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5月14日にニンテンドースイッチにて『アンリアルライフ』がリリースされました。新しいインディーズゲームレーベル「ヨカゼ」による最初のリリース作品となる本作。「情緒のある体験を持つゲームをリリースする」というレーベルの掲げるテーマどおり、おどろおどろしくも温かみある体験のできる作品となっています。
本記事では『アンリアルライフ』の特徴について紹介しいきます。
信号機に導かれる 記憶をなくした少女の物語
本作は記憶をなくした少女「ハル」が、人工知能を搭載した信号機「195」の助けを得て、謎に満ちた世界を旅する物語です。ハルの記憶に残っているのは「先生」という人の存在だけ。先生とはどんな人物なのか全くわからないまま、「会いたい」という衝動に突き動かされて彼女は歩き始めます。
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物語の舞台は現実の街のように見えてどこか異なる不思議な世界。純粋な人間は存在せず、まりものシェフ、ネズミのエンジニア、ペンギンの駅員など少し変わった生き物達と触れ合い、時に助け合って旅をします。
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こだわりのドット絵で描かれる世界
『アンリアルライフ』の最大の特徴は映像へのこだわりでしょう。少し粗さも見えるドット絵はこの世界の持つ不安定さと怖さを効果的に表現。一方で、時折登場する一枚絵は繊細で美しく、プレイヤーに強い印象を残します。ゲーム全体の色彩は青を基調としており、その微妙なバランスで恐怖を煽りながらも、同時に温かみを感じられるようになっています。
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水上の線路を走る電車など、ロマンを感じるロケーションの数々も必見。水の上を走る電車はジブリの名作の専売特許だと思っていましたが、本作の電車のシーンはそれとはまた違った味わいのある場面となっています。
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この一枚絵に惹かれた人も多いのでは。
会話の際には画面左下キャラクター達の顔が表示されます。小さい枠の中に描かれるこの表情の変化もとても丁寧。特に赤信号が顔となっている195は、ただの赤い円なのに、やたらと表情豊かに見えてくるから不思議です。
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また、ゲーム中の文字は通常の文字かドット文字かの選択が可能。ドットはちょっと見づらいという人は通常の文字にすることもできます。ちなみに初期設定では通常文字になっているため、ドット絵の世界に浸りたい人は設定変更をお忘れなく。
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「スムーズ」にすると読みやすい通常のフォントになります。
モノの記憶を頼りに世界の秘密を解き明かす
謎解きADVの形式をとっている本作。ハルを動かしてあちこちを調べヒントを集めるという一般的なADV作品と同じ作りになっています。特徴は触れたモノの記憶を読み取ることができる点。電柱や木など様々なモノに触れ、その過去の記憶を読み取ることで秘密を解き明かしていきます。
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過去と現在を比較して変化している部分を見つけて謎を解いていきます。
基本的にゲームオーバーはないので、色々なことを試し、繰り返し記憶を読み取ってじっくり謎を解いていくことが重要。物語の後半には分岐があり、マルチエンディングの形式となっています。この分岐の場面ではきちんとオートセーブされるため、失敗を恐れず思い切って挑戦してみましょう。
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高揚感のある音楽も相まってほどよい緊張感を得られるようになっています。
プレイの上でもう一つ重要なのは入手したアイテムを「手に持つ」ということ。途中で手に入れるアイテムはすべて一旦かばんに収納されますが、使うためには取り出して手に持っておく必要があります。手に持てるアイテムはひとつだけ。アイテムはかばんに入っていても手に持っていなければ使えませんし、謎解きの際にも効果を発揮しません。手に持っておくことで突破口が開けるようになっています。
行き詰まったら、とにかく何かをかばんから取り出して持つことが基本と覚えておきましょう。初めて手に入れたアイテムはとりあえず取り出しておく癖を付けておくと、スムーズに謎解きができるのでオススメです。
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「いま自分にできることはなんなのか」 怖いけど優しくで少しだけ勇気をくれる作品
モノの記憶を辿りながら、自分の記憶と「先生」という人を探しもとめる本作。様々な動物やモノとの触れ合いの中で、その時自分にできることを考える大切さを感じられる作品です。暗い色合いで、おどろおどろしい描写も度々出てきますが、少し心が温かくなり、ちょっぴり勇気を与えてくれる作品でもあります。
『アンリアルライフ』はニンテンドースイッチeショップで、2,400円(税込)で発売中です。