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2020年2月某日、新宿にあるキリストンカフェ 東京にて、マーダーミステリー新年会(マダミ新年会)が開催されました。本イベントは、マーダーミステリーの制作監修や出張GMを行っている久保よしや氏が企画。180人が参加できる多人数ライブアクションゲーム「色彩の追復曲(カノン)」が公演されました。
イベントの模様をお届けする前に、話題の新エンタテインメント「マーダーミステリー」について簡単にご紹介します。
▼マーダーミステリーとは?
マーダーミステリーは、アナログゲーム界隈を中心に話題沸騰中の体験型推理ゲームです。殺人などの事件が起きた物語が用意され、参加者は会話をしながら犯人を探し出します。犯人役になったプレイヤーは、自分の正体がバレないようにゲームを進めていきます。
また、それぞれの役柄に対して、事件当日の行動や人物背景などがキャラクターシートとしてまとめられており、まるで推理小説の世界に入ったような体験が味わえます。なお、各シナリオは一度体験するとすべての真実が明らかになるため、一生に一度しかプレイできないことが特徴です。
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一夜限りのマフィアの宴、ライブアクションゲーム「色彩の追復曲」レポート
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今回、マダミ新年会で行われたライブアクションゲーム「色彩の追復曲」は、180人が参加できるマーダーミステリー風の公演です。マーダーミステリーは前述の通り、参加者ひとりひとりが異なる役柄を演じるため、7人前後と少人数で行われるものが多いなか、180人全員が異なるキャラクターシートを持つという前代未聞の規模で実施されました。
「色彩の追復曲」は、数多くのファミリアを束ねるマフィアのボス・ドンヴォルペが何者かに殺され、若くて未熟な隠し子が後を継ぐ就任式が行われるところから物語がスタート。参加者は赤・黄・青、いずれかのファミリアに所属するマフィアとなり、狂乱の宴の最中、「何かを探す」ことになります。
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公演前半は、3つのファミリアがシノギを競い合うエリアマジョリティゲームが行われました。会場内のテーブルには、さまざまな場所の名前が描かれています。そして制限時間が終了した時点で、当該の場所に座っていたマフィアの数により、各ファミリアにシノギが分配されます。しかし、シノギの奪い合いをそっちのけで、「誰か」を探し求めるマフィアたちが多数発生。さまよえる多くのマフィアたちによって、会場内カオス状態に陥りました。
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スペシャルゲストによる「パッヘルベルのカノン」のヴァイオリンの生演奏を挟み、後半には死の名刺交換会が実施。自身の持つ3枚の名刺を配り切り、絶望的な状況から生き残りを図るというものです。公演中にファミリアのボスたちが繰り返し叫んだ、ドンヴォルペの格言「強くなければ、生き残れない」という言葉の先にある真意を読み取り、果たしてどれぐらいのマフィアたちが生き残れたのでしょうか……。「色彩の追復曲」はさまざまな思惑が交錯するなか、幕を下ろしました。
なお、本公演は新年会向けにカスタマイズされたバージョンとのこと。マフィアたちの真の物語は、また別の場所で始まるかもしれませんね。
本イベントの主催者、久保よしや氏にインタビュー
公演終了後、企画者である久保よしや氏にインタビューを行いました。
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──まずは、マーダーミステリー新年会を開催した感想をお願いします。
久保よしや(以下、久保)めちゃくちゃ面白かったです!「新年会ってこんなんだったっけ?」と終始クエスチョンマークが浮かんで、いまやっと一息つけましたが、これでよかったと思います。興味のない世間話をしてなんとなく食事をする……そんな新年会よりもずっとエキサイトで馬鹿馬鹿しい会が開けて。そうした会にこんなにたくさんの人が集まり、遊んだりお話ができてよかったと思います!めちゃくちゃ面白かったです!
──どういった意図でこの会を企画されましたか?
