今回プレイするのはAnnapurna Interactiveから発売された『Telling Lies』のPC版。本作は、とある事件の真相を究明するために、膨大な映像記録からキーワードを見つけ出していく、実写映像取り込みのアドベンチャーゲームです。
実写映像取り込みのアドベンチャーゲームと言えば、海外ドラマのように夢中になってしまう本格的なものから、タレントを起用しただけの内容が薄いものまで……名作とクソゲーの振れ幅が極端に大きい印象があります。

パッと思いつくだけでも結構振れ幅あるな……
当たり外れの多いジャンルですが、本作はどちらに傾くのか!?
何するゲーム?動画観るゲーム!

物語は、膨大な量の動画が記録されたノートPCを手に入れたところから始まる。その動画には複数の男女のプライベートな様子が映されていた……。
そのPCは主人公が盗んだのか拾ったのか、現時点で経緯は不明だが、動画に記録された複数の男女に起こった事件を調べていくのがゲームの目的だ。

PCの中にはファイルやアプリがいくつかある。
データベースサーバーを起動すると「愛」と入力された検索ウインドウが表示されたので、そのまま「愛」で検索してみる事に……

「愛」に該当すると思われる動画の一覧が出てきた。
しかし、見知らぬ男女のプライベート動画というと、得も言われぬ何かやらしさ的なものを想像し、後ろめたさを感じてしまう……。

これはゲームだからね。やましい気持ち一切なし!はい、動画スタート!

なんかデイビッドというヒゲのおっさんが出てきた。誰だよ。
最後まで観終わったのだが、ひたすらデイビットが1人で喋ってるだけの動画だった。「18歳の時に女の子と出会ったけど、俺ウブだったからさ」とか言われても……知らねえよ!
動画検索の他に何かファイルがないのかとPC内を探していると……

『ソリティア』を発見!実際に遊べるようだ!

『ソリティア』って現実逃避の道具として優秀だよね。
他にやる事があるのに遊んでしまう……。
気になるワードは即検索!

動画の一覧ページというものはないので、1つの動画を観終わったらまた新たに検索して別の動画を探す必要がある。

動画の再生中に字幕をドラッグすればそのまま検索が出来る。
例えば「デイビッド・ジョーンズ」で検索すれば、「デイビッド・ジョーンズ」という単語を喋った動画が検索結果として表示される。

この痩せたおっさんの動画では、デイビッドが「リトル・マーメイド」という船を所有している事がわかった。次は「リトル・マーメイド」で検索してみよう。
と、このように動画を観て気になったワードを検索し、新しい動画を視聴する事により、それぞれの人となりや、起こった事件が徐々に明らかになっていく。
検索出来るワードは動画内の字幕だけではなく、プレイヤーが直接単語を打ち込む事んで検索する事も可能だ。

うん、このように検索をすると……

「うん、これだよ」と話している動画が出てくる。

こんなしょーもない遊び方も出来るぞ。
検索ワードはしょうもないものでも、もしかしたら事件の核心に迫った動画にたどり着く事があるかもしれない。
人によって攻略のルートが全く変わってくる面白いシステムだ!
メモを取って情報を整理!

前述の通り、主人公はどうやってこのPCを手に入れたのか、その目的は何なのか、動画に映っている男女は誰なのか、彼らに何が起こったのか……プレイヤーにとって全てが不明なところから始まるので、完全に手探り状態なのだ。

最初の内は動画を観ていても、どれが重要な単語なのかさっぱりわからないので、人や場所、物の名前が出たら片っ端からメモを取っておいた方がいいだろう。
ゲーム内でもメモを取れるのだが、僕は現実の紙のメモ帳を使用した。

「紙のメモ帳にメモった方がなんか雰囲気出るから」という理由なんだけど、これが結構オススメだ。

ゲームを進めると、そこはかとなくエロスを感じさせる女性が登場した。
あれれ~、もしかしてこのゲームって大人向けなのかな~?事件の真相究明のためにも、このお姉ちゃんの動画も詳しく調査する必要があるな……

サムネイルからも漂う圧倒的エロスの予感。本能の赴くままにスケベなワードで検索するおじさんだったが……

検索履歴が残ってしまうぞ!
人に見られるとめっちゃ恥ずかしいから気をつけよう!
自由にワードを検索して情報をさぐるという、これまでに僕がプレイしてこなかったジャンルのゲームなので、新鮮な気持ちで楽しめました。僕はスタッフロールにたどり着くまでに5時間ほどかかりましたが、検索ワード次第ではもっと早くたどり着けると思います。
「実写ゲーには名作とクソゲーの振れ幅が大きい」と冒頭でも述べましたが、個人的に本作は名作側に振れているゲームでした。
ただ、「さあ動画を観て検索してくれ!」と序盤から投げっぱなしなので、ゲームの雰囲気をつかめない内はその面白さが理解できないと思います。でも、事件の真相が徐々に明らかになるにつれて理解できるので、根気強くプレイする事をオススメします。
ゲーム内にもメモ帳はありますが、紙のメモ帳でメモすると「主人公=自分自身」という没入感が増しますよ!
『Telling Lies』はPC(Steam/GOG.com)/iOSを対象に配信中です。
吉田輝和のプロフィール:19年にわたって自画像の絵日記を書き続けているおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、2018年にはアニメ作品に2回登場した。何故こんなに漫画登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 吉田のTwitterはこちら。