よし!よし!!」と言ってテンションブーストしてしまうほどです。
筆者がギリギリプレイできる「CHAOS」の曲でも楽曲レベルは9(「CHAOS」で一番低いです)で、この上の楽曲レベルもまだまだ沢山あります。幅広い難易度が用意されているため、初心者から上級者まで十分満足できること間違いなしです。
◆ハイクオリティな楽曲と個性的なキャラクターたち
本作には、「ポップ」「エレクトロ」「ロック」「メタル」「クラシック」といった多ジャンルの楽曲が収録されており、そのどれもが中二病心をくすぐるかっこいい仕上がりになっています。そして、その楽曲に大きく関わってくるのが本作に登場している5人のキャラクターです。
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本作に収録されている全ての楽曲は、彼ら5人が作曲しているという設定になっており、左から超人気アーティスト、大人気実況者、データマニアのロボット、ネットシステムの管理人兼ギタリスト、演奏家の中年紳士といった感じのキャラ設定。ちなみに詳しいキャラクター背景に関しては公式サイトにしっかりと書かれています。
この5人には、それぞれにストーリーが存在し、そのストーリーを見たうえで、この楽曲はこのキャラクターが作ってるんだな、と考えるのが意外と楽しいです。ちなみにストーリーは、「iM」というバーチャルインターネットの世界で進みます。Twitterを感じさせる見た目のSNSで、キャラクターたちと一般ユーザーたちが会話を繰り広げる光景を見ていくといった感じ。「いいね」のアイコンらしきものや、実際のネットでもよく見そうなコメントから、架空のSNSがうまく表現されているなと感じさせられました。
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肝心のストーリー内容に関しては、ネタバレになるので言えませんが、かなり気になる内容となっています。
◆隅々までこだわられた選曲画面
本作をプレイしていて一番気に入ったのが、選曲画面のグラフィックです。キャラクターをイメージした空間の目立つ場所に、CDジャケット画像のような感じで楽曲が表示されています。この選曲画面の何が好きかっていうと、キャラクターをイメージした空間と選択楽曲の位置関係、そして、画面全体がとにかく動くところです。
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上の画像は、キャラクターの1人「NEKO#ΦωΦ」の選曲画面です。大人気実況者である彼女をイメージして、選択楽曲は放送画面らしき場所に位置。某動画サイトのようなコメントも流れています。ただ、後ろでNEKOがゲーム実況らしきものをやっているので、コメ出し画面、または未来的な音楽プレイヤーなのかなとも思えます。
そしてこの選曲画面では、NEKOがキーボードを軽快に叩いていたり、放送中の文字がグルグル回っていたりと、筆者が見つけただけでも13箇所に動きが発生しています。このように、隅々までこだわって作られている画面が、キャラクターの数だけ存在するうえ、今後増える可能性もあるというのは考えただけでワクワクします。
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そんな選曲画面の中で筆者が一番好きになったのが「PAFF」の選曲画面。超人気アーティストということで、バーチャルライブ中の様子が選曲画面に使われています。そして、選択楽曲は、彼女の後ろにドン!と構える巨大スクリーンを使って表示。感覚的なものなんですけど、この楽曲位置が物凄い好きなんですよね。パネルとパネルに間があるのも逆に好きです。
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正直、この選曲画面を見るためだけにお金を払ってもいいんじゃないかっていうぐらいの物凄いこだわりを感じます。選曲画面のどこがどんな風に動いているのか、少しでも気になったという方は、ぜひ本作を購入して、ご自身の目でご確認ください!
今回のプレイでは基本HARDでプレイしていましたが、十分楽しむことができました。リズムゲームで一番楽しいのは、曲と一体化しているかのような感覚を得られることで、それは高難易度になればなるほど深く感じられます。つまり、筆者からすれば楽しめる要因はまだまだ山のように残っているということ。さらに、公式サイトには、まだゲームに登場していないキャラクターの姿も見られることから、キャラクターや楽曲はどんどん増えていくことが予想できます。
本作は、ゲーム内課金(キャラクターアンロック)無しでも、約30曲を遊ぶことができ、そのどれもが素晴らしい楽曲となっています。お値段も240円というお手頃価格ですので、本作に興味が湧いた方は、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。
なお、現在はiOS版のみ販売中で、Android版は3月のリリースを予定されています。
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