久保ちょっと長くなるんですけどいいですか?(笑)元々「マダミ談義」というイベントを10月にやったのですけど、これはマーダーミステリー界隈の製作者やお店の人をつなげるイベントだったんですよね。40人の定員はすぐに集まって、情報交換や宣伝についての話に花を咲かせました。このイベントがマーダーミステリー界隈に結構実益があって、いろんなシナリオが店舗に卸せられたり、新しい企画が立ち上がったんです。すごく有意義だった。
そして、好評だったこともありもう1回やろうと思ったんです。じゃあ今度は倍の80人で!こちらも1時間経たずに満員。じゃあ100人……速攻満員。この時ふと思い出したことがあり、マーダーミステリーを制作しているけどプレイはしない、知ってる人とコミュニケーションは取れるけど会話にはキッカケが必要という友人がいたなと。また、私は多人数マーダーミステリーをゆくゆくは開発したい……。
だったら、そうした友人のケアができて、かつ「実験」ができて、それがコンテンツになるならめちゃくちゃ面白いじゃん!と思ったんですよね。つまり、最初の意図は「新年会のコミュニケーションツールとしての多人数マーダーミステリーの企画」です。
──実験的な意味も込められていたイベントだったんですね。
久保あとは付随して、いろんな人がつながることでマーダーミステリーの店舗やシナリオを知ってもらえたり、新たなチャンスを創造したり、コミュニティが新設されたらいいなと思ったりしました。それにチャレンジしてみたかったんです。最悪盛り上がらなくても、「新年会なんで!」って言い訳で逃げられるじゃないですか(笑)。
そのあと作品を作っていくなかで、意図はかなり付加されていったように思えます。例えば、マーダーミステリーの定義を少し破壊してみようとか、「ゲーム」が始まる前と後にも楽しめる仕組みを作って地続きの世界観に没入してもらいたかったり、謎解き・演劇・ARG・イマーシブシアターとかちょっとずつエッセンスをいれてみたいなとか。「こんなのでもいいんだ!」と思えるような抜け感のある作品をあえて見せたり。都度都度変わる方向性に、チームメンバーは大変だったと思います!
──180人参加ライブアクションゲーム「色彩のカノン」について、公演してみた感想を教えてください。
久保良い実験になりました!実は100人想定で作っていたシステムを180人で回してみようと方向転換をしまして、MAXで回した時にどうなるかが見たかったんです。実施してみると、たしかにわちゃわちゃはしたんですが、思いのほかそれもよかったと思います。100人にした時にこうすれば面白いという知見が多く拾えて有意義でした。また、余興の演目のひとつとして楽しんでいただけて安心もしましたね。
これにきちんと段取りとメリハリをつけて導線を整えれば、そこそこ楽しいものに仕上がると思いますし、追加で考えていたシステムも実装すれば新しいエンタメになると確信できました。併せて、この付き合ってくれた180人にどう恩返し出来るか考えたりしてワクワクしています。
仕組みに全乗っかりをして、恰好から世界観に入り込んでくれた人や、ゲームが終了してからも考察を展開してくれた人、中には参加していないのに参加者のように振舞い楽しんでくれた人もいました。開催はゴールじゃなくスタートなので、これをきちんと活かして何か発展性のあることをしていけたらと思っています!
──ご自身の今後の活動や展望について教えてください。
久保私個人としては、新しい「ワクワク」にフルコミットしていきたいです。企業さんや個人やそういう垣根を取っ払って、自分のできることと他人の面白いや他人の目標を擦り合わせてエンタメしていきたいです。その中にきちんと実益が伴って損する人が出ないようにきちんとマネジメントしていきたい。どんな方向からでもやってよかった!を目指していきたいです!
──ありがとうございました!
久保さんには、マーダーミステリーのトップランナーを集めた対談にも参加いただいており、本日記事の公開を予定しています。お楽しみに!
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また、3月11日(水)には、「マダミ談義」という、マーダーミステリーに関するトークイベントも実施予定。こちらは「マーダーミステリーの光と闇」と題し、作品・店舗・GM(ゲームマスター)などについて大激論が行われるとのことです。気になる方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。